水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」
カルテ番号 れ・1(11)
院長の話の内容はともかく、ゆっくりとした口調が心地よい。
「癌はとても弱い生物です。
宿主の熱が上がれば死んでしまいます。
そう、昔は風邪でも簡単に薬は飲まなかったですね。
熱は身体の抵抗力を高めている最中なのです。
そんな事でも死んでしまうのです。
癌だけでなく、熱で回復する病は幾つもあります。
風邪は万病の元ではなく、万病を治す元ともいわれるのですよ。
また、体内には異物があると退治する細胞がいます。
リンパ球ですね。その中でも特に活躍するキラー細胞などがあります。
癌は弱い細胞なので、攻撃されるとすぐに死んでしまいます。
その為に、見つからないように隠れて過ごしているのです。
見つからないようにするには、宿主の意識を読み、対策します。
また、バリアーを張って、異物と気づかれないようにしています」
美和は質問した。
「癌は、弱いのですか?
とても強いから、癌になると大変なのではないのですか?」
院長は言った。
「基本的に弱いのです。
それも、とても弱い生物です。
だから、毎日体内で発生するのですが、毎日死んでいるのです」
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カルテ番号 れ・1(10)
院長は少し間を置いてから話し出した。
「あくまで私の感覚からの考えです。
いわゆる西洋医学の常識とは違います。
もっとも西洋医学のドクターもご存じのように様々です。
正反対の意見を述べ、論争するドクターもいます。
それだけ癌はまだ解明できていないのだと思います。
病は病名だけで区別は出来ません。
特に癌は多種多様あるように感じます。
それは他の病とは少し違う事に原因があるようです。
癌は一つの異生物。
例えれば、それぞれ人格がある生物が寄生しているようなものです。
ですから、性格、性質が様々です。
そして、小さな細胞ですが、それを癌の身体とします。
その身体の割には、意識がとても大きいようです。
宿主に寄生するような生態のせいかと思えます。
宿主、通常人間ですね。
その人の意識にとても敏感に反応しているようです。
その人の意識を利用して育つのですから」
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カルテ番号 れ・1(9)
美和はここに来た時から、何故か心が落ち着いていた。
居心地が良いのだ。
あまり深く考えなくてもいいみたいだ。
「悩みというほどの事はないのですが、とりあえず聞いて下さい」
そして、京都時代の事と東京に就職してからの事。
それから、この県に転勤して15年経った事などを話した。
話しているうちに、両親の死因だった癌を思い出した。
何となく、気になっていたのだった。
そういう事も判るのだろうか?
「先生、実は両親が癌になり、60代で亡くなりました。
癌家系ならば、私もなりやすいのでしょうか?
いいえ、今、もしかしたらあるかもしれません。
先生はそういうのも判るのですか?」
院長はじっと美和を見た。
「身体に触れていないので、細かいものは判りません。
私の感じでは、今は特別に病は無いと思いますよ。
癌家系という事も注意事項としては心に止めていいでしょう。
ですが、必要以上に怖がる事はかえって呼び寄せてしまいます。
そうですね、少し、私の癌に対する考えを話しましょう」
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カルテ番号 れ・1(8)
美和はここが気功の治療院だった事をあまり深く考えていなかった。
気功治療ってどうするのだろうか?
それ以前に気功って、どういうものなのだろうか?
今の院長の話だと、特別に氣を出すわけでなくても出ているらしい。
ここにいるだけで、自動的に受けてしまうらしい。
自分は受けると、どうなるのだろう?
そんな美和の顔色をみたのか、院長が言った。
「ここの氣を受けても、害になるような事はありません。
氣といっても様々な種類があります。
例えば、暴力的、攻撃的な氣もありますね。
受けると、同じように暴力的になるか、恐怖心が湧くかです。
病気という氣もあります。
受け続けていると、身体が弱ってきます。
でも、ここの氣は生命力を応援する側の氣です。
病気の氣とは正反対の、周波数だと思って下さい。
ですから、もし身体に異常があれば反応します。
それは回復する為の反応ですから、心配はいりません。
氣には刺激が強いものもありますが、ここは柔らかいです。
まぁ、理屈ではなく、ここにいて、感覚で体験して下さい」
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カルテ番号 れ・1(7)
衝動的に訪れてしまったけれど、良い事が起こる予感がする。
簡単な記入事項を書くと、院長がそれを見ながら言った。
「れいぜいと読みますか?れいせんと読みますか?」
珍しい。
れいぜい、と読める人ならば通常は冷泉家を知っている。
それを、れいせん、と区別して訊ねて来る人は少ない。
「れいせん、です。
よく冷泉家の一族と間違われます」
美和は笑って言った。
院長は続けて訊いてきた。
「実家はどちらですか?」
「山口県です」
少し首を傾けた院長はそれ以上苗字に関する事は話題にしなかった。
「冷泉さん、今日はどうしましょうか?」
美和は少し考えてから、言った。
「このまま、お話しをするだけでもいいでしょうか?」
院長は笑って言った。
「もちろんです。私は楽ですが、それでよければ・・・。
ただ、この治療院の中、私の近くですと自然と氣を受けてしまいます。
時には、眠くなったり、身体の中が動いたりします。
そうなっても、あまり驚かないで下さいね」
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カルテ番号 れ・1(6)
駐車場に車を入れて、改めて看板を読むと予約制となっている。
ダメなら縁が無かった事にして、とにかく訊いてみよう。
「ごめんください。予約していないのですが、診てもらえますか?」
「どうぞ、お上がり下さい」
院長だろう、すぐに返事があった。
靴を脱ぐ時になって、美和は何しに来たのか考えていなかった。
特に治療するような部位があるわけではない。
何を診てもらえばいいのだろう?
