弥生も十日を過ぎると暖かさも日増しに感じられるようになるが、生憎今日は冷たい雨に見舞われた。春は別れの季節。
今日も店の中を見渡すと卒業式を終えたと思われるお客の姿も目に入る。コロナ禍のせいで晴れやかな門出の儀式も簡素化省略化され、例年と比べ賑わいも抑えて行われているようだ。今年は自分の子供たちもそれぞれ中学、小学校を卒業することとなり、式典も来週に迫っている。感染拡大防止のため中学については式の参列が叶わないが、それもまた糧として晴れの門出を陰ながら祝いたいと思っている。
一方自身の仕事に関しても急な辞令で配属が変わることとなった。会社員の宿命であり環境が変わることには慣れてはいるが、やり残したことも多い。いつかやろうは馬鹿野郎との言葉通り、いつかいつかと思っているうちに自分の居場所がなくなってしまうこともある。移動先でまた一からは人間関係を築くことを厭わないようにと願っている。
古くは藤原秀郷が、平将門の乱を鎮めるにあたり、願いかなって八幡宮に思いの儘に田を寄進する。そこから飯田(ままだ)との名がついたところに身を寄せて半年。別れの時を前に気に留めている言葉は「怠らず張り詰めず」
日々の仕事の中で、大きな変化と思うものでも、振り返ればある地点での小さな起伏に過ぎないことも多い。変わるのではなく、変化し続けること。歩くのではなく歩き続けることが大切なのであって、その秘訣があるとすれば「怠らず張り詰めず」という気構えにあるような気がする。
明日の別れを前に、普段通り一日を過ごせたらと思っている。
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