語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【南雲つぐみ】肩甲骨を動かす ~脳の活性化~

2018年05月09日 | 医療・保健・福祉・介護
 慢性的な肩凝りで体が緊張していると、余計なエネルギーを使うため、体力も消耗しやすくなる。
 すると疲れる割には眠れないし、胃の調子が悪くなりやすい。こんな時は、肩甲骨の動きを良くすることが重要だという。
 肩甲骨は、背中側の肋骨の上に覆うようについている骨で、肩、腕、背中の筋肉によって動かされる。
 まずは、肘を曲げて後ろにゆっくりと反らしてみよう。ぐーっと反らしているつもりでも、鏡で見ると全然反っていないことがある。肩甲骨の動きが悪いことは、その周りの筋肉が硬くなっているということなのだ。
 一日に何度も肩甲骨を動かすストレッチをするといい。肩甲骨がなめらかに動くようになると、肋骨周辺や背中の筋肉がほぐれてくる。すると肺が広がりやすくなり、酸素をたくさん吸うことができる。年齢と共に筋肉が減少すると基礎代謝が落ち、脳の代謝も低下するといわれている。肩甲骨をよく動かして酸素を吸うと、脳の働きも活発になるそうだ。

□南雲つぐみ(医学ライター)「肩甲骨を動かす ~歳々元気~」(「日本海新聞」 2018年4月4日)を引用

【佐藤優】夫婦ゲンカになりそうなときは外国語にスイッチ

2018年05月09日 | ●佐藤優
塙/佐藤さんが夫婦ゲンカをしたときには、どうやって修復しますか。

佐藤/多少の行き違いはありますが、今のところ大きなケンカは一度もありません。日本語の言葉遣いって難しいですよね。遠回しな言い回しや、言外に含んだ言い方が多いから、ストレートに意図が伝わらないことがあります。だから面倒くさい話になると、ロシア語に切り替えちゃうんですよ。ウチの奥さんは元外交官でロシア語が上手ですから。

塙/「アイラブユー」みたいなことはロシア語で言っちゃう。

佐藤/そういうのは絶対ロシア語で言います。それから「君の言うことは間違っているよ」なんて日本語で言ったら「あんた言っていることがおかしいな。どういうことだ」なんて話になっっちゃう。(笑)
 親の話や親戚の話をするときには、特に言葉遣いが複雑になりがちです。感情を刺激しそうになるとき、何か議論するときには、パッとロシア語に切り替えちゃうと都合がいい。

土屋/ケンカになったときにはどうしますか。

佐藤/こちらに非があれば謝る。非がなければ謝らない。あるいは、お互いの意見がぶつかりそうなときには問題を棚上げして、話をガラリと変えちゃうことです。

土屋/一つ文句を言い始めると、あとからあとから不満が噴出して止まらなくなっちゃうこともあります。

佐藤/そういうときには、全部言い終わるところまで言ってもらったほうがいいでしょうね。

土屋/ウチの奥さんは一回火がつくと、落としどころが見つかるころには夜中になっちゃいます。

佐藤/そういうときは、とにかく謝り続けたほうがいいでしょうね。要するに「謝罪していない」という問題ではなく「謝罪が足りない」という話ですから。

□佐藤優×お笑い芸人ナイツ(土屋伸之・塙宣之)『人生にムダなことはひとつもない』(潮出版社、2018)の「第5章 友情と夫婦関係」の「ケンカになりそうなときは外国語にスイッチ」を引用

 【参考】
【佐藤優】現代に生きるマルクスの『資本論』
【佐藤優】オカネの使い方とインテリジェンス
【佐藤優】やりたくない仕事はスパッと断る
【佐藤優】「本当に好きな仕事」は長続きする

 

【欧州】排ガス不正のVWで起きた突然のCEO交代劇の真相 ~ドイツ自動車業界も驚愕~

2018年05月09日 | 社会
 (1)欧州最大の自動車メーカー、独フォルクスワーゲン(VW)の監査役会は、4月12日にミュラー最高経営責任者(CEO)を解任し、同社でVWブランドのCEOだったディース氏を新CEOに選んだことを発表した。
 ミュラー氏は、2015年9月に排ガス不正事件が表面化し、当時CEOだったヴィンターコルン氏の辞任後、VWのトップに就任。任期はまだ2年残っていた。さらに同氏は、17年の業績を前年比で大幅に伸ばしていたため、突然の更迭はドイツの自動車業界を驚かせた。ミュラー氏自身も解任を直前まで知らされていなかった。

