漢字の音符

漢字の字形には発音を表す部分が含まれています。それが漢字音符です。漢字音符および漢字に関する本を取り上げます。

音符「衣イ」 <ころも> と 「依イ」「哀アイ」

2024年12月29日 | 漢字の音符
 衣は音符字は少ないですが、部首として、①衣の形のままの「衣(ころも)」、②衣のなかに文字をいれこむ「わりごろも」、③左辺につく「衤(ころもへん)」があり、多方面で活躍する字です。
 イ・ころも  衣部 yī・yì

解字 衣の襟(えり)もとを合わせたかたちの象形。後ろの襟を立て、前の襟を合わせたかたち。
意味 (1)ころも(衣)。きぬ。身にまとうもの。「衣服イフク」「衣装イショウ」「衣魚イギョ」(しみ。衣服・書物につく虫)(2)きる。身につける。「衣帯イタイ」(衣と帯。衣服を着て帯を結ぶ)(3)おおう。おおい。「面衣メンイ」(外出用の被りもの)
参考 衣は部首「衣ころも・わりごろも」になる。「ころも」は漢字の下部に衣が付く。「わりごろも(衣に割り込む)」は衣が亠と、その下部に分かれ間に漢字がはいる。「衣ころも・わりごろも」は、常用漢字で12字、約14,600字を収録する『新漢語林』では49字が収録されている。主な字は以下のとおり。
「衣ころも」:衣(部首)
 タイ・ふくろ(衣+音符「代ダイ」)
 レツ・さく(衣+音符「列レツ」)
 ソウ・よそおう(衣+音符「壮ソウ」)
 セイ・つくる(衣+音符「制セイ」)
 シュウ・おそう(衣+音符「龍リュウ⇒シュウ」)
 サイ・さばく(衣+音符「𢦏サイ」)
 ショウ(衣+音符「尚ショウ」)
「衣わりごろも」:衣の中に音符字を割り込ませる。
 チュウ・うち(衣+音符「中チュウ」が入る)
 リ・うら(衣+音符「里リ」が入る)
 ホウ・ほめる(衣+音符「保ホ⇒ホウ」が入る)
 ヒョウ・おもて古代文字は、衣+毛が入った会意
 スイ・おとろえる衣+「冄ゼン」が入った会意
 セツ・なれる(衣+音符「埶ゲイ・セイ⇒セツ」が入る)
 カ・つつむ「衣(=ふくろ)+音符「果カ(まるい実・木の実)が入る」
衣は漢字の左辺(偏)に付いたとき部首「衤ころもへん」になる。常用漢字で9字、約14,600字を収録する『新漢語林』では49字が収録されている。主な字は以下のとおり。
「衤ころもへん」:衤(部首)
 シュウ・そで(衤+音符「由ユウ⇒シュウ」)
 ヒ・こうむる(衤+音符「皮ヒ」)
 ユウ・ゆたか(衤+音符「谷コク⇒ユウ」)
 ホ・おぎなう(衤+音符「甫ホ」)
 キョ・すそ(衤+音符「居キョ」)
 フク・かさねる(衤+音符「复フク」)
 カツ・ぬのこ(衤+音符「曷カツ」)
 キン・えり(衤+音符「禁キン」)
 ラ・はだか(衤+音符「果カ⇒ラ)

イメージ 「ころも」(衣・依・哀)
音の変化  イ:衣・依  アイ:哀

ころも
 イ・エ・よる イ部 yī             

解字 「人+衣(ころも)」の会意形声。甲骨文は衣のなかに人が入ったかたち。天子が先王から位を受けつぐ時などに行なう儀式で、先王の霊が移った衣を着て、その霊を受けつぐこと。霊がよりつく意となる[字統]。衣は魂の受け渡しをするという信仰があった。
意味 (1)よる(依る)。よりつく。「依代よりしろ」「憑依ヒョウイ」(①よりすがる・よりどころにする。②霊などがのりうつる)(2)つく。従う。「帰依キエ」(神・仏などにすがること)(3)たのむ。たよる。「依頼イライ」「依存イゾン」「依怙エコ」(特定の者だけひいきする)(4)そのまま。以前のまま。「依然イゼン
 アイ・あわれ・あわれむ  口部 āi  
解字 「口(声をだす)+衣(ころも)」の会意。死者の衣の襟もとで、大きな声を出して悲しむこと。
意味 (1)かなしい。かなしむ。うれい。「哀悼アイトウ」「悲哀ヒアイ」「哀号アイゴウ」(悲しんで泣きさけぶ) (2)あわれ(哀れ)。あわれむ(哀れむ)。いつくしむ。「哀感アイカン」「哀調アイチョウ」 (3)も(喪)。亡くなった人を追悼する礼。「哀衣アイイ」(喪中にきる着物)「哀子アイシ」(父母の喪に服している子)
<紫色は常用漢字>

