今年は暖冬傾向で寒中の厳しさをさほど感じません。先日夕刻に一時小雪が舞うことがありましたが、積もるには至りませんでした。小寒から大寒までの三十日間が『寒の内』と呼ばれ一年で最も寒さの厳しい時に当たります。この時期に出すのが寒中見舞いです。小寒の時季は時に大寒よりも寒く感じられることから「小寒の氷、大寒に解く」ともいわれ転じて物事が必ずしも順序通りにいかないことの喩に使われます。
小正月の十五日から四日間の間を雉始雊(きじはじめてなく)と呼ぶそうです。日本の国鳥である雉が鳴き始めるころの時候です。実際に泣き始めるのは弥生を迎える頃で、雄は雌を求めて「ケーン、ケーン」と甲高く鳴き、美しい羽根を「ホロロ」と打ち鳴らします。
頼み事やを不愛想に断るさまを『けんもほろろ』と表現しますが、これは雉の鳴き声や様を表したことが語源となっているそうで、雉の鳴き声が人の耳に尖って聞こえることから来たようです。また雉は田んぼや畑を走り回ることから食用狩猟の対象となってきました。よって『雉も鳴かずば撃たれまい』ともいわれ昔からその鳴き声は印象的に響いていたのです。
近隣の蝋梅が花を咲かせています。文末にて失礼いたしますが、寒中お見舞い申し上げます。寒中の折どうぞ皆様お身体ご自愛の上お過ごしくださいませ。