「川セン」「州 シュウ」の甲骨文字をみると、いずれにも水の流れが描かれている。この二文字は水の流れでつながっている。
川 セン <川の流れにしたがう>
川 セン・かわ 川部
解字 水の流れる形の象形。「かわ」を表わす。甲骨文では川の流れを示す点々が見える。川は部首となり、また音符にもなる。
意味 かわ(川)。かわの流れ。「川上かわかみ」「小川おがわ」「川面かわも」「河川カセン」
イメージ
「かわ」(川・巡・圳)
川の「流れに沿う」(順・訓・馴)
川が溢れる意から「わざわい」(災)
「形声字」 (釧)
音の変化 セン:川・釧・圳 ジュン:巡・順・馴 クン:訓 サイ:災
か わ
巡 ジュン・めぐる 辶部
解字 「辶(ゆく)+巛(かわ)」の会意。この川は田畑のみぞの意(常用字解)。みぞ(水路)に沿って小舟などで耕作地をめぐること。
意味 めぐる(巡る)。(1)みてまわる。「巡視ジュンシ」「巡回ジュンカイ」(2)まわり歩く。「巡業ジュンギョウ」「巡礼ジュンレイ」
圳 セン 土部
解字 「土(耕作地:田)+川(かわ)」の会意形声。耕作地(田)の中の水路の意。また、水路の走る田を意味する地名。中国南部の福建省・広東省などに多い。
意味 (1)田の水路。(2)地名。「深圳シンセン」(田に深い水路のある地を表した地名。広東省南部、香港の北に隣接する都市。当初は文字通り水路の走る田園がひろがる農村だったが、香港と隣接するため国境の町として栄えるようになり、さらに改革開放が始まると真っ先に経済特別区になり(1980年)外国資本の進出によって商工業が発展した新興都市)
流れに沿う
順 ジュン・したがう 頁部
解字 「頁(あたま)+川(流れに沿う)」の会意形声。あたま・からだが流れに沿うこと。流れに逆らわないこと。
意味 (1)したがう(順う)。すなお。「順応ジュンノウ」「従順ジュウジュン」 (2)都合がよい。「順調ジュンチョウ」「順当ジュントウ」 (3)道筋や次第。「順序ジュンジョ」
訓 クン・おしえる・よむ 言部
解字 「言(いう)+川(流れ)」の会意形声。物事のすじ道(流れ)を言い聞かせること。
意味 (1)おしえる(訓える)。おしえ。さとす。「訓育クンイク」「家訓カクン」「訓戒クンカイ」(教えさとし、いましめる) (2)よむ(訓む)。古典の文をおしえる(訓える)とき、現在の言葉で解釈すること。「訓釈クンシャク」(字義をときあかす) (3)くんよみ(訓読み)。漢字に当てた日本語のよみ。「訓読クンドク」(①漢字の日本語読み。②漢文を日本語の語順で解釈して読む)「字訓ジクン」(漢字のくんよみ)
馴 ジュン・なれる・ならす 馬部
解字 「馬(うま)+川(=順。したがう)」の会意形声。馬が飼い主にしたがうこと。
意味 (1)なれる(馴れる)。ならす(馴らす)。「馴化ジュンカ」「馴致ジュンチ」(なれさせる)「馴染(なじ)む」 (2)おとなしい。すなお。
川が溢れる
災 サイ・わざわい 火部
解字 「火+巛サイ」の会意形声。巛サイは、もと「巛(水流)+一」で、巛の中央に一線を引いた字。水流がふさがれて溢れる水害を表わし「わざわい」の意。これに火のついた災は、火のわざわいの意だが、ひろく「わざわい」の意となる。
意味 わざわい(災い)。よくない出来事。「災害サイガイ」「震災シンサイ」(地震の災害)「災禍サイカ」(災も禍も、わざわいの意)
<参考> 災は、ほのおが燃える形ではない。ほのおは炎エンであらわす。
同音代替
釧 セン・くしろ 金部
解字 「金(金属)+川(セン)」の形声。センは穿セン(穴をあける)に通じ、穴があいた金属の輪の意で、腕輪のこと。