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音符「亥ガイ」<ぶたの骨格> と 「骸ガイ」「該ガイ」「劾ガイ」「咳ガイ」「孩ガイ」「駭ガイ」「核カク」「刻コク」

2024年12月27日 | 漢字の音符
  改訂しました。
 ガイ・い   亠部 hài   
 
解字 いのしし、またはぶたの骨格をたてに描いた象形。骨組みの形を表す。仮借カシャ(当て字)して甲骨文字から十二支の12番目に当てられている。

十二支と方位(「暮らし歳時記」より)
意味 (1)い(亥)。十二支の第12番目に当てる。動物はいのしし。月では十月。「亥月ガイゲツ」(陰暦十月の異称)(2)昔の時刻で午後10時およびその前後一時間。「亥の刻イのコク」(3)昔の方角の名。北北西。(4)「亥豕ガイシの誤り」(文字の書き誤りのこと)。※亥ガイ(干支の亥・いのしし)と豕(いのこ・いのしし)は意味が似ているが、字の由来は豕は動物の豚(ぶた)を、亥ガイは豚などの骨格を示す。

イメージ 
 「ほねぐみ」
(亥・骸・刻・劾・該)
  骨は「かたい」(核) 
 「形声字」(咳・孩・駭)
音の変化  ガイ:亥・骸・該・劾・咳・孩・駭  カク:核  コク:刻

ほねぐみ
 ガイ・むくろ  骨部 hái 
解字 「骨(ほね)+亥(ほねぐみ)」の会意形声。亥が十二支に当てられたので、骨をつけてもとの意味(ほねぐみ)を表わす字とした。
意味 (1)骨。骨格。人骨の総称。「骸骨ガイコツ」(①体の骨。②骨だけになった死体。③からだ。身体)「頭蓋骨ズガイコツ」(頭の骨)「死骸シガイ」「形骸ケイガイ」(中身が失われて外形だけが残ること)(2)むくろ(骸)。からだ。身体。「骸躯ガイク」(からだ。身体)「骸筋ガイキン」(身体)
 コク・きざむ  刂部 kè
解字 「刂(刀)+亥(ほねぐみ)」の会意形声。刀で骨組み(骨)にきざみ目を入れること。
意味 (1)きざむ(刻む)。ほりつける。「刻印コクイン」(①印を彫る、②刻みつける、刻みつけたもの)「彫刻チョウコク」「刻銘コクメイ」(金属や石に名前などを刻むこと)(2)むごい。ひどい。きびしい。「刻苦コック」(甚だしい苦労)「深刻シンコク」(3)とき(刻)。時間。「時刻ジコク」「即刻ソッコク」(すぐさま)
 ガイ  力部 hé
解字 「力(ちから)+亥(全体の骨組み)」全体の骨組みを強力にしらべてあばき、告発すること。
意味 (1)しらべる。追求する。罪状を取り調べる。「劾案ガイアン」(罪をきびしく調べる)(2)告発する。罪をあばいて訴える。「弾劾ダンガイ」(弾は責める、劾は告発する。不正をあばき責任を追及する)「劾状ガイジョウ」(告発状)
 ガイ  言部 gāi  
解字 「言(いう)+亥(全体の骨組み)」の会意形声。複雑な骨組みの全体について言うこと。
意味 (1)あまねく。かねそなわる。「該博ガイハクな知識」「該究ガイキュウ」(広く研究する)(2)あたる。あてはまる。「該当ガイトウ

かたい
 カク・さね  木部 hé・hú
解字 「木(き)+亥(かたい)」の会意形声。木のかたい実。

鬼クルミの核果
意味 (1)さね(核)。果実のたね。「核果カクカ」(果実のなかの堅い実)(2)物事の中心。かなめ。「核心カクシン」「中核チュウカク」(中央の重要な部分)(3)物体・細胞・原子などの中心にあるもの。「原子核ゲンシカク」「地核チカク」(地球の中心)(4)核分裂の連鎖反応を利用した兵器。「核兵器カクヘイキ」「核爆弾カクバクダン

