大和エネルギー(大阪府)が計画している脊振山系風力発電事業について、市民団体「七山・脊振山系の暮らしを守る 保安林を守る会」は、先月27日、唐津市の保安林を守ることを求める署名を唐津市の峰市長と事業者である大和エネルギーへ提出した。これは唐津市七山の自然と糸島市二丈に暮らす住民の命と暮らしを守りたいとの思いではじめられたもので、オンライン署名(436名)を含め、904名が賛同。前回の署名提出分を合わせると4000筆以上に上る。(私も署名させていただいた)
署名提出後、唐津市と質疑応答の場が設けられていた。「守る会」によれば、唐津市は再生可能エネルギーの推進や導入は進めていくが、保安林を保全するという佐賀県の意向をふまえ、今の計画のまま進めていくのは困難とした。その上で、業者が計画を極端に変更することがあれば、また一から検討することになるとしている。唐津市は佐賀県の方針に従うという見解である。
気になるのは大和エネルギーの動きだ。佐賀県は昨年10月、環境影響評価(アセスメント)方法書に対する県知事の意見書を経済産業相に提出し、開発の要件を満たしていない旨を伝えている。しかし、事業者からコメントはなく、情報は途絶えていた。そうした中、この度、新たな情報を目にした。(同会の報告によるものだが)今年3月、事業者による建設予定地の希少猛禽類の調査が行なわれていた。唐津市によれば、事業者は今も七山に話に行っているようで、それが住民に対するものか調査のためかは分からないという。唐津市は、事業者とは密に連絡を取り合っているとしながら、状況は掴めていないようだ。
もしかすると、事業者は今、地元住民の説得に奔走しているのかもしれない。いずれにせよ、市民・県民の多くが反対しているのだから、ここは潔く撤回の判断を下す最善の時だと思うのだが。
「七山・脊振山系の暮らしを守る 保安林を守る会」ホームページより
脊振山系を壊さないで
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