意味 (1)うでわ。くしろ(釧)。腕にはめる飾りの輪。「釧くしろ着く」(枕言葉。手節たふし[手の関節の意から手首・腕の意]にかかる)(2)地名。「釧路くしろ」(北海道の地名。腕輪の意でなく、アイヌ語の発音に当てた)
州 シュウ <川のなかす>
州 シュウ・す 川部
解字 川の中になかすのできたさまを描いた象形。砂地(なかす)の周囲を水が取り巻くことを示す。水流によって自然に区画されている地域をいう。
意味 (1)す(州)。川のなかす。「三角州サンカクス」「中州ナカス」 (2)大きなしま。「本州ホンシュウ」「神州シンシュウ」 (3)昔の行政区画。「九州キュウシュウ」「信州シンシュウ」(長野県の昔の呼び名)「州司シュウシ」(州の役人) (3)大陸。「欧州オウシュウ」
イメージ
「なかす」(州・洲)
「形声字(シュウ)」(酬)
音の変化 シュウ:州・洲・酬
なかす
洲 シュウ・す・しま 氵部
解字 「氵(水)+州(なかす)」の会意形声。水に取り囲まれた中州。州が行政区画の意味に使われたので、水を付けて本来の意味を強調した字。しかし、現代表記では州に書きかえるので、ほとんど使われない。
意味 (1)す(洲)。しま(洲)。「中洲なかす=中州」 (2)大陸。「五大洲ゴダイシュウ=五大州」
形声字(シュウ)
酬 シュウ・ジュ・むくいる 酉部
解字 「酉(さけ)+州(シュウ)」の形声。シュウは壽シュウ・ジュ(長く続く)に通じ、主客の酒杯のやりとりが長く続くこと。転じて、盃を返す、むくいる意となる。「酉(さけ)+壽」の醻シュウ・ジュは酬の異体字で同字。
意味 (1)むくいる(酬 いる)。「応酬オウシュウ」(相手の動作に応じて動作を返す) (2)むくい(酬 い)。お返し。「報酬ホウシュウ」(労働の対価として払われる金品)
<紫色は常用漢字>
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川 セン <川の流れにしたがう>
川 セン・かわ 川部
解字 水の流れる形の象形。「かわ」を表わす。甲骨文では川の流れを示す点々が見える。川は部首となり、また音符にもなる。
意味 かわ(川)。かわの流れ。「川上かわかみ」「小川おがわ」「川面かわも」「河川カセン」
イメージ
「かわ」(川・巡・圳)
川の「流れに沿う」(順・訓・馴)
川が溢れる意から「わざわい」(災)
「形声字」 (釧)
音の変化 セン:川・釧・圳 ジュン:巡・順・馴 クン:訓 サイ:災
か わ
巡 ジュン・めぐる 辶部
解字 「辶(ゆく)+巛(かわ)」の会意。この川は田畑のみぞの意(常用字解)。みぞ(水路)に沿って小舟などで耕作地をめぐること。
意味 めぐる(巡る)。(1)みてまわる。「巡視ジュンシ」「巡回ジュンカイ」(2)まわり歩く。「巡業ジュンギョウ」「巡礼ジュンレイ」
圳 セン 土部
解字 「土(耕作地:田)+川(かわ)」の会意形声。耕作地(田)の中の水路の意。また、水路の走る田を意味する地名。中国南部の福建省・広東省などに多い。
意味 (1)田の水路。(2)地名。「深圳シンセン」(田に深い水路のある地を表した地名。広東省南部、香港の北に隣接する都市。当初は文字通り水路の走る田園がひろがる農村だったが、香港と隣接するため国境の町として栄えるようになり、さらに改革開放が始まると真っ先に経済特別区になり(1980年)外国資本の進出によって商工業が発展した新興都市)
流れに沿う
順 ジュン・したがう 頁部
解字 「頁(あたま)+川(流れに沿う)」の会意形声。あたま・からだが流れに沿うこと。流れに逆らわないこと。
意味 (1)したがう(順う)。すなお。「順応ジュンノウ」「従順ジュウジュン」 (2)都合がよい。「順調ジュンチョウ」「順当ジュントウ」 (3)道筋や次第。「順序ジュンジョ」
