水上陽平の独善雑記

水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」

「R・1・1」

2006-01-06 21:48:25 | Weblog

「楽園座談会」

登場人(?)

グレちゃん: グレートサムシングという、この世の創造主。
ブッちゃん: かつて仏陀といわれた。
キリちゃん: かつてイエス(キリスト)といわれた。
ゲシュはん: かつてゲシュナム・リンチェンといわれた。

(注: これはフィクションであり実在する、あるいは実在した特定の個人や団体を示すものではありません。
たまたま似た名前の人・偉人・団体等がありましても、気にしないで楽しんで下さいね)


     序章

「師よ。まだ逝かないで下さい。」
「師よ。目をお開け下さい。」
 チベット亡命政府がある北インド、ダラムサラ。ある寺院の一角にある部屋に多くの僧侶が集まっていた。
 今まさに逝こうとしているのは、チベットの智慧とよばれたゲシュナム・リンチェン師。103年間の波乱の生涯を閉じようとしていた。
 い、いや・・・目を、開けた・・・。
「チ、チベットは、永遠に、ふ、不滅だ。」
「師よ。それは・・・パクリですぅ・・・」
「フォフォフォ。人生は、お、面白かったぞ。」
 悪戯っ子の輝きをした瞳は再び閉じられ、そのまま二度と開くことはなかった。

「出発(たびだた)れたか・・・。共にチベットからヒマラヤを抜けて亡命し45年。師の明るさはチベット国民と僧達の最高の糧だった。師がおられたから、生き延びる事が出来た。
感謝!合掌!オン・ドルジェ・タクデン!」
 一人籠った瞑想場で、ダライ・ラマ法王が呟いた。
やがて無言の経が空を明けるまで続いていた。


「R・1・2」

  第一章

   出会い

 丸顔で背の低い中年と、痩せて無精髭長髪の中年の男が二人。
ブ:「おっ、誰か来たぞ。」
キ:「久々だね、ブッちゃん。」
ブ:「何でこう間が空くのかなぁ?ワシ達、教え方が下手だったのね・・・」
キ:「ブッちゃん、気取りすぎたんだよ」
ブ:「ハッハッハ、若かったしねぇ~」
キ:「ブッちゃんは80年もいたじゃない。ボクなんて、33年だぜ。」
ブ:「まぁ、いいじゃない。人間界は年数じゃねぇから。」
キ:「ここに来れば、人間界で何歳であっても皆中年の姿になるんだもんなぁ」
ブ:「ワシなんて、40歳くらい若返った感じぃ~」
キ:「ブッちゃんの言葉使いは10代だよ。」
ブ:「昔から、こんなもんだったよ」 

 そこに若返った中年姿のゲシュナム・リンチェン師、登場。
ゲ:「こんにちは」
ブ・キ:「いらっしゃ~い。待ってたよ~」
ゲ:「貴方達は・・・も、もしかして・・・」
ブ・キ:「わ、判るぅ?」
ゲ:「私は正統仏教としてチベット仏教を学んだ者です。祖を思い浮かばない時など、一瞬たりともありません。私ごときがお会いできるなんて、夢みたいでございます。」
ブ:「う~ん・・・夢っていうかぁ、もう死んでるしぃ~・・・」
ゲ:「ん?誰が?」
 ゲシュナム師、相手の二人と自分の足を見る。
 足はある。
 
キ:「じいさん、まだボケているんじゃない?」
ゲ:「そういう貴方は・・・」
キ:「わ、判る?」
ゲ:「その髪、その髭。痩せた体。・・・床屋にも行けない、プータロウ?」
 一応礼儀にのっとり、キリストはずっこけた。

ゲ:「ありがとうございます。こんなジジイのボケに付き合っていただきまして。
キリスト様ですね」
キ:「キリちゃんでいいよ」
ブ:「ワシ、ブッちゃんて呼んで」
ゲ:「そ、そんな、畏れ多い・・・そうですか、では遠慮なく。
私はゲシュはん、でお願いします」
キ:「このノリのよさ!そうでなくちゃここには来られないもんねぇ」
ゲ:「ところで、ここは何処でございまいしょうか?」
ブ:「楽園だよ。桃源郷でもいいし、極楽浄土でもパラダイスでもいいよ」
 ゲシュナム、周りを見渡す。
ただの野原にも見えるが、清浄な空間であるようだ。
ゲ:「ジジィだった私がこんなに若返って・・・。
確かに極楽浄土のようですね。あとは若ぇね~ちゃんが・・・」
キ:「ゲシュはん。さすがに高僧といわれるだけあるなぁ。」


(本館は 「氣の空間・氣功療法院」
コメント
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