どうでもいいこと

M野の日々と52文字以上

盛岡私的観光案内 北山ベアレン工場

2011-09-18 19:53:08 | まち歩き
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盛岡の地ビール、ベアレンの特別工場見学会がありました。
このベアレンですが、銀河高原ビールにいたドイツ人マイスターのイヴォさんと木村さん・嶋田さんの3人で立ち上げたものです。よくある第三セクターではなく完全個人資本の地ビールです。
マイスター・イヴォの趣味に、クラシックのビール製造装置の収集というものがありまして、この趣味を生かして100年以上前の製造装置でビールを作っています。
地ビールという事で、イベントに力を入れています。春のイベント、夏のバーベキュー付きイベント、秋のオクトーバ・フェストと、もう少しあったような気もしますが、イベントが多い地ビールです。今回もその一環。新人研修もかねているようです。

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実は社長の木村さん、木村窯業所の息子です。以前はここでレンガなどを焼いていたみたいですが、粘土の入手・燃料の高騰などでレンガ製造を止めてしまいました。残った工場が現在のベアレンの工場になっています。

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なので敷地内には水道管の継ぎ手や鬼瓦などが見られます。この敷石にしているのはアーチレンガ。耐熱レンガかもしれません。

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壁面は2種類のレンガで出来ています。下が遠野レンガ、上は忘れてしまいましたが、前沢だったような。

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建物一階の内装は、木村レンガを焼いていた窯のレンガで出来ています。実は耐熱の高級品です。焼け色に時間を感じさせます。

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さて工場見学会には60人ほど集まりました。工場には入りきらないという事で、二つに分けて見学会がはじまりました。

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モルトの山。モルトは麦芽、つまり目を出す直前まで育てたものを、焙煎して発芽を止めたもの。産地は、ドイツ・イギリス・カナダのようです。

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これをミルで粉砕します。どうもこの機械が一番古いようですが、大人数で説明を聞きそびれました。ギア式のクラッシャーミルでしょうか。後で見たモルトかすからすると、噛み砕くように粉砕しているようです。

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砕いたモルトに水を入れて、手前の装置に入れて、説明は聞いていないのですが多分35度くらいで加温すると、麦芽に含まれている酵素とでんぷんが反応してブドウ糖と麦芽糖に変わります。日本では水飴の作り方です。まだこの作り方で、津軽辺りで水飴を作っていると思いました。
で反応が進んだら、奥のドーム型の装置に送って濾過します。濾過したものはまた手前の装置に戻って、加熱して酵素の働きを止めます。

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奥にある装置には、撹拌の棒と、漉すための細かいパンチングの金網が見えます。この搾りかすを羊に食べさせ、8月のバーベキュー大会に提供したそうです。餌が違うせいか羊の臭みがなかったそうです。
実は産業廃棄物の問題でもあるので、エコといえます。

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糖化の終わった麦汁があります。あとでいただいたのですが、甘くてちょっと青臭い独特の味です。中世ヨーロッパでは、母乳代わりに子供に与えていたと聞いています。ちょっと発酵のはじまったものも使っていたとも。


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濾過器のエンブレム。ロットから19台目なのでしょうか。

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窯の中には、スチームで加熱するためのパイプが入ってました。撹拌棒も入っていたような気がしますが、どうだったかな?全部銅製です。蒸気抜きのパイプが曲がって、傘みたいな物がついているのは、麦汁に蒸気が冷えて出来た水が混じらないようにしているためだそうです。

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加熱した麦汁を冷やすための、巨大な皿。こうして冷やす方がいいらしいのだが、衛生上の問題があって現在使用していないと言う事。隣の人がホっとしていました。脇にあるのも冷却器。今は近代的な冷却器を使っているとの事。冷却して酵母を加えて発酵に進みます。

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この巨大な皿をどうやって運んだのかと言えば、実は6分割出来るようだ。しかし特殊なねじだなぁ。

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発酵室は立ち入り禁止。二酸化炭素濃度が高いので、危険なんだそうだ。どちらにしてもこの人数では入れない。醸造に関わる部分と他の部分と隔てるドアに、断熱材が貼付けてあった。全体手作り感がすごい。

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ビン詰め行程の作業場の前に、よくある標語が。ヒヤリハットは見逃さず。うん、そうですね。

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さて熟成行程。発酵が終わったものは冷蔵庫内の熟成タンクで熟成します。上面発酵は20日間、下面発酵は25日間熟成するそうです。そういえば上面発酵のほうが発酵日数が短かった。上面発酵は発酵や熟成が短い分作るのが難しいのだろうか。

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酵母発見!記号の意味は解らないが、これがヒミツかと勘違いをしてしまいます。さっきの上面発酵は発酵時の泡に集まるタイプの酵母、伝統的な酵母です。下面発酵は酵母同士がくっつく癖のある酵母で、くっついて固まって底に沈んでしまいます。泡でこぼれない近代的な酵母ですが、発酵が遅いとは知らなかった。発酵が終わった物から酵母を取り出し、5回ほど繰り返し使うようだ。なんで5回かといえば、多分特定の酵母ばかりになってしまうからなのだろうと、考えています。
なお後で、この下面発酵の酵母を試食しましたが、苦かったです。味は上面発酵のほうが味がいいので、酵母入りビールは上面発酵で、下面発酵は酵母を濾過していると以前聞いていました。なおビン詰め後の、火入れのための巨大な加温機がありましたが、人が多く、写真を取り損ねてしまいました。

