水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」
カルテ番号 る・1(18)
院長は言った。
「ドクターの法律や倫理がどうだかしりません。
ですが、生命の解明ができてない段階です。
データや経験からであっても、真実とはとてもいえない。
それで、あなたは3ヶ月しかもちません、なんて言えますか?
もちろん、治療に本気で向かわせる為ならいいでしょう。
その後の言葉が、治療すれば回復できる、と続くなら。
単にその時の予測を言うのなら、患者の為にならないでしょう。
病院や医師の言い訳にはなるでしょうが・・・
私は、病人がどうしたら回復できるか?
その為には、何を、どう言うか?が重要だと思っています。
最悪を話すのを保険としているようならば、治療師失格だと思っています。
私は、真偽は、人間では語れない部分だと思っています」
類家真司は、何かが抜けていった気がした。
おそらく、今後はうなされる事はないだろう。
怖い夢だからうなされていたのではない。
それを伝えなくてはならない、と思い込んでいた意識にうなされていた。
伝えなくてもいい。
嘘を言ってもいい。
それならば、見た、感じた危険を上手く伝える事もできそうだ。
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カルテ番号 る・1(17)
真司は疑問に思った。
「でも患者さんは聞きたいですよ。
先生がどう感じたのか、絶対聞きたいはずです。
その時、どう答えるのですか?」
院長の答えは更に意外だった。
それは、先ほどからの真司への注意事項と同じだと気づく。
「私の感じた事を伝える場合もありますよ。
全てではないですが・・・
それと反対を言う事もあります。
つまり、単純に嘘を言うわけです。
嘘といっても、本来が正確ではないから嘘になるか・・・
私が感じた事ではない、という意味での嘘ですね」
真司の納得できない顔を見て、院長の言葉は続く。
「私の仕事は、相手の生命力を活性する事です。
活性により、病があれば回復へ導く。
病が無ければ、より元気にさせる。
目的は、それなのです。
目的の為には嘘くらい、いいでしょう」
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カルテ番号 る・1(16)
類家真司は院長の言葉に院長の寂しさのようなものを感じた。
この院長は通常の人が見えない事を見えているのではないか?
知らない事を知っているのではないか?
しかも多くの事を解っているのではないか?
そのほとんどを知らないふりをする。
見えていないふりをする。
解らないふりをする。
とぼけたくてしているのではないだろう。
逃げたくているのでもないだろう。
話したいのが本音だろう。
話せないのが実情だろう。
そのもどかしさ、無念さがあるような気がした。
とはいえ、訊いても、解からないと答えるのは明白だ。
「先生は重い病の人も治療するのですよね。
その時、先生の診たてを正直に言うのですか?」
院長の答えは意外だった。
「私の診たてなんて、相手に伝えるような正確さではないのです。
というか、生命を診たてて、伝えるなんて不遜です。
生命は、深く広く、密度の濃いものです。
人間が見える、解かる部分は極浅いところまでです」
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カルテ番号 る・1(15)
類家真司は言った。
「私が特別に感じているわけではないのですね。
それで気が楽になりました。
予知が特別ならば、私はどうすればいいのか判りません。
またその責任に押しつぶされてしまうようです。
でも、生物は強弱があるとはいえ、皆持っている。
それならば、生き延びるのは、それぞれですね」
院長も言った。
「少し厳しいようですが、実際はそうです。
生命は本人が管理し、選択して行動するものです。
知る者が情報を全て発表しなければならないわけではありません。
上手く、発表できる立場の人がするべきです。
そうでないと、混乱し、不幸な人々がかえって増えてしまいます」
「分相応、という事ですか・・・
私は、その立場ではない・・・」
院長は言った。
「それは判りません。
類家さんが、今後、どのような立場になるか不明ですから。
立場になったら、あるいは、立場を選択したなら、です。
それでも発表出来る事は、全てではないでしょう」
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カルテ番号 る・1(14)
院長はここで微笑んだ。
「以上の事を類家さんが理解してくれたと前提で話しますね。
実は、最近何人かの人が同じような予測を抱えて来られました。
これだけ重なっていますから、おそらく何らかの変動があるでしょう。
更にいえば・・・
もっと沢山の人達が、漠然とした不安感を感じているでしょう。
私達人間だけでなく、生命あるモノ達は、皆何らかの勘を有しています。
それは生き延びる為に最初から備わっているものでしょう。
ただし、どんな能力も濃淡があり、強弱があります。
特に人間は頭脳を使って行動します。
勘で行動できる人は少ないのです。
遥か昔は、理屈よりも勘を優先していました。
その方が生き延びられたからです。
ところが、学問がいきわたり、更に科学的という考え方が主流になりました。
科学的が正しいわけではないのですが、現代は幻想にとらわれている最中です。
科学的と科学的以外が両方使える方が生き延びられるのですが・・・
その分、大きな危険から避ける行動が遅れがちです。
生命は頭脳よりも感性に従う方が助かりやすいのです。
とはいえ、現代は感性さえも歪んでいる場合が多いのですが・・・」
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カルテ番号 る・1(13)
院長の言葉は続く。
「類家さんが知る事で助かる人達もいます。
それには知らせ方が重要です。
人は特殊な能力に対して否定的になりがちです。
科学的でない、実証できない、偉い学者が否定している。
否定の根拠はいろいろあるでしょう。
でも、人は信じたくないから否定するのです。
信じられないのではなく、信じたくないのです。
逆に信じたいモノなら、何を言っても信じてしまうでしょう。
だから、怪しげな新興宗教に入信する人達が後を絶たないのです。
詐欺に幾度もあうのです。
ですから、多くの人に言うのは、控えた方がいいでしょう。
身近の人達にさえ、絶交されるかもしれません。
こういう事は、その覚悟を持って話す内容なのです」
真司は自分の考えの浅さに気づいた。
見えてしまう人、知ってしまう人は孤立する。
当たり前なのだ。
他の人達には見えない、知りえない事だから。
自分の血に自然に感応する能力があっても、考え無しに知らせない。
能力ではなく、真司自身を信じてくれる人だけに話す。
つまり、その人の生き方が重要なのだ。
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カルテ番号 る・1(12)
祖先がヘブライ人だろうがアイヌ族だろうがいいのだ。
その血が自然に感応する事が重要なのだ。
真司は言った。
「それは大地震ですね。
いつなのですか?
