カルテ番号 あ・28 9度目（10）
愛田恵子にしては、声が静かだ。
幕末から今に至るまで、いろいろな思いがあったのだろう。
「一族らしき人もいたけど、接触はしなかった。
だから、ずっと一人だったわ。
普通の人達とは深く関われない自分の運命を悲しく思ったりした。
まぁ、基本が暗くなれない性格だから、少しだけだけどね。
で、最近になって、この先生と出会ったわけ。
どういうわけか、お仲間として付き合っているわ。
柳さんは、最初からお仲間がいて、ラッキーよ。
まぁ、通常は46歳からだから、それも意味があるみたいね。
こういう時は、勝手にいろいろな事が起こるものよ。
今は疑問が沢山あると思うけれど、アタシも先生も本当の事は分らない。
先生はいろいろ仮説を考えてくれるけれど、当たっていても一部だわね。
何故、という質問は、人間には答えられないものだとアタシは思っている。
何故はわからなくても、生きていけるしね。
それに、それは、普通の人も、猫も魚も虫も、皆同じなのよ。
宗教家や哲学者だか思想家みたいな人達っているでしょ。
ああいう暮らしの役に立たない人達は、勝手な理屈をつけるけど、同じよ。
生物は、生きている事だけで充分。
それ以上の理屈はいらないわ」
（登場する人物・組織・その他はフィックションです）
（過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
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ブログで書いた「迷説般若心経」 「迷説恋愛論」 「迷説幸福論」
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