~SLやまぐち号『貴婦人』が行く~
昭和40年代の国鉄の近代化・合理化によって、全国的に蒸気機関車の廃止が相次いで行
われた。
そんな中、山口線も例外ではなく、昭和48年には、遂にSLが姿を消すことになりました。
しかし蒸気機関車の熱烈ファンや、地元民の熱望する声などによって、復活機運が高まり、
時の国鉄総裁の大英断もあって、昭和54年に山口線で再びSLが復活しました。
C571その名を『貴婦人』の愛称で親しまれ、あの山頭火の愛した新山口から、山陰の小京
都津和野(島根)の間を、約2時間掛け人々の夢を乗せて、今も爆進しています。
蒸気機関車と言えば、石炭を燃料としていることから、煙突から黒々とした煙をモウモウとな
びかせ、白い蒸気を吹き出しながら「シュッ、シュッ、ポッポ・シュッ、シュッ、ポッポ」・・・「ガ
タン、ゴトン」とレールの軋む音を残しながら走り抜けて行きます。
山陰本線からSLが消えたのは、昭和40年代後半頃だったのでしょうか?・・・SLと言えば、
私には父の顔がいの一番に浮かんできます。・・・と言うより父を余りにも早く亡くした為か、
それが唯一、父との思い出と言っていいでしょう。
3~5歳の頃だったでしょうか・・・何処から何処へ・・・今一つ記憶は定かでありませんが、父
に手を引かれて乗ったことは、鮮明に記憶に残っています。
汽車の窓を開けると、乗り物酔いを誘発するする様な、コークス独特の臭いと、煙突から吐き
出される、ばい煙が眼に沁みて痛かったこと、汽車を降りる頃には、顔が黒ずんでいたこと
が、うっすらと記憶に残っています。
良いことも悪いことも、思い出を辿ることは、「過ぎてしまえば、みな良い思い出」と言われる
様に、人はその時々を一生懸命に生きて来たと言う証ではないでしょうか。・・・・
今日は、そんなことごとを思い出しながら、蒸気機関車を鉛筆で描いて見ました。
~貴方にとって、今日も良い一日であります様に~
童謡 「汽車ポッポ」