形声字 
 ガイ・カイ・せき・せく・しわぶき・しわぶく  口部 hāi・ké
解字 「口(くち)+亥(ガイ・カイ)」の形声。ガイガイ・カイカイと口から出る音。咳をする音、また、乳児の笑い声に例える。咳と乳児の笑い声は息が途切れて出るところに共通性がある。
意味 (1)せき(咳)。せく(咳く)。しわぶき(咳)。しわぶく(咳く)。せきばらい。「咳気ガイケ・ガイキ」(咳のでる病気。かぜ)「咳唾ガイダ」(せきとつば。せきばらい)(2)幼児が笑う。「咳嬰ガイエイ」(幼児の笑い)
 ガイ・カイ・ちのみご・あかご  子部 hái
解字 「子(こども)+亥(ガイ・カイ)」の形声。ガイガイ・カイカイと途切れるような声で笑う子(乳児)。
意味 (1)ちのみご(孩)。あかご。幼児。「孩児ガイジ」(幼児。=孩子ガイシ)「孩抱ガイホウ」(幼児を抱く。また、抱っこする程のあかご)「孩提ガイテイ」(幼児と手をつないで歩く。また、連れ歩ける程の2~3歳の幼児)「孩心ガイシン」(おさなごころ)(2)幼児が笑うこと。「孩笑ガイショウ」(赤子の笑い)
 ガイ・カイ・おどろく  馬部 hài
解字 「馬(うま)+亥(ガイ)」の形声。敏感な動物である馬がおどろくことを駭ガイといい、人にうつしてもちいる。おどろく意で馬を含む字に驚キョウ、おどろいてさわぐ意に騒ソウがある。なお、「馬+戒」の駴カイ・ガイもおどろく意。
意味 おどろく(駭く)。おどろかす。=駴カイ・ガイ。「震駭シンガイ」(震えおどろく)「駭嘆ガイタン」(おどろき嘆く)
<紫色は常用漢字>

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音符「風フウ」< か ぜ > と 「楓フウ」「瘋フウ」「諷フウ」「嵐ラン」「颪おろし」「凧たこ」

2024年12月25日 | 漢字の音符
  改訂しました。
フウ・フ・かぜ・かざ  風部  fēng・fěng

解字 甲骨文字は頭に冠飾りをつけた瑞鳥の「おおとり(鳳)」を描き、その横に音を表す凡(ハン・ボン⇒フウ・ホウ)を付けた字。凡(ハン・ボン)は、上古音(殷周代)でフウ・ホウの発音であり後にハン・ボンへの字音の変化があったと推定されている。「おおとり」は風の神ともいわれ、この鳥が羽ばたいて「風」を起こすと考えられたため、風の意に用いた。金文は鳳(おおとり)の横が「H(凡の変形)+「〇の中に点」の下に3本の線がでた形が三つ」になったが、この正体は不明。篆文は「凡(=鳳を表す字音[フウ・ホウ]で風の意)+虫」となった。これは、風を利用して空を飛ぶ虫を付けて「かぜ」を表した字。これで鳳(おおとり)の字は本来の霊鳥としての意に専用されるようになった。風は部首にもなる。
意味 (1)かぜ(風)。ゆれ動く空気のながれ。「風雲フウウン」「風上かざかみ」 (2)社会全体にゆきわたるもの。「風習フウシュウ」 (3)おもむき。「風格フウカク」「風情フゼイ」 (4)けしき。「風景フウケイ」 (5)風の病。「風邪かぜ」「中風チュウブウ」(半身の不随、または腕・脚の麻痺)
参考 風は部首「風かぜ」になる。常用漢字は部首の風だけだが、偏や旁などとなり風に関する字を作る。主な字は以下のとおり。
 颯サツ・はやて(風+音符「立リツ」)
 飄ヒョウ・つむじかぜ(風+音符「票ヒョウ」)
 颱タイ・たいふう(風+音符「台タイ」)
 颪おろし(「下+風」の会意:国字)

イメージ 
 「かぜ」
(風・楓・諷・颪・凧) 
 「風の神」(瘋)
 「空気のながれ」(嵐)
音の変化  フウ:風・楓・瘋・諷  ラン:嵐  おろし:颪  たこ:凧  

