カルテ番号 め・3(58)
三木裕子は社交的で積極的な生き方をしてきた。
母子家庭を意識して、そうせざるを得なかった。
礼子とは、かなり違う性格だった。
でも、とても気が合う。
構えていた分、気持ちをさらけ出すなんてなかった。
それが、礼子といると、自然に何でも話せる。
「礼子さんが男性だったら、結婚してもいいな」
「裕子さんは、まだ結婚願望があるの?」
「う~ん・・・。どうだろう・・・
そうねぇ・・・今更家庭は持ちたくないけど・・・
何だか、一人きりで寂しい気持ちもあるわよ」
今まで、決して言わなかった言葉だ。
今までなら、絶対結婚なんてしない、と言ってきた。
礼子は改めて考えた。
そんな事は考えた事が無かった。
夫に先立たれ、子供はいない。
これからは、一人で暮らすしか道は無いと思っていた。
それに、もう60歳も過ぎている。
新たな異性と結婚なんて、夢にも思えなかった。
でも、ほぼ同い年の裕子の言葉で気づいた。
「私は、全く考えた事もなかった。
というよりも、そんな道は無いと思っていた。
でも、違ったのね。
選択できる道は沢山ある。
今は、とても他の人と暮らしたいとは思わない。
けれど、それは選択できる道の1つなのね。
今までと表面は変わらないけれど、大きく変わっているわ。
私、とても自由になっている」
(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
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