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「愛は勝つ」などのヒット曲で知られるシンガーソングライターのKANさんが、61歳の若さで亡くなった。「メッケル憩室ガン」と云う聞き慣れない部位のガンで、今春に闘病を公表されたばかりだっただけに、驚きと悲しみを禁じ得ない。
それにしても今年に入って坂本龍一、高橋幸宏、谷村新司、もんたよしのり、そして先日は大橋純子と、我々世代が本当にお世話になった音楽家が続々と旅立たれ、無念さが途切れる事はない。
有名人の訃報が出るたび、それに乗じて自分語りをする人は少なくないが私は正直KANさんについてそれほど多くの思い入れがあるわけではない。
ソロコンサートに行ったのも一度きりで、大半は私が愛してやまない「宇宙一好きなバンド」スターダスト・レビューらとのジョイントで観た回数の方が多い。そのスタレビの2014年のアルバム「SHOUT」のプロデュースもKANさんだ。
ジョイントライブで、スタレビ根本要はとにかくKANさんに気を遣った。小田和正さんに気を遣うのは大先輩ゆえ仕方がないが、年下でも「愛は勝つ」というミリオンセラーのあるKANさんには気を遣い倒していた。そしてそんな気を遣い倒すスタレビが、私は正直見ていてつらかった。ゆえに私はそれほど多くのジョイントには行っていない。
そのKANさんが、突然いなくなってしまった。
バンドとしての完成度、ライブパフォーマンスは屈指のスタレビですらも一目置かざるを得なかったKANさんが天に召されてしまったこの喪失感は、何と表現すればよいのだろうか。
スタレビにとって憧れ、目標、仮想敵…そのどれでもあってどれでもないような不思議な存在感のあったKANさんは、その「めずらしい人生」を静かに閉じてしまわれたのである…
合掌。