皿尾城の空の下

久伊豆大雷神社。勧請八百年を超える忍領乾の守護神。現在の宮司で二十三代目。郷土史や日常生活を綴っています。

ビックマックの経済学

2022-09-12 21:47:02 | 物と人の流れ

為替相場が連日騒がしい。1㌦140円を優に超え、行き着く先がいくらか見通しが立たないようだ。1998年以来の140円台だということで四半世紀ぶりの円安水準。1997年に消費税が5%となり当時新卒一年目のサラリーマンだった私は、日々忙しいだけで当時の経済状況をあまり覚えていない。こんなに騒ぎになってはいなかった気がする。ラジオの経済学者の見解によれば1㌦90円から100円が安定水準だというから、要するにいま日本はものを輸入するのに1.5倍の資産を費やしていることになる。デフレで給料が上がらないから2%の物価上昇を目標にしてきたはずなのに、とんだ見当違いな政策だったのだろうか。7月の消費者物価指数(生鮮品を除く)は前年比2.1%だったそうだ。(目標ピタリ)

ところが世界を見渡すと、物価指数の上がり方は日本と比べものにならないくらい上がっているという。その分給与水準も上がっているので、日本だけが取り残されているわけではないとも言っていた。ただし給与水準が20年前と比べ減っているのは日本だけだということで、まさしく「失われた20年」。先進国(もう零れ落ちている)の中ではダントツに給与水準が低いそうだ。
世界の中の価格水準を比較するのに「ビックマック指数」というものがあるらしい。現在日本国内でのビックマックの価格は390円。
アメリカ    710円
スイス     915円
オーストラリア 638円
などこうした価格水準を均衡化するための仕組みが為替相場だというが、現実には購買力評価から乖離してしまってゆがんだ状態だという。
仕組みについてあまり私自身理解できないでいるが、明らかなのは日本の購買力は間違いなく低いということ。(残念ながら)

景気対策としてインバウンドによる爆発的な購買を期待している向きがあるが、反対に日本人が外国に行って自由に(経済的負担なく)旅することは不可能になりつつある。
雇用と給与、社会保障、経済的自由度など国々で違いがあろうが、人々が安心して世界中で取引できる時代ではなくなった。
日本は令和の実質的経済鎖国へとむかいつつあるとラジオの経済学者は結んでいた。
有事は静かに侵攻するとはよく言ったもので、私たちの自由度はすでに浸食されつつあるそうだ。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 旧吹上町 下忍愛宕神社 | トップ | ヤクルト1000人気で思い... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

物と人の流れ」カテゴリの最新記事