どうでもいいこと

M野の日々と52文字以上

サルガド!サルガド!ジェネシス!

2014-12-30 03:50:02 | 日記

 

サルガドの創世記。ドイツ語版でたった7500円。売れ筋の英語版の方が1000円高いというのも面白い所です。そして円安でもこのオネダン。517ページです。お買い得です。

取引先の社長が、登山していて花の写真をもう少し勉強したいとか言い出しまして、一眼レフが欲しいとか言い出しまして、まあそれだったらマトモな写真集を見たら?と言っていたのです。そう言った意味では、花ではなくともファミリーオブマンとかなんですが、もう少しブっ飛んだものの方が分りやすいかと思って、あと私も欲しいしこれは教科書的にも素晴らしい。

なので貸し出し用に購入したのですが、あの、サルガドをなめていました。どの程度なめていたかと言えば、あの完璧な写真はそうざらにないだろうと言う事です。で、そうなんですが、本の厚さと重さがここまで物質的に来れば、あんまり貸し出さない方が良さそうです。製本も微妙です。

 

 

問題は中身です。あの何でも美しくしてしまうサルガドですが、更に美しく優しいのです。その美の中に迷い込むととんでもないカオスが待ち構えております。

アマゾンから引き取って二回は見たのですが実際良くわからないのです。ありとあらゆる知識を動員しても分りません。ここに提示された世界はサルガドの「創世記」なのは間違いがありません。

20−21P目の南極の写真が神話世界を彷彿とさせます。ワルハラですね。炎で消える運命にあります。クジラがその続きを語るのですが、ここから先に人がいっぱい出てきます。原始的な生活をしている、もしくは観光的にやっている人たちかもしれませんが、なぜか人がいっぱい出てきます。英語ですら無理なのにドイツ語版を買ってしまった報いが出てきました

 

50−51P目のアシカとペンギンなのですが、アシカのガン付きっぷりが凄いですね。で、導入部はまだまだなんですよ。この神話世界から翻訳不能なのですが、孤島での写真シリーズだと思います。マダカスカルとかガラパゴスとか。

実は158Pの写真が余りにも教科書なので、後世に語り継ぎたいと思います。これは凄い。

更に米山に行って二人で見ました。いや一人では見てはいけない本のような気がします。私はこの写真に写っている人の性別が分らなくなって来たからです。分りやすいのもあれば分りにくいのもあったりします。

二人で良くわからない議論をし続けました。で、それが正しいのかは分りませんが、サルガドの言いたい自由とは、と言うべきかもしれませんが、単純なようで単純で無さそうです。

確証はないのですが464Pと469Pの観音開きのページですが、もの凄く引っかかっています。トランスジェンダーの可能性があります。実は464を開いて465・466Pは男社会が展開して469を開くと女性しか出てきません。

そう言った仕掛けが最後に出てきます。

 

 

ということでこの「最後の巨匠」の最後かも知れない写真集ですが、多分恐ろしい事を言っているようです。

「違う創世記」それがサルガドの意図だと思う。この気の狂うほどの饒舌で単瞬な世界はオウムの叫び声とともに消え失せる。

そして当たり前の創世記に戻って行く。