タカちゃんの絵日記

何気ない日々の感動を、スケッチと好きな音楽と、そして野鳥写真を。。。

役目終え、朽ちるこの身の、優しさに。

2012-02-29 | 風景

以前のスケッチを参考に、当時の情景を思い出しながら、水彩で描いみました。

私が大根島(松江市)のこの廃船に、興味を持ち始めたのは1976年の春だった

と思います。

休日に、「大根島に牡丹を撮りに行って見よう」と、思い立って向かうと、島の

入り口付近の入に、5~6隻の打ち捨てられ廃船がありました。

大根島では、お勤めを終えた船を入江の要所に投錨し、防波堤代りにしてい

たといいます。

当時は、まだ「廃船や廃墟」への関心も低かったのですが、私は被写体として非

に魅力を感じて、ぼたんの撮影はそっち除けで、夢中でシャッターを切っていました。

 

その後、この船は、年月を掛けて浸水、腐食して、廃れゆくもの特有の郷愁をか

きたてる情景が、小説、ドラマの舞台、あるいは多くの画家やカメラマンの写体と

しても、最後の最後、船が朽ち果てるまで生かされてきました。

残念ながら、2010年には、ついにその姿を消すことになったのです。

この廃船が、多くの人に愛されたのは、壊れ、そして廃れゆくものの~優しさ、哀れ

悲しみ、愛しさ、懐かしさ~ と言った、人間の穏やかな部分の、琴線に触れる、共通

の何かを持っているからでしょう。        

             ~今日も良い一日を~

 

 

 


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