「風間陽水の依頼簿（カルテ）・1056」

カルテ番号　あ・28　9度目（5）

「午後に来ますよ。一人は同じ長寿族。
もう一人が、愛田さんに判断して欲しい人です。
生物が生き残る仕掛けの一つに長寿族があると思っています。
だけど、仕掛けはそれだけじゃない。
生命というのは、幾つもの仕掛けを同時にしていると思っています。
肉体の生理機能を観ていると、そう思えるのです。

何か不調になると、回復する機能がある。
回復が不可能になっても、カバーする機能がある。
だけど、その機能も他のサポートがあるようなのです。
つまり、カバー機能は複数で支え合っている。
何故なら、カバー機能は通常自分の仕事をしている。
そして、緊急の場合カバー機能として働き出す。
しかし、本職ではないので、更に他のサポートが必要なわけです」

愛田恵子は少し真剣な顔をして聞いていた。
「長寿族はカバー機能だと考えています。
あくまでも本来の種を続けさせる為のもの。
決して新人類でも特別変異でもない。
そして、カバー機能としての役目を支えるサポート機能がある。
長寿族の場合、長寿を支えるサポート機能とは何か？
それが、未来予測ではないかと思っています」

（登場する人物・組織・その他はフィックションです）

（過去のプログは本館　「氣の空間・氣功療法院」です。
治療・若返り・講演、お話会依頼、悩み相談受付中。日本中出張します。
ブログで書いた「迷説般若心経」　　「迷説恋愛論」　　「迷説幸福論」
誰か出版してくれぇ～
１８年間封印していた本物の「氣入れパワーストーン」を販売開始 「笑顔の雑貨屋Ｙａｋｋｏｏ」)

「風間陽水の依頼簿（カルテ）・1055」

カルテ番号　あ・28　9度目（4）

3日後の午前中に愛田恵子は来た。
おそらく店を閉めた後、朝方まで事務処理をしていただろう。
一睡もしてないだろうに、いつもの通り元気で明るい。
「アロ～ハ、先生。
はい、お土産のマカダミアナッツチョコだよ」
「ありがと。ん？紙袋が成田のままですよ」
「味は同じよ」

今や世界中の土産がインターネットで買える。
まして空港の売店はベタな土産であふれている。
義理の土産なら、現地から買う必要はないのだ。
人は便利と引き換えに、何を失ったのだろうか？
「で、先生。どんな人？」
「愛田さんが、直接判断して下さい。
新米の私より120年も人生しているじゃないですか」

愛田恵子は自信満々に言った。
「人間の判断なんて、一万年生きても当てにならないわよ。
長さでも経験でも知識でもない。
まして私の判断なんて、自分でも信用していないわ。
だから、観るところは相手じゃないの。
先生がどう観たか、に興味があるのよ」
相変わらず、時々、こわいなぁ。

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