喧騒の電車に乗り、
喧騒の駅で降りる。
そこも喧騒の街。
ふと見上げて気づく。
俺が動いているのは、谷の底。
ビルの谷間で毎日蠢く。
季節の無い街だと思っていた。
谷間から仰ぎ見る狭い空。
空は秋に変っていた。
「変れるんだぁ・・・」
辞める時は上司を殴る。
そう思っていたのに・・・。
笑顔で挨拶できるとはなぁ・・・。
ハッハッハ。
俺も変れるんだなぁ。
空は、理屈で変ったわけじゃない。
力で変ったわけじゃない。
夢で変ったわけじゃない。
時期が来たら、変っていた。
力を入れてた時は変れない。
理屈では変れない。
想像では変れない。
思っただけでは変れない。
笑顔で、変れる。
なんだ。
簡単だった。
時間がかかったけど、簡単だった。
全て必要だっただけだ。
そして、何も必要ではなかった。
気づいたら変った。
変ったら、気づいた。
空が秋だけじゃない。
風も秋に変っていた。
海も秋に変っていた。
コンクリートの下の土も秋だった。
なんだ。
みんな、一緒じゃないか。
気づかなかっただけだった。
いつでも、
変っていたんだなぁ・・・。
(本館は 「氣の空間・氣功療法院」