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前の熟成タンクは、中古品。この写真のは新品だそうです。ベアレンも楽天でNo1になったりしていますので、生産のため追加投資しているようです。あと多品種ですからねえ、この会社。今年のゴールデンウイーク前に材木町よ市での出店と、春のイベントでこれらのタンクの2/3が無くなったといいます。タンクをみてつくづく、地元でここまで呑まれているのはすごい事です。

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ズラっと並んだビン。頒布会向けのようです。

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おや、打栓がうまくいっていない物や賞味期限切れの物が積まれています。社員向けですか。いい福利厚生です。社長にとっては困り者ですね。

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頒布会向けのラベル。石割桜ですね。これは会に入っていないと呑めないもの。地元では出回っていません。念のためストロボなしで撮影。

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最近出回っているオクトーバ・フェストビール。これが終わる頃ポーターが出てくるかな?

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試飲が一杯と、モルト・ホップのお土産付きだったのですが用事があって試飲なし。とはいっても説明をしてくれた井上さんの手にあるフラスコ、熟成前のビールです。試飲が出来るというのでちょろっと呑んでみました。やはり味がバラバラでした。

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会が終わって自宅に戻ると雨が降ってきました。そのあと虹が出ました。皆様おつかれさまでした。



盛岡私的観光案内 名須川本町北山

2011-09-18 17:39:34 | まち歩き
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名須川町といえば、名物は税務署だろうか。赤沢製粉さんの作業所が売りに出ています。

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立地は上盛岡駅前。マンションが林立しています。

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山田線とマンションですが、欠点は山田線の本数が少ない事。でも駅前は駅前。

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ちょっと行くと盲学校があります。この上田から近辺、幼稚園から小・中・高・大・定時制高校・盲学校など学校施設が充実しています。

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北山なので、昔あったスーパーは、軒先で花屋さんになっています。

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イタ車発見!とはいえここにあると何かなじんで見えます。

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レンガ作りの家が多いのも、この辺りの特徴。実はレンガ屋さんが近所にあった。

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北山でもこの辺りの寺は妙に質素。ボロボロの塀が風情をかもしていたが今工事中。

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名須川町といえばこのホテルかな?弁当宅配サービスの方が有名。立地は決して悪くはないのだが…

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本町のお祭りをのぞきに行く。焼き鳥とかビールがあると言っていたが、

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あった。ちょっとホームパーティみたいです。


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本町も、メインストリートに向かいます。いまや数少なくなった銭湯がみえます。たまにお世話になります。

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メインストリートの寂れた方。でもおいしい焼き鳥屋があります。

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脇に入ってみますと、やっぱりあった。どうしてこうなるんでしょうね。この町は。

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メインに戻ります。この中2階建てというか、軒を無理矢理上げて屋根裏を2階にしたのが典型的な盛岡の町家。

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日曜なので人出がありません。特に3連休なのでガラガラです。鉢路元経済大臣ならなんというでしょうか?生活密着形なので特にこんな具合。

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これは盛岡の民家でも羽振りのよい方。燃料屋さんでした。それでも1階の天井と2階の床が近そうです。

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さっきのお祭りの子供神輿です。いま父兄に変わってもらったようです。あの辺りは花屋町というんだ。植木屋さんもあるし。

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本当通りもにぎわっている方に進みます。かなりマンションが多いです。岩手医大と県庁や裁判所市役所のそばですから、こうなるのか。

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今度こそ北山に向かいます。この通りは本町通の中でもユニークな店があったりします。古本屋と焼き鳥屋が兼業しているとか、面白いです。

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古くともしっかりしている家もあります。廃墟寸前ばかりではありません。新築もあります。ただなんとなく古過ぎる方に目がいってしまいます。

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名須川町に戻ってしまいました。名須川町というエリアが狭いためですが、盛岡は自然の地形に合わせて出来ているので、意外な近道があったりします。たしかこれは木工場だったと思いました。

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北山に着きました。用水路が生きているのだからあるはずだとおもっていたらありました。田んぼです。駅まで2キロ、県庁まで1.3キロです。この条件だと、水管理自由ですし無農薬も簡単でしょう。おいしいお米でしょうね。

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用水のそばにキティ発見。

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愛宕町の3角土地に建てた家と同じくらい、コンパクトな家を発見。やっぱり中が見たくなる。

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さて北山はずっと山の上まで続きます。リンゴ畑もあります。

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バイパスの上から北山をみます。寺と墓ばっかりに見えますがなかなか味わいの深い地域です。
さて次は盛岡の地ビール、ベアレンの工場見学会です



