≪あらすじ≫
東日本大震災直後の遺体安置所での出来事を、西田敏行主演、君塚良一監督で描いた人間ドラマ。
震災で甚大な被害を受けた岩手県釜石市の遺体安置所を取材した石井光太氏のルポタージュ「遺体 震災と津波の果てに」(新潮社刊)をもとに、震災直後の混乱のなか、次々と運ばれてくる多くの遺体に戸惑いながらも、被災者である釜石市民の医師や歯科医たちが、犠牲者を一刻も早く家族と再会させてあげたいという思いから、遺体の搬送や検視、DNA採取や身元確認などのつらい作業にあたる姿が描かれる。
≪死体と遺体の違い≫
“死体”は、人間以外にも使用する言葉です。
対して“遺体”は人間限定。
≪感想≫
●まず、感想とか書くべくか?どうか非常に迷いました。
しかしこの映画は、震災の事実であって、真実ではない・・・という事を私はすぐ感じました。
≪真実と事実の違い≫
真実・・・嘘のないこと、本当のこと
事実・・・現実に起きたこと
だから、震災がおきたという事実は現実に起きた事ですが、震災にあった現場・感情は「だろう??」という仮定のことで、事実とはかけ離れているのが分ります。
あまり、事実の凄まじい現状・感情は、震災にあった人にはあまりにも残酷なことなので、緩和したのだろうか??
実際の現場はもっと、ごった返しで人のわめき、泣き叫ぶ声など私には想像しがたいものであったに違いない。
だから、この映画は事実とう記録、戦争と同じく忘れてはならない事実を描いていると私は感じました。
映画には限界があるのではないかと??残念に思いました。
●全然知らない人とかの遺体を見るのと、少しでも関わりのある知人・同じ血の通った家族の遺体を見るのとは感情が全然違います。
だから、遺体の確認をする医師・看護婦・歯科医は、身元確認の為出来るだけ冷静に看ていても、知人や家族遺体の時は同じ人間なんだと思いました。
●遺体も一人の人間なんだ・・・と言って、優しく言葉をかけて話す場面は、感無量でした。
私が一番、胸にグッときたのは、住職・芝田慈人が遺体の為にお経をあげるシーンです。
人間味がよく出ていて、本当の感情を感じました。
●遺体の硬直を和らげる仕方のシーンは、勉強になりました。
何人かの家族の遺体を看ましたが、いつも「かぞくの方は外に・・・」と次にあった時は手を合わせた姿になっていますから・・・
●この映画は、「震災直後の混乱状態の中、釜石市民は自らも被災者でありながら同じ町に住む人たちの遺体の搬送、検視、DNA採取、身元確認など辛い役割を担った。犠牲者を一刻も早く家族と再会させてあげたい、その思いひとつで遺体や遺族と向き合ったのである。」のが趣旨であるはずが、西田敏行・主人の演技がで際立ってはいけないと思いました。
●忘れてはいけない真実の記録として、観て下さい。
この映画の収益金が、全て義援金になるとのことなので私は観ました。
●TOHOシネマズなんば別館・堺で上映しています。(TOHOシネマズ泉北では上映していません)