か ぜ
 フウ・かえで  木部 fēng

イロハカエデの翼状になった果実(「小杉 波留夫・翼を持った果実その7」より)
解字 「木(き)+風(フウ)」の形声。①フウという名の木で、マンサク科の落葉高木樹。樹脂に芳香があり、葉は三つ叉(また)状で秋に紅葉する。②秋に紅葉するカエデ科のトウカエデ、タカオカエデなどの別称。日本ではイロハカエデなどのカエデ属の総称を「かえで(楓)」と言っている。カエデの語源は葉の形がカエルの手(前足)の形に似ることから「蛙手(かえるて)」の意味で名付けられたもの。
おぼえ方「木(き)+風(かぜ)」で、種子が風によって運ばれる木。
意味 (1)かえで(楓)。もみじ・紅葉(楓の別称)。カエデ科の落葉高木。種子は二枚の翼をもった果実をつける。「唐楓トウカエデ」(カエデ科の落葉高木。中国原産で街路樹・庭園樹とする。翼果をつける)(2)フウ(楓)。フウ科フウ属の落葉高木。果実は翼果にならない。「台湾楓タイワンフウ」など。(3)紅葉した状態。「楓葉フウヨウ」(紅葉した楓の葉)「霜楓ソウフウ」(霜にあたって紅葉した楓)
 フウ  言部 fěng
解字 「言(ことば)+風(かぜ)」の会意形声。言葉が風にのって伝わること。本人から直接言うのでなく、それとなく伝わること。また、風が言葉を伝える意から、文字を見て言うのでなく、そらんじる意となる。
意味 (1)ほのめかす。遠回しに言う。「諷意フウイ」(①意思をほのめかす。②あてこすって言った意思)「諷刺フウシ」(遠回しに批判する。=風刺) (2)そらんじる。そらよみする。「諷説フウセツ」(そらんじていることを、そのまま説くこと)「諷詠フウエイ」(詩歌をそらんじて歌う)
<国字> おろし  風部 guā
解字 「下(おりる)+風(かぜ)」の会意。下りる風の意で、山から吹き下ろす風のこと。
意味 おろし(颪)。山から吹きおろす風。「赤城颪あかぎおろし」(群馬県中央部(赤城山)から東南部で、冬季に北から吹く乾燥した冷たい強風)「六甲颪ろっこうおろし」(①神戸市北部の六甲山地から冬に吹き下ろす乾燥した冷たい風、②阪神タイガースの応援歌)
<国字> たこ  几部 zhēng
解字 「几(風の略体)+巾(ぬの)」の会意の国字。中国では凧を風箏フウソウというが、古くは紙鳶シエン・紙老鴟シロウシ・風鳶フウエン・鳳巾ホウキンなどとも書かれた。日本へもこれらの字が伝わり、江戸期には訓読みで「いかのぼり」と呼ばれていた。凧の字のもとになったのは鳳巾ホウキンと考えられる。鳳ホウには風の意味もあるので鳳巾は風巾であり、文字からいうと風に揚げる布製の凧になる。この二字を合わせた凧の国字が江戸後期に生まれ、江戸で一般的な呼び名だった「たこ」の名がついた。
意味 たこ(凧)。細竹の骨組みに紙など貼り、糸をつけて空中に放ち、引きながら風の揚力で飛揚させる玩具。凧を安定させるためつける尻尾とよばれる細長い紙が、イカの足に似ているので関西でイカノボリ(また、略してイカ)と呼ばれたが、関東では蛸の足になぞらえてタコと呼び、この名が定着した。「凧揚(たこあ)げ」(凧を揚げること。また、子供の正月の遊び)

風の神
 フウ  疒部 fēng
解字 「疒(やまい)+風(風の神)」の会意形声。風のもとになった「おおとり(鳳)」は風の神ともいわれ、風行とともに神威をもたらして起こす 疒(やまい)と考えられた。主に精神の病をいう。
意味 (1)精神の病。狂人。「瘋癲フウテン」(定職を持たず、ぶらぶらしている人。精神状態が正常でない人)「瘋病フウビョウ」(錯乱)「瘋狗フウグ」(狂犬)(2)そらごと。「瘋話フウワ

空気のながれ
 ラン・あらし  山部 lán
解字 「山(やま)+風(空気のながれ)」の会意。山中の空気の動きをいう。山の清らかな風や空気、および気流が山に当たりみだれた風をいう。山の風はみだれることが多いことからラン(乱)の発音になった。
意味 (1)山の清らかな風や空気。山にたちこめる気。もや。「嵐気ランキ」(山中に立つもや)「青嵐セイラン」(青葉を吹きわたる風)「嵐翠ランスイ」(山にもやがたちこめ、木々の緑があざやかなこと) (2)山の風。つむじ風。あらし(嵐)。暴風雨。「春嵐はるあらし」(春先に吹く強い風)(3)激しく揺れ動くことの例え。「倒産の嵐」
<紫色は常用漢字>

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音符「予 ヨ」<ひ・シャトル>と「預ヨ」「序ジョ」「抒ジョ」「舒ジョ」「杼チョ」「野ヤ」

2024年12月23日 | 漢字の音符
 杼(ひ)を用いて大島紬を織る  
 ヨ  亅部 yǔ・yú 


杼(ひ)(「GOOブログ・杼(ひ)」より)

解字 金文は状のもの二つがずれて重なった形。篆文はがかさなり下のから糸がでている形。いずれも機織りの横糸を左右に走らせるための道具である杼(ひ・シャトル)の象形で、杼が上方から下方へ移動するさま(実際は横に移動する)を描いている。隷書レイショ(漢代)から形が変わり現代字の予につながる。予は杼チョの原字である。しかし、本来の意味では使われず、仮借カシャ(当て字)して、「われ」の意味を表わし、与(あたえる)に通じて、与える意を表す。
意味 (1)われ(=余)「予輩ヨハイ」 (2)あたえる「賜予シヨ」(身分の高い者から下の者に与える)「予奪ヨダツ」(あたえることとうばうこと=与奪)

イメージ 
 「機織りのひ」
(予・杼) 
  杼の動きから「行って帰る」(豫・抒・預)
 「形声字」(序・舒・野)
音の変化  ヨ:予・豫・預  ジョ:序・抒・舒  チョ:杼  ヤ:野 
 