そして、それは何処で起こるのですか?」
院長は真司の顔をしばらく見つめてから言った。
「もし、それを知ったとして、類家さんはどうするのです?」
真司は言葉に詰まった。
その先は考えていなかった。
単に大地震か?いつか?どこか?を知りたかっただけだ。
そういう事か・・・
真司は真剣に考えた。
そして言った。
「先生、私が勘違いしていました。
知る事は、それによる行いが伴って意味が生まれるのですね。
予測しても、それを単純に他の人々に知らせてもダメなのですね」
院長は言った。
「ダメではないですが、それは類家さんを信頼してくれる人だけでしょうね。
いきなり人々に知らせても、類家さんが非難されるだけです。
すると、本来なら信頼してくれる人も離れてしまう事になるでしょう」
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カルテ番号 る・1(11)
真司は僅かの時間で、この院長を信用していた。
「先生、では、うなされる原因は何でしょう?」
「身体の不調ではなく、どうやら心の傷でもないようです。
通常こういったケースは、本人の身内、関係者に関する事が次にあります。
ですが・・・そういう場合は結構判るのです。
本人にまとわりつくモノがあるからです。
類家さんには、それもありません」
真司は院長の言う事が何となく見当ついた。
まとわりつくのは、霊みたいなものなのだろう。
それが院長には感じられるのだろう。
それも無いという事は・・・やはり・・・
院長は静かに言った。
「残りは、類家さん自身や関係者などの個人的ではない事。
つまり類家さんの感覚が当たっているのだと思います」
院長は何故、そういう推測をするのかを説明してくれたわけだ。
身体でも心でも身内などでもない。
だから、自然に感応した出来事だと。
「そこで、先ほどの苗字に関する事を訊ねたわけです。
ヘブライ人にしろ、アイヌ族にしろ、自然にとても敏感な民族です。
漂浪の民だったヘブライ人は、生きる為に自然に敏感になったのです。
災害はもちろん、自然の恩恵への感応も優れていたと思われます。
それは、アイヌ族と通じるものです」
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カルテ番号 る・1(10)
院長は頷いて言った。
「本で読んだ事があります。
本当のキリストかどうかは別として、ヘブライ人がいたようですね。
お祖父さんの話は事実かもしれませんねぇ。
ところで、類家さんは、夢でうなされる事をどう思っていますか?」
院長は苗字の話から、急にうなされる話をぶつけてきた。
真司は少し黙ってから、話し出した。
「実は、偶然かもしれませんが・・・
東北大地震の数か月前にも同じような事がありました。
もちろん、その時は予想もしなかったのです。
今回、改めて考えてみたら、思い出したのです。
だから、うなされる事は私の体調ではなく、別の要素の気がします」
院長も言った。
「私もそう思っています。
類家さんからは、身体の不調が感じられないのです。
もしかしたら、何らかの能力、祖先からの血のせいではないかと推測しました」
まだ真司の身体に触ってもいないのに、院長は異常なしと言った。
あまりに普通に話すので、きっとそうなのだろう、と思えた。
妻の心配は無用になった。
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カルテ番号 る・1(9)
そんな真司の思いを他所にして、院長が言った。
「類家、という苗字は珍しいですが、青森にはあるのですか?」
「多くはありませんが、青森と一部北海道だけだときいています。
北海道は青森から渡ったと考えられています。
る、から始まる苗字自体が少ないので、諸説あるようです。
外国姓、あるいは外国の場所が元。
アイヌ語から、という説もあるようです」
院長が言った。
「青森は、鎌倉時代まではアイヌ族と共存していたらしいですね。
アイヌ語が語源なら、意味がありますね」
真司は言った。
「特に調べた事がないので、いわれてみれば意味があるかもしれません。
私が子供の頃、祖父は祖先がヘブライ人だと言いました。
本当かどうかは判りません。
冗談が好きな祖父でしたから」
院長は何故か苗字にこだわっている。
「ヘブライ人、今でいうユダヤ人ですね。
ヘブライ語でルークは・・・キリストを伝えた弟子の一人だと・・・
ルークから類家・・・というのもありかもしれません」
真司は驚いた。
「本当ですか?
実は青森はキリスト伝説があります。
キリストが難を逃れて日本の青森で一生を終えたという話です」
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