お昼に一人きりの時には焼きそばが食べたくなる。四角い容器といえばペヤングソース焼きそば。発売は1975年というから40年以上の歴史がある。2014年にTwitterで異物混入騒ぎが大事となり、自主回収の上販売休止になったのが記憶に新しい。むしろその後販売再開後、あまりの人気に品薄が続いたことの方が驚きだった。スーパーの店頭でもいつ入ってくるのか分からず、棚割りに苦労していたように思う。
一度無くなった棚位置を戻すには相当の努力が必要というが、ここまで顧客に浸透していると販売休止後も再開を待ちわびている人も多かったのだろう。ロングセラーのA商品となるのにはそれなりの理由があったのに違いない。
販売しているのはまるか食品で本社は伊勢崎市だ。食品問屋にいた頃、担当ではなかったが会社が卸売をしていて、工場が近かったことのあり、納品ではなく引き取りに行く取引形態だった。要するに自社便を持っているところはその方が運賃がかからない。商品を段ボールに10個または12個詰めて1ケースとして流通取引するが、2ケース(箱)をPPバンドで縛って1縛りで取引することを1甲(ひとこうり)と呼んでいた。
文脈で説明しても伝わりにくいが、群馬方面からから来ていたベテラン営業マンは「1甲」を「ひとっこうれ」と発音していた。群馬、本庄方面の販売店は皆そうだったように思う。所謂上州なまり。営業の会話の端々にこうした訛りがちりばめられていて、聞いている方はわかりずらいが、今から思うと味があってかっこよかったように思う。そもそもその営業マンは「ペヤング」ではなく「ぺーヤング」と呼んでいた。
子供の頃ペヤングソース焼きそばといえばTVCM。四角い顔の落語家が出ていた。当時の桂小益(9代目桂文楽)。1980年代前半のCMで柔道部員と落語家がやり取りしていた。
「どうだい味は?」「まろやか~」「もう一丁いく?」「オッス!」
いまだにこのフレーズを覚えている。子供の頃に食べた焼きそばの味は40年近くたっても変わることがない。
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