嘆かわしいことが起きた。愛知県ではセシウムさん騒ぎがあったばかりだ。
しかし今回は、今までとはレベルが違う。
放射能心配…市民の抗議で福島産花火の使用自粛
2011年9月19日(月)13:30 読売オンライン
東日本大震災の被災地の復興を応援しようと、愛知県日進市で18日夜に行われた「にっしん夢まつり・夢花火」大会で、市などでつくる大会の実行委員会が、福島県川俣町の業者が生産した花火の使用を市民からの抗議で急きょ取りやめていたことがわかった。
実行委員会によると、震災復興をテーマに岩手、宮城、福島各県産のスターマインを打ち上げる予定だったが、16日から17日にかけ、「放射能汚染の心配はないのか」「安全性を示すデータはあるのか」などと、電話やメールで抗議が20件ほど寄せられたため、対応を協議。打ち上げを委託した愛知県内の業者からも放射能検査機器がなく、放射線量の確認が間に合わないと連絡があり、17日、福島県産スターマイン1セット(80発)だけ、愛知県内の業者の花火に代えることを決めた。
日進市の萩野 幸三市長は記者団に対し、「結果的に福島県の方々に大きな迷惑をかけて申し訳ない。被災地にエールを送るつもりで、福島の花火業者を指定して企画したが、市民の不安にも答える必要があり、実行委も打ち上げを判断仕切れなかった」と話した。
花火は、確かに手工業的な製品だ。火薬の調合、あのキラキラした星を作り上げるための火薬を玉にする、場合によっては各種火薬の多重コーティングになっていたり、複雑で時間と手間で出来上がっている。
しかし原料になる火薬は化学工業製品だ。福島だけで作られている訳ではない。さらに花火業者は火薬管理を厳しく行っている。当然火薬の入った容器を開けっ放しにしたりはしない。出来上がった花火も厳重に保管している。放射性物質が入り込む可能性はとても低い。あったとしても農産物の基準より圧倒的に低い。ないと言い切れる。
それともだ愛知県の人たちは、いまだもって福島では土壌に糞尿を撒いて菌類の助けで硝酸を作り、灰と混ぜて硝酸カリを作り、そこから黒色火薬を作るという、江戸時代の製法を守っていると思っているのだろうか。それだったら放射性物質の混入は多いかもしれない。だがそんな作り方で花火は作られていない。
いったい何の心配をしているのだ。花火は工業製品だ。同じ工業製品のトヨタの自動車が年間どのくらい悲劇を起こしていると思っているのか。携帯電話での脳腫瘍の可能性と、あるかないかの福島の花火のからの放射能とどちらがひどいのか。
八つ当たりをしてしまったが、このへん真面目に考えて欲しい。物と作り方はかなり違うが、ルネサスエレクトロニクス製のチップ梱包剤に含まれるセシウムを怖れて、購入をトヨタはやめたか?
クレームをつける前に、日進市に60年代以降どの程度放射性物質が降下しているのか調べてもらいたい。そして花火がどうやって作られているのか、その制作者はどう管理しているのか調べてからクレームをつけて欲しい。
花火制作者は安全管理を徹底している。この時点で放射性物質が混入する危険は少ない。入っていたとしても、黄砂と一緒にやってくる放射性物質より無いに等しい量だ。それと同量の放射性物質を花火業者が混ぜる事は無い。自分が危険だ。
知識を入れ、常識で考えて欲しい。正しく怖がって欲しい。
だがこの件では、無知もいい加減にしてくれ!と言いたい。
今回は被災した県、岩手・宮城・福島三県から花火業者を招いた。これは善意だ。被災地からの花火を見て、被災者の状況を思い馳せるというものなのだろう。ただ結果善意がもの凄い悪意に思えてしまう。陸前髙田の松もそうだが、こちらが二重に傷つけられてしまう。もうこういった善意はいやだ、というのが実感だ。
PS
花火の放射能物質検査だが、実質的に不可能だ。まず解体出来ない。とても危険だ。ホールボディカウンターみたいな装置があれば別だが、危険物である花火を検査できる安全基準を満たした物は無いだろう。強いて言えば制作者が行うシーベルト単位での簡易検査があるが、意味がない。
9/19追記
朝日ではこんな具合
http://www.asahi.com/national/update/0919/NGY201109190002.html?ref=goo