機織りのひ
 チョ・ジョ・ひ  木部 zhù
解字 「木(き)+予(ひ)」の会意形声。予はもと杼(ひ)の意味だったが、「われ」の意となったため、木をつけて本来の木製の「ひ」を表した。
意味 ひ(杼)。木製の舟形の中に糸を巻いた管を入れ、機の縦糸の間を左右に往復させて横糸をとおす道具。「杼機チョキ」(杼と機。はたを織るのに用いる道具)「杼梭ジョサ」(杼も梭も、ひ(杼)の意。転じて、はた織り)

行って帰る
[豫]  ヨ・あらかじめ   亅部 yù
解字 旧字は「象(ぞう)+予(行って帰る)」の会意形声。ゆっくりした象が行って帰る動作は、あらかじめ予測できる意。豫は、新字体で象が略され、予と同じ字体になった。
意味 (1)あらかじめ(予め)。かねて(予て)。かねがね(予予)。まえもって。「予感ヨカン」「予告ヨコク」「予鈴ヨレイ」(本鈴の前に、あらかじめ鳴らす鈴) (2)ためらう。「猶予ユウヨ」 (3)たのしむ。
 ヨ・あずける・あずかる   頁部 yù
解字 「頁(あたま。人員)+予(行って帰る)」の会意形声。手伝いの人員を行って帰らすこと。一時的に人員が行くので、転じて人員を「あずける」意となった。また、予(あらかじめ)の意味でも使われる。
意味 (1)あずける(預ける)。あずかる(預かる)。「預金ヨキン」「預託ヨタク」(財産などを一時的にあずけまかせること) (2)あらかじめ。かねて。「預言ヨゲン」(キリスト教などで神の言葉を人々に伝えること)「預言書ヨゲンショ」(旧約聖書の三区分のひとつ。民族の危機の警告とキリスト教への信仰を説く)
 ジョ・のべる  扌部
解字 「扌(手)+予(行って帰る)」の会意形声。両手で井戸のつるべを動かして行って帰らせ、水を汲むことを言う。また、汲んだ水をそそぐように心情をもらすことをいう。
意味 (1)くむ(抒む)。「井を抒(く)みて水を易(か)える」「抒水ジョスイ」(水を抒む)(2)のべる(抒べる)。心に思うことを打ち明ける。「抒情ジョジョウ」(感情を述べ表す=叙情)「抒泄ジョセツ」(心を打ちあけてもらす)

形声字
 ジョ・ついで  广部 shū
解字 「广(簡易なやね)+予(ヨ⇒ジョ)」の形声。母家の左右にのびた簡易な屋根の脇部屋を序ジョという。転じて、脇部屋と母屋の位置関係から、ならびかた・順序の意となり、また、脇部屋は端にあることから「はし・いとぐち」の意となる。
意味 (1)わきや。わきべや。母家の両側の部屋。(2)ならべかた。次第。「順序ジュンジョ」「序列ジョレツ」(3)はし。いとぐち。はしがき。「序幕ジョマク」「序論ジョロン」「序文ジョブン」(4)ついで(序で)。①同時に他のこともするよい機会。②順序・次第。
 ジョ・ショ・のべる  舌部 shū
解字 「舎の旧字(宿舎)+予(ヨ⇒ジョ)」の会意形声。宿舎の中で体をのばしゆったりすることを舒ジョという。[説文解字]は「伸(のば)す也(なり)。舍に従い予に従う。予は亦(また)聲(声)」とする。
意味 (1)のべる(舒べる)。のばす。ゆったり。「舒暢ジョチョウ」(舒も暢も、のびのびする意。心をのびのびさせる)「舒服ジョフク」(のびのびとした状態に服する(したがう)。気分がよい・快適だ)「舒緩ジョカン」(ゆったりしていること)(2)ひろげる。「舒巻ジョカン」(巻物をひろげる)
[埜] ヤ・の  里部 yě

解字 甲骨文字は、林と土の異体(⊥)から成り原野を表している[甲骨文字辞典]。金文は林と土からなり郊外の意。戦国は、金文と同じ形だが土が現在と同じになった埜となった。この字は野の異体字として現在も使われている。篆文は第一字が説文古文(春秋戦国時代)で、埜の林の間に予が入った字。この予は埜の発音を表すために挿入された。第二字は「里+予」の野になり、第一字の埜⇒里に置き換わった。この字が現在に続いている。意味は、郊外・野外から野原の意になり、日本では野原やはたけの意で用いられる。篆文で発音を表す字として加えられた予の発音はヨ⇒ヤに変化した。
意味 (1)の(野)。のはら。「原野ゲンヤ」「野営ヤエイ」(2)はたけ。耕地。「野菜ヤサイ」「田野デンヤ」(3)民間。「在野ザイヤ」(4)自然のままの。「野生ヤセイ」(5)だいそれた。「野心ヤシン
<紫色は常用漢字>

