朝晩の寒さも和らぎ蛙も鳴き声を上げる頃となります。暦の上では「夏」に入り田植えの準備として「苗代」の季節です。
当地区では例年五月の連休に苗代を行う農家が多いのですが、今年はまだ水が引かれていません。おそらく連休中の人手集めの関係だと勝手に思っていますが、無事に田植えまで進むことを祈っています。
御神前に蓮をご奉納いただき、毎日その様子を見守っているところですが、小さなカエルをよく目にします。蛙は必ず元の場所に戻る習性があることから「帰る」が語源とされています。
「お金が返る」「無事に帰る」といった縁起の良い対象として見られることも多いようです。
蛙が鳴き始める頃の眠くて仕方がない時期を「蛙の目借時」というそうです。「目借る」は「妻狩る」が転じたもので蛙がメスを求めて人の目を借りるからだといいます。
端午の節句に柏餅を食べるのはやはり縁起を担ぐためで、柏の木は新芽が出るまで葉が落ちないことに由来します。
旧暦五月は梅雨の湿気で伝染病の流行る時期だったといいます。
当社の疫神除の神事がこの時期に行われるのはそうした旧暦の行事であったことの名残なのでしょう。