仕方が無い、正直に言おう。
「あの~、実はこの前を通りかかって気になって来たのです。
特に治したいところがあるわけではないのです。
何を診てもらったらいいのかもわかりません。
それでもいいですか?」
院長は明るく笑って言った。
「もちろん、それでいいですよ。
一応治療院と名うってありますが、健康な人も大歓迎です。
悩み事相談もしています。
ただ体験してみたい、という人もいます。
要は、縁があって訪れた人が何か役に立てば充分です」
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カルテ番号 れ・1(5)
ふと道沿いの看板が虹色に見えた。
吉兆が重なったのだ。
本当に良い何かが起こる気がした。
その看板をよく見ると・・・
虹色どころか、錆びついていた。
どうして、七色に見えたのだろう。
看板には、気功の治療院と書かれていた。
駐車場の隅に一台だけ車があった。
位置から治療院の持ち主だろう。
ということは、誰も患者はいないのだろう。
どう見ても、流行っているようには見えない。
そう思いながら、通り過ぎた。
過ぎてから、気になった。
離れるにしたがって、より強く気になった。
1キロも走ってから、道路わきに停車した。
戻ってみよう。
何も入るわけではない。
もう一度、様子をみてみよう。
そして、車をUターンした。
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カルテ番号 れ・1(4)
休日の夕方だった。
いつものように日帰り温泉巡りの帰り道だった。
山と山の間からの空は晴れているせいか、まだ明るかった。
太陽は山影に沈んだようだ。
大して多くない雲が夕日を浴びて綺麗な色をしていた。
ハンドルを握りながら、時々その風景を見上げていた。
あ!雲が虹色に!
確か彩雲という吉祥の印・・・
美和は一人微笑んで、どんな幸運が訪れるのか空想した。
大手の会社で役付きの高給取りの部類だろう。
特に贅沢の趣味も無い独身で、貯金もかなりある。
仕事もそれなりに充実している。
自分にとって、何が幸運なのだろう?
男が必要なのはたまにで、いつもはいらない。
家庭が欲しいという気持ちが無い。
何が・・・幸せなのだろう?
美和は、幸せというものに今まで向き合った事がなかったと気づいた。
これ以上、特に欲しいものは思いつかなかった。
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カルテ番号 れ・1(3)
冷泉美和は最近、身体が重いと感じる。
今まで大きな病気をした事が無かった。
風邪で寝込んでも、1日くらいで復活できた。
気がかりは、相次いで亡くなった両親だ。
二人とも60代だった。
そして、二人とも癌だった。
健康オタクではないが、健康には気を使っている。
食事、睡眠、そしてヨガとジョギング。
最近は健康食品もこっそり使っている。
40代からは、いろいろな代謝能力が落ちるらしい。
細胞の回復も遅くなり、もともとあったナントカが少なくなるらしい。
オンナとしてのホルモンやらナントカなどが衰えるらしい。
そんな情報を知ると、つい買ってしまう。
その為か、休日は県内の温泉巡りをするようになった。
美肌や疲れが回復するような気がする。
でも、時々、我に帰る。
40目前とはいえ、独身女性が休日の度に温泉巡りでいいのか。
もう、それ自体が衰えている証拠ではないのか。
といっても、他にする事もなかった。
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カルテ番号 れ・1(2)
もう40歳の壁が目の前だった。
結婚願望が全く無いわけではない。
そう言ってくれる相手もいた。
その相手を好きだった。
だが、結婚となると違う気がした。
その人との家庭が想像できない。
結局、結婚に踏み切れずに別れた。
もし子供を持つとしたら、年齢的にはギリギリだろう。
それはわかっているが、その為に結婚する気にはなれない。
この先、結婚はあるかもしれない。
結婚はあっても、子供は無いような気がする。
本能的とでもいうのだろうか?
多分、いや、きっと、そうなると思う。
この間に両親は亡くなっていた。
弟が山口県には住んでいる。
肉親は、それだけだった。
その弟とも、あまり連絡が無い。
自分は肉親愛というのが不足しているのかもしれない。
時には男は必要だが、家庭は必要だと思えなかった。
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