先週15日、ついに福岡市の感染者数が2000人を突破した。7月31日に1000人を突破したばかりだが、わずか半月で1000人もの感染者が出たことになる。1000人突破まで約5ヵ月程かかったが、2000人突破はわずか半月という速さ。その要因となっているのがクラスターだ。西日本新聞の情報をまとめてみると、これまで福岡市で確認されたクラスターは37ヵ所。2月から6月までが6ヵ所、7月が18ヵ所、8月はこれまでのところ13ヵ所となっている。
8月クラスターの内訳(18日現在)は、バーやキャバレー5ヵ所(中洲4ヵ所)、老人ホーム2ヵ所、デイサービス施設1ヵ所、大学校2ヶ所、専門学校1ヵ所、保育園1ヵ所、タクシー会社1ヵ所の計13ヵ所となっている。相変わらず中洲のバーやキャバクラが多いが、次いで多いのが高齢者施設だ。7月は30代以下の若年層が大半を占めていたが、8月に入ってからは60代以上の高齢者の割合が上昇、重症者や死者の数も増えはじめている。市保健福祉局によると、若者から家庭内感染で介護施設職員が感染し、そこから施設にウイルスが入っている状況だという。危惧していたことが起こりはじめている。
福岡県が公表している病床稼働率をみると、8月5日は55.3%だったが、8月16日には65.7%まで上昇し、490病床のうち322床が埋まっている。今後、高齢者の感染者が増えると医療体制が逼迫する恐れもある。そのため県は、医療機関に対して受入病床の準備や拡張を要請しているという。福岡市では、6月18日以降、死者は出ていなかったが、8月に入ってから死者が相次いでいる。8月6日1人、17日までに4人(19日現在7人)の方が亡くなっている。状況は徐々に悪くなっている。こうした中で、20日から2学期がはじまる。今こそ、高島市長は市民へ向けてメッセージを発信する時ではないのか。(クルーズ船についての記者会見はしていたようだが)
福岡県内の感染状況
福岡コロナ警報が発令された8月8日から17日までの福岡県内の感染者数930人 (写真:17日夜のNHK福岡ニュースより)
福岡市8月クラスター発生状況(8月18日現在)
高齢者施設ではクラスター発生後も感染者が増え続けている(西日本新聞の情報をもとに作成)
※日付は市がクラスターと認定した日、感染者数は各施設や大学のホームページを確認した上で作成しています。
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・福岡市の感染者2000人突破 新型コロナ、2週間で倍増(西日本新聞 2020.8.18)
《参考資料》