大山梅まつりの帰路、東背振経由で五ヶ山に立ち寄った。早いもので「小川内の杉」の移植からあと1ヵ月余で1年になる。この日、杉に特に変わった様子はなかったが、何やら大きな音がしていたので裏に回ってみると櫓が立っていた。そこで、作業をされていた方に問うと「杉に水をやるために井戸を掘っている」と言われた。すぐそばには小川が流れており、これまでそこから水を引いて散布されていたので不思議に思い、ふたたび問い返すと「きれいな水をやるため」と言われた。それ以上、追及はしなかったがどうも腑に落ちない。
そもそも、山から流れ出す水はきれいで水量も豊富にある。かつての場所でもこの水が流れていた。環境が変わらないからということで、この場所に移植されたのだ。それでどうして井戸水が必要なのだろう。ましてここは山の中腹、井戸を掘るにしてもかなり深く掘らなければならないだろう。そこまでするというのは、何か他に理由があるような気もするのだが。移植から1年、まだまだ油断はできない。
一方、五ヶ山ダムの試験湛水がはじまってもうすぐ5ヵ月。先月の視察時と比べ、ダム湖の水は思ったほど増えていなかった。このところあまり雨が降っていないからだと思うが、それでも「小川内」を流れる那珂川は徐々に姿を消しつつある。それは悲しい光景で。
撮影日:2017.3.12
枯葉も落ちて
井戸を掘る
かつての場所も間もなく沈む
川が消えてゆく
佐賀大橋から見る