カルテ番号 る・1(11)
真司は僅かの時間で、この院長を信用していた。
「先生、では、うなされる原因は何でしょう?」
「身体の不調ではなく、どうやら心の傷でもないようです。
通常こういったケースは、本人の身内、関係者に関する事が次にあります。
ですが・・・そういう場合は結構判るのです。
本人にまとわりつくモノがあるからです。
類家さんには、それもありません」
真司は院長の言う事が何となく見当ついた。
まとわりつくのは、霊みたいなものなのだろう。
それが院長には感じられるのだろう。
それも無いという事は・・・やはり・・・
院長は静かに言った。
「残りは、類家さん自身や関係者などの個人的ではない事。
つまり類家さんの感覚が当たっているのだと思います」
院長は何故、そういう推測をするのかを説明してくれたわけだ。
身体でも心でも身内などでもない。
だから、自然に感応した出来事だと。
「そこで、先ほどの苗字に関する事を訊ねたわけです。
ヘブライ人にしろ、アイヌ族にしろ、自然にとても敏感な民族です。
漂浪の民だったヘブライ人は、生きる為に自然に敏感になったのです。
災害はもちろん、自然の恩恵への感応も優れていたと思われます。
それは、アイヌ族と通じるものです」
(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
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