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音符「旨シ」<うまい>と「指シ」「脂シ」「鮨シ」「詣ケイ」「稽ケイ」

2024年12月21日 | 漢字の音符
 シ・むね・うまい  日部 zhǐ          

解字 甲骨文は「(人が右を向いたような形)+口(くち)」の形。人が右を向いた形(まれに左向きもあるが、ごく少ない)は、匙(さじ)の象形とされる。それに口がついた旨は、匙(さじ)ですくった食べ物を口にいれる形だが、甲骨文の意味は不明(甲骨文字辞典になし)。金文は口に短線が入った形になった(口に物を含んでいるさま)。[字統]は金文の斉器に「以って旨酒シシュを實(みた)す」とあり美酒で旨(うまい)酒の意とする。なお、[詩経・小雅]の魚麗篇にも「我(われ)旨酒シシュ有り」とあって美酒の意味に用いている。漢代の[説文解字]は「美(うま)い也。甘カンに従い匕(さじ)聲(声)とし、口に短線が入った形を甘いと解釈し、うまい(旨い)意としているが、発音は匕(さじ)がヒ⇒シの発音になっている。現代字で「ヒ+日」の旨のかたちになった。のち、うまいところの意から、伝えるように言われたことの、「大事なところ・主な点や意図」の意となった。
覚え方 ひび(ヒ日い。
意味 (1)うまい(旨い)。「旨酒シシュ・うまざけ」(2)むね(旨)。おもな点や意図。「その旨(むね)を伝える」「主旨シュシ」(主な考え)「趣旨シュシ」(目的やねらい)(3)天子の考え。「聖旨セイシ

イメージ  
 「うまい」
(旨・指・脂・鮨)
 「旨むね・おもな点や意図」(詣)
 「その他」(稽)
音の変化  シ:旨・指・脂・鮨  ケイ:詣・稽

うまい
 シ・ゆび・さす  扌部 zhǐ
解字 「扌(手)+旨(うまい)」の会意形声。うまいものを手のゆび(指)でさすことから、ゆび(指)および指(さ)す意となった。

指(ゆび)(「犬山日語教室・指(ゆび)」より)
意味 (1)ゆび(指)。「親指おやゆび」「指紋シモン」(指先の皮膚の紋様)(2)さす(指す)。ゆびさす。「指名シメイ」「指南シナン」(南を指す。方角を指示して導く)「指針シシン」(指さす針。進むべき方針)「指図さしズ」(図を指して人を動かす)
 シ・あぶら・やに  月部にく zhī
解字 「月(にく)+旨(うまい)」の会意形声。肉の中の白いあぶら肉(脂身)のこと。あぶら肉は筋肉のなかや周囲につく白い脂肪分(体の貯蔵物質)で動物のエネルギー源となる。肉を食べるとき、あぶら肉が適度に混じっている(霜降肉)と美味しく感じることからこの字ができた。

牛肉の脂身(あぶらみ)(「加茂川ブログ」より)
意味 (1)あぶら(脂)。あぶら肉。動物性のあぶら。「脂肪シボウ」「油脂ユシ」(油と脂肪。常温で液体のものを油、固体のものを脂という)「脂身あぶらみ」(肉の脂肪の多い部分)(2)やに(脂)。樹皮から分泌される粘液。「樹脂ジュシ」(植物体から分泌される精油類物質の総称=天然樹脂)「合成樹脂ゴウセイジュシ」(化学合成された樹脂)「目脂めやに」(めくそ)
 シ・すし  魚部 yì 
解字 「魚+旨(うまい)」の会意形声。加工してうまくした魚。[説文解字]は「魚の䏽醬(=魚醤)也。蜀ショク(四川省の別称)に出る。魚に従い旨の聲(声)」とする。なお、宋代の[集韻]は「鮓サク(つけうお。なれずし)也(なり)」としている。日本では寿司の意味で用いる。
意味 (1)うおびしお。魚のしおから。 (2)[国]すし(鮨)。寿司。酢を加えたご飯と魚肉を合わせた料理。「鮨桶すしおけ」(鮨を盛りつける底の浅い桶)「鮒鮨ふなずし」(鮒を塩漬けしたものを飯と交互に重ねて漬けこみ自然発酵させた鮨。現在の鮨の源流)(3)[中国]スズキ科の魚類。

むね(旨)
 ケイ・いたる・もうでる  言部 yì 
解字 「言(いう)+旨(むね・主な点や意図)」の会意。旨むね(主な点や意図)を言う意だが、そのために朝廷や上級官庁に行くこと。いたる意となるが、単にある場所に至るのでなく、高い所にいたる意となる。日本では高い所=神仏の意から寺社に参拝する意味でも使われる。
意味 (1)いたる(詣る)。高い所に行く。「詣闕ケイケツ」(天子の宮殿にいく。朝廷におもむく。闕ケツは宮殿の門)(2)学問などが高い境地にいっている。「造詣ゾウケイ」(学問や技や芸が深く達している)「造詣ゾウケイが深い」(3)[国]もうでる(詣でる)。まいる(詣る)。「参詣サンケイ」(神社や寺にお参りする)