 (2)監査役会では、ミュラー氏への不満が強まっていた。
 〈例〉彼は雑誌のインタビューの中で「企業管理職の年間給与について、国が法律で500万ユーロ(約6億5,000万円)の上限を設定するのは、社会主義時代の東独のようだ」と批判。VW監査役の一人であるニーダーザクセン州のヴァイル首相は、「この比較は完全にばかげている」とミュラー氏を公然と批判していた。同氏は15年に米国のメディアに対し「排ガス問題は単なる技術的なテーマであり、倫理的なテーマではない」と述べて、物議を醸したこともある。
 他方、監査役会はディース氏には絶大な信頼を寄せている。彼は15年7月にBMWから引き抜かれてVWブランドのCEOになったため、排ガス不正には関わっていない。「コストキラー」として有名なディース氏の任務は、VWブランドの従業員数を減らして収益性を改善することだった。
 当初同氏のリストラ計画は労働組合の強い抵抗に遭ったが、最終的に説得に成功。労組のオスターロー委員長と良好な関係を築いている。今回オスターロー氏は、側近を労務・人事担当取締役に就任させ、影響力をさらに拡大した。VW労組はドイツ最強。同社の経営は、労組の同意なしには一歩も進まない。監査役会は、VWが今後EV(電気自動車)ポートフォリオの拡大、デジタル化など困難な課題に挑戦するには、ディース氏が適任だと判断したのだ。

 (3)現経営陣は、「排ガス不正は過去のものになった」と発言しているが、ドイツの検察の捜査は拡大する一方だ。現在七つの地方検察庁が、詐欺や株価操縦の疑いでVW、アウディの役員、エンジン開発担当者らに対する捜査を続けている。4月18日には、ミュラー氏がCEOだったポルシェ本社が検察官らによる捜索を受けた。また検察庁は、アウディなどにディーゼルエンジン用のソフトウエアなどを供与していた部品メーカーのボッシュに対しても捜査を行っている。検察関係者は「押収した資料の量が膨大なので、起訴は早くても来年」と語る。

 (4)さらに検察庁は、VWだけでなくダイムラーやBMWについても、「ディーゼルエンジンの窒素酸化物の排出量について不審点がある」として捜査している。
 また、ヴィンターコルン氏など過去の役員は、「排ガス不正に関する情報開示を遅らせたために、株価暴落によって損害を受けた」と主張する約1,600人の機関投資家から総額90億ユーロ(約1兆1,700億円)の損害賠償を求められている。排ガス不正事件の終息には、まだ時間がかかるだろう。

□熊谷徹(ドイツ在住ジャーナリスト)「ドイツ自動車業界も驚愕/排ガス不正のVWで起きた突然のCEO交代劇の真相」(「週刊ダイヤモンド」2018年5月12日号)

 【参考】
【英国】生産性向上に向けて大幅に投資を増額した2018年度予算
【米国】独り勝ちのNetflixに作品を供給できない現状 ~「鎖国」日本~
【欧州】欧州各国が進める脱石炭の時期 ~意見が割れるドイツ~
【アジア】難産の末「イレブン」がTPPチームを再結成 ~米国抜きでの勝算は?~
【中国】世銀ランキングが示す中国のビジネス環境鍵は「時間」の読み方
【米国】ハリウッドに蔓延するセクハラ、男性支配の構図は崩れるか? ~ハリウッドのパンドラの箱~
【米国】とメキシコ国境に建つトランプの「壁」の試作品 ~国境の街の反応は?~
【中国】日本の6倍売り上げる店もローソン快進撃の理由 ~日系コンビニ初の南京出店~
【アジア】タイとマレーシアが外国人労働者の人権対策を進める理由
【欧州】もう一つの東西分裂 ~ LGBTへの偏見が深く残る東欧諸国~
【中国】新任常務委員お披露目 ~ネクタイの色が示す習総書記の権力基盤~
【米国】トランプ大統領が描く従来と違うレッドライン ~北朝鮮は世界の問題に~
【欧州】英航空・防衛大手企業が受注苦戦で大リストラ ~英国のEU離脱も影響か~
【アジア】度重なる不祥事で日本企業のイメージ失墜 ~アジア商戦にも逆風~
【中国】で日本の「どら焼き」や「カステラ」が売れない理由 ~風土で違う味覚~
【中国】ユニコーンが55社、加速する起業ブーム ~課題は人材確保~
【欧州】ドイツ議会選挙で極右政党が大躍進 ~危機感強める経済界~
【米国】サンオノフレ原発の核廃棄物移転を訴えた地域住民が“勝った”理由
【欧州】カタルーニャ独立は正しい選択なのか? ~住民投票で9割支持~
【米国】トランプ大統領のころころ変わる政策に振り回される不法移民
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【米国】北朝鮮問題の深刻化で浮上する開戦シナリオ ~1937年不況の再来?~
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