九月の気持ちの良い青空の下、皿尾講宝登山神社御眷属の借り換え祈願に行ってきました。
秩父三社の一つに数えられる宝登山神社は、景行天皇四十年の創建と言われ、平成二十三年御遷座千九百年の記念事業が盛大に執り行われ、多くの参拝客で賑わっています。
また「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」にも紹介され、最近では秋篠宮家眞子様のご成婚に長瀞がご縁あったことなどから、大いに注目を集めているところです。宝登山といふ縁起の良い名は弘法大師が名付けたようですが、神社の縁起によれば日本武尊伝説に由来するとされています。景行天皇の第二子である日本武尊はその武勇から景行天皇からも恐れられ、東征を命じられました。秩父両神山は、日本武尊が常陸の国より八日見てたどり着いたことから「八日見山」という伝承もあるようです。
日本武尊が宝登山に登られたところ山火事が発生し、進退極まった時にどこからともなく巨犬が現れ火を消し止めて尊を助けたことから、「火止山」と名付けられ、山神信仰が伝わったとされています。お犬様すなわち御眷属の言われです。
皿尾久伊豆大雷神社の奉納額には先代の横田茂宮司の書が飾られています。昭和四十一年伊勢神宮参拝鳥居奉納の際の書です。皿尾地区だけではなく、行田、熊谷周辺では長瀞への信仰が古く現在でも交通安全祈願など多くの方がお参りに行っています。
御眷属のお札です。五人講と呼ばれる講社は江戸時代から続く代参の形です。講員が一年間眷属のお札を借り受けるもので、代参に選ばれた講員が、お札を集め、祈願に上がります。昔からの風習で、代参する当日朝に御眷属を集めます。忙しいからといって前日晩に集めてしまうと、その晩に火事が出たり賊に入られるといった言い伝えがあります。それほど御眷属に対する信仰が厚かったのだと感じます。
土曜日でしたが境内は参拝者でいっぱいです。講社として本殿にて祈願を受けます。
祈願後は参集殿にて直会を行います。昔話に大いに華が咲きました。いまは便利になり、いつでも好きに出かけられる時代ですが、戦後間もないころはこうした参拝が唯一の旅行だったたと聞きました。
地域のつながりとしてこうした信仰を大事にしたいと思います。代替わりで止めてしまう家も出てきていますが、新たに声をかけ講に入っていただけた方もいます。やはり最後は人とのつながり、そんなことを考えていた一日でした。
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