平成22年度「国語に関する世論調査」

2011-09-18 11:34:53 | インポート
けっこう言葉の乱れがどうのと、ニュースになった。ただ報道にも違和感があったので、実物を見てみよう。
文化庁のホームページから
http://www.bunka.go.jp/ima/press_release/pdf/h22_yoronchosa.pdf

まずこれは傾向を見るためのサンプリング調査だということ。個別面接調査で3485人に聞いて、2104人の有効回答数だった。もう少しサンプル数が多い方がいいと思う。
調査目的が、「日本人の国語に関する意識や理解の現状について調査し、国語施策の立案に資する。」というもの。なので乱れ以外にも調査している。これによると言葉への関心は年々高まっているようだ。気になるのは話し言葉と敬語で、言葉で困っているのは流行語や外来語で、国語に対して国に期待するものは、家庭や社会で正しい言葉遣いが行われるようにする・学校での国語の教育をより充実させる・言葉の意味・由来や国語の伝統が受け継がれるようにする、のようだ。
性別と言葉使いでは、男女の言葉使いに差が無くなっている事について、自然の流れでありやむをえないが平成12年と比べて12.3ポイント上昇47.1%、違いがある方が良いが、15.2ポイントダウンの36,8%と容認派が増えている。異性に対して言葉使いの丁寧さが変わるかという質問では、平成9年では変わらないという回答が多かったが、今回変わるが首位になった。前回の男女差が無くなってきている事と、異性への言葉使いはなにか矛盾しているようにも感じる。ホモやレズではどうなるのだろうか。回答者の男女比がないと意味の無い質問だ。
問題は次のら抜き言葉とせる・させる問題だが、若者言葉が乱れていると言われる筆頭なのだが、どうも彼らは使い分けているようなのだ。例えば「来ますか/来られますか」では後者は目上の人に使っているように思う。「帰らせてください/帰らさせてください」も立場によって使い分けているように思う。弱っているときに「帰らさせてください」と言っているように思う。
共に文法的には誤りなのだが、誤用というだけではなくて語感や状況での細分化が起きているのではないのか。
これも言葉の誤用で話題の、形容詞の語幹を使った言い方「すごっ」についてでは、用例でほとんどの人が気にならないと言っている。これが問題になっているのには理解が出来ない。方言などではよくある表現だと思う。もし問題にするならば、日本語の英語的用法はどうかと言う事だ。取り上げる意味が分からない。
共通語と方言についての考え方の項目では、日本の中で絶滅しつつある言語としてアイヌ語、沖縄県の八重山語、与那国語、沖縄語、国頭語、宮古語、鹿児島県奄美諸島の奄美語、東京都八丈島などの八丈語があるそうだ。これらのについて多数が知らなくて、多数が消滅しないように対策を行うべきだと考えている。
しかしだ、アイヌ語は地域差が大きかったのですでに絶滅した地方言語もあると思うのだが。
公文書のあり方と言う項目もある。ここは誰もが感じる通り。行政用語の難しいものを並べて聞いているが、これはクイズに使えそう。牙保ってなんだ?(あっせんという意味らしい)。
ここで私が一番気になっているのは、句読点の使い方。公用文は左横書きとし、その際には「。」(マル)と「,」(カンマ(コンマ))を用いることとされている。これについてこれでいいという人が30%、縦書き同様「。」(マル)と「、」(テン)にしたほうがいいという人が31.9%。実はこの文章コピペを多用しているが、句読点で突然半角文字になるので文章がガタガタになって読みにくくなる。表などでもかなり読みにくい。例えば59,9Bqと59.9Bqだとどちらが読みやすいだろうか。放射性物質の表で相当苦労した。字詰めなんかいじっている場合、小数点がかぶって読めない事も多かった。私は直した方がいいと思う。
9)英語が国際的なコミュニケーションのための言葉になることについての考え<問17>(P.66) ―「良いことだと思う」が半数近い 。10)日本に来て間もない外国人と日本語で会話をするとき,どのような配慮が必要か <問19>(P.71) ― 6割前後の人が「ゆっくりと話すように心掛ける」「なるべく簡単な言葉を選ぶ」を選択 。11)ローマ字で「Ono」と書く場合,「小野」か「大野」か区別が付かないことについての意見 <問23>(P.79) 「きちんと区別が付く方法を考えた方が良い」が7割台半ば 。あとは12)の言葉の意味が身近な問題だが、いい加減疲れてきた。
何かどうでもいい質問が多い。調査するんだからこんな質問も増やして、新しい研究材料にしたいと考えているのだろうか。でも報道で出た用例やその文章への違和感は、これを読んでかなり解消した。
ニューズウイークのコラムニスト、冷泉影彦さんがこの調査について書いている。
http://www.newsweekjapan.jp/reizei/2011/09/post-342.php

海外にいる日本人には、わりと古い日本語を使う人が多い。冷泉さんはその中の一人だろう。そのかれが批判している。
と自分を権威つけるという、姑息な手段で終わる。
PS
ギャル語でも文法的には間違っていない、という意見があったのを思い出した。