先日訪れた、市民の憩える森。
高い樹がにょきにょきと伸びており、一見、自然に包まれている。
ところが、木に携わるプロからみれば、不自然な窒息状態であるという。
それは何でか?
原因は、落ち葉掃きにあった。
もっとも、その落ち葉は近隣の農家さんが
腐葉土にせむがため、掃きあつめて持ち出してくれているのだが、
それがどう森を窒息せしめるのだろうか。
樹樹にとりては、それら落ち葉のクッションが不可欠なのだ。
1.落ち葉の層が雨水の保水性をたかめる。
根が地下水ばかりを目指さず、横にも伸びれることで
枝も横方向に広がり、安定を生む。
2.落ち葉の揺りかごに包まれたどんぐりは発芽し、
次世代が育つことができる。
3.落ち葉が緩衝材となり、土が踏み固められない
落葉広葉樹が中心となる雑木林は、人が木をつかうことで
次世代に太陽光が射し、永続的な循環がうまれる。
落ち葉をその場にのこしておくことは、想像以上に大切な要素だったのだ。
その場に生じるものは、極力他所へ持ち出さず、
また、外部から持ち込むこともしない。
その場所に必要なものは、全てその場に揃っている。
そうでなければ、その環境でいきものは生きていかれない。
使ったものはその場に置いておく。
またそこで使えるように。
環境に溶けてとろけて、いきていきましょう。
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