川俣町の業者について、安全な場所で作っていると書いている。
しかし今回は、今までとはレベルが違う。
放射能心配…市民の抗議で福島産花火の使用自粛
2011年9月19日(月)13:30 読売オンライン
東日本大震災の被災地の復興を応援しようと、愛知県日進市で18日夜に行われた「にっしん夢まつり・夢花火」大会で、市などでつくる大会の実行委員会が、福島県川俣町の業者が生産した花火の使用を市民からの抗議で急きょ取りやめていたことがわかった。
実行委員会によると、震災復興をテーマに岩手、宮城、福島各県産のスターマインを打ち上げる予定だったが、16日から17日にかけ、「放射能汚染の心配はないのか」「安全性を示すデータはあるのか」などと、電話やメールで抗議が20件ほど寄せられたため、対応を協議。打ち上げを委託した愛知県内の業者からも放射能検査機器がなく、放射線量の確認が間に合わないと連絡があり、17日、福島県産スターマイン1セット(80発)だけ、愛知県内の業者の花火に代えることを決めた。
日進市の萩野 幸三市長は記者団に対し、「結果的に福島県の方々に大きな迷惑をかけて申し訳ない。被災地にエールを送るつもりで、福島の花火業者を指定して企画したが、市民の不安にも答える必要があり、実行委も打ち上げを判断仕切れなかった」と話した。
花火は、確かに手工業的な製品だ。火薬の調合、あのキラキラした星を作り上げるための火薬を玉にする、場合によっては各種火薬の多重コーティングになっていたり、複雑で時間と手間で出来上がっている。
しかし原料になる火薬は化学工業製品だ。福島だけで作られている訳ではない。さらに花火業者は火薬管理を厳しく行っている。当然火薬の入った容器を開けっ放しにしたりはしない。出来上がった花火も厳重に保管している。放射性物質が入り込む可能性はとても低い。あったとしても農産物の基準より圧倒的に低い。ないと言い切れる。
それともだ愛知県の人たちは、いまだもって福島では土壌に糞尿を撒いて菌類の助けで硝酸を作り、灰と混ぜて硝酸カリを作り、そこから黒色火薬を作るという、江戸時代の製法を守っていると思っているのだろうか。それだったら放射性物質の混入は多いかもしれない。だがそんな作り方で花火は作られていない。
いったい何の心配をしているのだ。花火は工業製品だ。同じ工業製品のトヨタの自動車が年間どのくらい悲劇を起こしていると思っているのか。携帯電話での脳腫瘍の可能性と、あるかないかの福島の花火のからの放射能とどちらがひどいのか。
八つ当たりをしてしまったが、このへん真面目に考えて欲しい。物と作り方はかなり違うが、ルネサスエレクトロニクス製のチップ梱包剤に含まれるセシウムを怖れて、購入をトヨタはやめたか?
クレームをつける前に、日進市に60年代以降どの程度放射性物質が降下しているのか調べてもらいたい。そして花火がどうやって作られているのか、その制作者はどう管理しているのか調べてからクレームをつけて欲しい。
花火制作者は安全管理を徹底している。この時点で放射性物質が混入する危険は少ない。入っていたとしても、黄砂と一緒にやってくる放射性物質より無いに等しい量だ。それと同量の放射性物質を花火業者が混ぜる事は無い。自分が危険だ。
知識を入れ、常識で考えて欲しい。正しく怖がって欲しい。
だがこの件では、無知もいい加減にしてくれ!と言いたい。
今回は被災した県、岩手・宮城・福島三県から花火業者を招いた。これは善意だ。被災地からの花火を見て、被災者の状況を思い馳せるというものなのだろう。ただ結果善意がもの凄い悪意に思えてしまう。陸前髙田の松もそうだが、こちらが二重に傷つけられてしまう。もうこういった善意はいやだ、というのが実感だ。
PS
花火の放射能物質検査だが、実質的に不可能だ。まず解体出来ない。とても危険だ。ホールボディカウンターみたいな装置があれば別だが、危険物である花火を検査できる安全基準を満たした物は無いだろう。強いて言えば制作者が行うシーベルト単位での簡易検査があるが、意味がない。
9/19追記
朝日ではこんな具合
http://www.asahi.com/national/update/0919/NGY201109190002.html?ref=goo
川俣町の業者について、安全な場所で作っていると書いている。