その他
 ケイ・かんがえる  禾部 jī・qǐ
解字 「禾+尤+旨」の形声。意味も多様で字源に諸説あり、いずれと決め難い。ゴロ合わせで覚えるのが手っとり早い。この場合、尤ユウを形の似た尤(いぬ)と見做す。
覚え方 のぎ(ノ木=禾)大将、いぬ()をおともに、ひび(ヒ日
意味 (1)かんがえる(稽える)。くらべて考える。「稽古ケイコ」(昔の古いことを調べ考えること。転じて、学問や学習をする、芸事や武道などを練習する意となる)「無稽ムケイ」(根拠のないこと)「荒唐コウトウ無稽」(とりとめなく根拠がない)(2)とどまる。「稽留ケイリュウ」(3)ぬかずく。「稽首ケイシュ」(4)「滑稽コッケイ」とは、面白可笑しく巧みに言いなすこと。
<紫色は常用漢字>

<参考音符>
 キ・シ・たしなむ 「老の略体+旨シ」の会意形声。音符「耆キ」を参照

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音符「幾キ」<ちかい・きざし> と 「畿キ」「磯キ」「機キ」「饑キ」「譏キ」

2024年12月19日 | 漢字の音符
 多くの辞書は幾を「幺幺+戍ジュ・まもる」で解字しているが、それでは本当の意味がでてこない。金文には人の代わりに大を用いた字もあることから、この字は「幺幺+人+戈」で解字しなければならない。

 キ・いく  幺部いとがしら   jī・jǐ


 上は幾、下はヨウ
解字 金文第1字は「幺幺(ほそい・わずか)+大(ひと)+戈(ほこ)」の会意。第2字から、大⇒人に変わった幾となった。ヨウは、糸たばの先の形で糸たばの糸がほそい意。幺が二つで「わずか」の意味となる。幾は、武器である戈(ほこ)をわずかな距離まで人に近付けることを示し、「ほとんど」「ちかい」「もうすこしで」「あやうい」「きざし・かすか」などの意味を表す。また、仮借カシャ(当て字)で、いくつ・いくらの意ともなる。幾の筆順はこちら。
意味 (1)ほとんど(幾ど)。ちかい。「幾望キボウ」(ほとんど望月もちづき、すなわち満月に近いこと。満月の1日前)(2)きざし(幾し)。けはい。かすか。「幾微キビ」(かすかで微妙な=機微)(3)[仮借]いく(幾)。いくつ(幾つ)。いくら(幾ら)。「幾許いくばく」(どれほど)。「幾年いくとせ・いくねん」(どれほどの年数)「幾歳いくとせ」「幾重いくえ」(多く重なる。何度も)(4)「幾何学キカガク」とは、数学の一部門で geometry の訳語。図形や空間の性質を研究する学問。

イメージ 
 「きざし・けはい」
(幾)
  戈を近づける意から「近い・せまる」(畿・磯・譏)
  「形声字」(機・饑)
音の変化  キ:幾・畿・磯・譏・機・饑

近い・せまる
 キ・みやこ  田部 jī
解字 「田(耕地)+幾の略体(ちかい)」の会意形声。天子のすぐ近くの直轄地。
意味(1)みやこ(畿)。首都。「京畿ケイキ」(皇居周辺の地。京(みやこ)周辺の国々)(2)王城から五百里(周代の一里は約405m)以内(=約202km以内)の地をいう。「近畿キンキ」「畿内キナイ
 キ・いそ  石部 jī
解字 「石(いし)+幾(ちかい)」の会意形声。石や岩が水辺に近いこと。
意味 いそ(磯)。石や岩の多い波打ちぎわ。「磯辺いそべ」「磯魚いさな・いそうお」「荒磯あらいそ・ありそ」(荒波の打ち寄せる磯)
 キ・そしる  言部 jī
解字 「言(いう)+幾(せまる)」の会意形声。相手に迫って言うこと。とがめる・そしる意となる。
意味 とがめる。そしる(譏る)。せめる。「誹譏ヒキ」(とがめる。誹も譏も、とがめる意)「譏弾キダン」(そしりあばく)