訓 クン・おしえる・よむ 言部
解字 「言(いう)+川(流れ)」の会意形声。物事のすじ道(流れ)を言い聞かせること。
意味 (1)おしえる(訓える)。おしえ。さとす。「訓育クンイク」「家訓カクン」「訓戒クンカイ」(教えさとし、いましめる) (2)よむ(訓む)。古典の文をおしえる(訓える)とき、現在の言葉で解釈すること。「訓釈クンシャク」(字義をときあかす) (3)くんよみ(訓読み)。漢字に当てた日本語のよみ。「訓読クンドク」(①漢字の日本語読み。②漢文を日本語の語順で解釈して読む)「字訓ジクン」(漢字のくんよみ)
馴 ジュン・なれる・ならす 馬部
解字 「馬(うま)+川(=順。したがう)」の会意形声。馬が飼い主にしたがうこと。
意味 (1)なれる(馴れる)。ならす(馴らす)。「馴化ジュンカ」「馴致ジュンチ」(なれさせる)「馴染(なじ)む」 (2)おとなしい。すなお。
川が溢れる
災 サイ・わざわい 火部
解字 「火+巛サイ」の会意形声。巛サイは、もと「巛(水流)+一」で、巛の中央に一線を引いた字。水流がふさがれて溢れる水害を表わし「わざわい」の意。これに火のついた災は、火のわざわいの意だが、ひろく「わざわい」の意となる。
意味 わざわい(災い)。よくない出来事。「災害サイガイ」「震災シンサイ」(地震の災害)「災禍サイカ」(災も禍も、わざわいの意)
<参考> 災は、ほのおが燃える形ではない。ほのおは炎エンであらわす。
同音代替
釧 セン・くしろ 金部
解字 「金(金属)+川(セン)」の形声。センは穿セン(穴をあける)に通じ、穴があいた金属の輪の意で、腕輪のこと。
意味 (1)うでわ。くしろ(釧)。腕にはめる飾りの輪。「釧くしろ着く」(枕言葉。手節たふし[手の関節の意から手首・腕の意]にかかる)(2)地名。「釧路くしろ」(北海道の地名。腕輪の意でなく、アイヌ語の発音に当てた)
州 シュウ <川のなかす>
州 シュウ・す 川部
解字 川の中になかすのできたさまを描いた象形。砂地(なかす)の周囲を水が取り巻くことを示す。水流によって自然に区画されている地域をいう。
意味 (1)す(州)。川のなかす。「三角州サンカクス」「中州ナカス」 (2)大きなしま。「本州ホンシュウ」「神州シンシュウ」 (3)昔の行政区画。「九州キュウシュウ」「信州シンシュウ」(長野県の昔の呼び名)「州司シュウシ」(州の役人) (3)大陸。「欧州オウシュウ」
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「なかす」(州・洲)
「形声字(シュウ)」(酬)
音の変化 シュウ:州・洲・酬
なかす
洲 シュウ・す・しま 氵部
解字 「氵(水)+州(なかす)」の会意形声。水に取り囲まれた中州。州が行政区画の意味に使われたので、水を付けて本来の意味を強調した字。しかし、現代表記では州に書きかえるので、ほとんど使われない。
意味 (1)す(洲)。しま(洲)。「中洲なかす=中州」 (2)大陸。「五大洲ゴダイシュウ=五大州」
形声字(シュウ)
酬 シュウ・ジュ・むくいる 酉部
解字 「酉(さけ)+州(シュウ)」の形声。シュウは壽シュウ・ジュ(長く続く)に通じ、主客の酒杯のやりとりが長く続くこと。転じて、盃を返す、むくいる意となる。「酉(さけ)+壽」の醻シュウ・ジュは酬の異体字で同字。
意味 (1)むくいる(酬 いる)。「応酬オウシュウ」(相手の動作に応じて動作を返す) (2)むくい(酬 い)。お返し。「報酬ホウシュウ」(労働の対価として払われる金品)
<紫色は常用漢字>
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