~カーレースクションの最高傑作「栄光のル・マン」 スティーブ・マックィーン~
スティーブ・マックィーンの映画と言えば、「荒野の七人」「大脱走」「ゲッタウエー」等、数多くの作品を
観てきました。
スティーブ・マックィーンという俳優は、映画とその実像(生活)の間に、境界を感じさせない数少ないス
ターの一人と言われ、この映画もカーレースをこよなく愛した彼が、最も作りたかった、積年の思いを実
現した映画で、興行的成功を意識するのであれば、カーレースにドラマ性を追求したのでしょうが、周囲
の大反対を押し切って、敢えて本物のカーレースをドキュメンタリー風に撮りたい、との思いがにじんで来
る映画です。
パリ郊外のル・マンのサーキット(24時間耐久レース)で、レースカーにキャメラを持ち込んで撮影した、
その映像の迫力、これはまさに本物であり圧倒されます。
この映画は、興行的には成功と言えるものではなかった様ですが、1971の日本公開では大変な人気
を拍し、私も映画館に足を運び、大型スクリーンでその臨場感と大迫力を体感したものでした。
日本での大ヒットが、後にマックイーンの名声を全世界に知らしめるのに一役かったと言われています。
超高速のカーレースは、年頃の男性なら誰でも一度は経験して見たいと夢見る世界。
ストーリー性より何より、彼の全人生を賭したこの映画に傾ける凄まじい情熱に感動してしまいます。
おそらく、カーレースもの映画では、未だこの映画を超える作品は無いのではないでしょうか。
彼は実生活でも、少年院を出て、海兵隊に志願入隊し、その後映画界に飛び込み、大成功をおさめたと
言うから、その人生は波乱万丈であった様です。
主演映画「大脱走」のワンシーン、捕虜収容所の張り巡らされた高い鉄条網の柵を飛び越えんと、モータ
ーバイクを駆って、宙に舞い飛ぶシーンは彼の人生そのものを暗示していた様な、強烈な印象を焼きつけ
ました。
彼は僅か50年の人生を足早に駆け抜けて行きましたが、人生の最後、病(生命)との闘いにおいても、最
後まで諦めず素の人間として、精一杯生き抜いた人生であったと思います。
今日は市民大学で「モネ・シャガール・ピカソ」等の名画を鑑賞した帰り道、久し振りにレンタルビデオ店に
立ち寄って見ましたが、気付けばこれまでに何度も観た、この「栄光のル・マン」を手にしていました。
~貴方にとって、今日も良い一日であります様に~
今日は島根・鳥取でリサイタルのある大好きな庄司紗矢香(ヴァオリ)と、小野リサ(ボサノバ)
の曲を取り上げて見ました。
メンデルスゾーンバイオリン協奏曲第一楽章
イパネマの娘