カルテ番号 も・6(11)
今更誰かに教えを受けるなど、気が進まない。
相手は茂木滋よりも確実に年下だろう。
何十年も偉そうに構えているセンセイとやらに会ってきたのだ。
センセイというのは、自分が俗物だという事を自覚していない連中だ。
偉そうにしないだけ、仕事の出来ない社員の方がマシだった。
それでも商売と割り切って、偉そうな言葉に頷いてきたのだ。
「どうにも、この歳になると先生というのが苦手でしてな」
そう言って、紹介されるのを暗に断った。
「先生といっても、治療師の方だからですわ。
治療しながら、いろいろお話をしてくれるだけ。
押し付けがましい事はないし、心地良いだけですよ。
でも、人は縁ですものね。
何か必要に感じたら、紹介しますね。
私は、周に幾度かはこの公園に来ていますから」
婦人があっさり引き下がると、返って心が揺れる。
何か大切なチャンスを逃したような気がしてきた。
それでも、素直になれず、そのまま礼を言った。
婦人は軽く汗を拭いてから、軽やかに引き上げた。
茂木滋は、そのまま、しばらくベンチに座っていた。
自分は、どこに向かいたいのだろうか?
(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
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誰か出版してくれぇ~
18年間封印していた本物の「氣入れパワーストーン」を販売開始 「笑顔の雑貨屋Yakkoo」)