形声字
 キ・はた  木部 jī
解字 「木(き)+幾(キ)」の形声。細かい仕掛けの木の装置を機という。また、幾の意味である、きざしの意味でも用いる。後漢の[説文解字]は、「発動をになう仕掛けを機という。木に従い幾キの聲(声)」とする。
機織り(「武蔵屋HP」より)
意味 (1)はた(機)。布を織る機械。「機織(はたお)り」(2)からくり・しかけ。「機械キカイ」(①しかけのある器具。からくり。②人力以外の動力による装置)「機関キカン」(①機械装置、②組織)「機関紙キカンシ」(政党や団体が発行する新聞や雑誌)(3)きざし。きっかけ。「機会キカイ」「好機コウキ」(4)心のはたらき。「機転キテン」「心機シンキ」(心のはたらき)「心機一転シンキイッテン」(心の動きががらりと変わること)「機微キビ=幾微」(表面から知りにくい心の動き。また微妙な事情)「人情の機微に触れる」
 キ・うえる  食部 jī
解字 「食(たべる)+幾(キ)」の形声。穀物が実らす食べ物がわずかなことを饑キといい、うえる意となる。[説文解字]は「穀コク不孰フジュクを饑キと為す。食に従い幾キの聲(声)」とする。
意味 (1)穀物が実らない。食物が不足する。「饑饉キキン」(=飢饉)(2)うえる(饑える)。「饑渇キカツ」(うえとかわき)
<紫色は常用漢字>

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音符「兼ケン」<あわせ持つ>と「嫌ケン」「謙ケン」「蒹ケン」「歉ケン」「鎌レン」「廉レン」「蠊レン」「簾レン」「賺タン」と「秉ヘイ」「棅ヘイ」

2024年12月17日 | 漢字の音符
  改訂しました。
 ケン・かねる    八部 jiān

解字 金文から旧字まで「二本の禾(いね)+手の形」の会意。二本の禾(いね)を手であわせ持つ形で、合わせ持つ意、現代字は上部がソに簡略化された兼ケンになった。
意味 (1)かねる(兼ねる)。二つ以上のものをあわせ持つ。「兼業ケンギョウ」(本業のほかに他の業務をあわせてすること)「兼業農家ノウカ」「兼備ケンビ」(二つ以上のことを兼ね備えること)「才色サイショク兼備」(2)かねて。あらかじめ。「兼日ケンジツ」(期日より以前の日)

イメージ  
 「あわせ持つ」
(兼・鎌・蒹・嫌・廉・蠊・簾・賺)
 「まとめて減らす」(謙・歉)
音の変化  ケン:兼・蒹・嫌・謙・歉   タン:賺  レン:鎌・廉・蠊・簾

あわせ持つ
 レン・かま  金部 lián
 鎌で刈った稲の束
解字 「金(金属)+兼(稲をあわせ持つ)」の会意形声。あわせ持った稲を刈る金属製のかま。
意味 かま(鎌)。草を刈る道具。「草刈り鎌かま」「鎌首かまくび」(鎌のように曲がった首。蛇が攻撃姿勢をとった様子をいう)「鎌利レンリ」(鎌のようにするどいこと)
 ケン  艸部 jiān
解字 「艸(くさ)+兼の旧字(ケン)」の形声。ケンという名の草。「蒹葭ケンカ」に用いられる。
意味 (1)「蒹葭ケンカ」とは、若いアシやヨシの総称。「詩経・秦風」の「蒹葭ケンカ」第一段に「蒹葭蒼蒼ソウソウ(あおあおとしている)。第二段に「蒹葭凄凄セイセイ」(繁茂する)。第三段に「蒹葭采采サイサイ」(多く盛んなさま)と蒹葭の茂るさまを描写する。(2)人名。「蒹葭堂ケンカドウ」(木村蒹葭堂。江戸中期の大阪の文化人。文人画家・本草学者・蔵書家・コレクター。蒹葭堂とは彼の書斎の名)
 ケン・ゲン・きらう・いや  女部 xián  
解字 「女(おんな)+兼(あわせ持つ)」の会意形声。男が正妻のほかにも妻をあわせもつこと。妻となる女同士は、きらう・にくむ意。
意味 (1)きらう(嫌う)。いやがる(嫌がる)。いや(嫌)。いやらしい(嫌らしい)。にくむ。「嫌悪ケンオ」(にくみきらう)「嫌気いやけ」「嫌厭ケンエン」(嫌も厭も、きらう意)「嫌煙権ケンエンケン」(2)うたがう。「嫌疑ケンギ」(3)おもわく。気分。「機嫌キゲン
 レン・やすい  广部 lián
解字 「广(片屋根のいえ)+兼(かねる)」の会意形声。家の中で一つのものをいろんな用途に兼ねて用い、贅沢をしないこと。また、家の東西・南北の方向が合わさる「かど」の意味もある。
意味 (1)いさぎよい。きよい。「清廉セイレン」(2)やすい(廉い)。値段が安い。「廉価レンカ」(3)つつましやか。(4)かど・すみ。「廉遇レングウ
 レン  虫部 lián
解字 「虫(むし)+廉の旧字(かど・すみ)」の会意形声。家のかどや、すみにいる虫。
意味 「蜚蠊ヒレン」に用いる字。蜚蠊とは、ごきぶりの仲間を表す字。
 レン・す・すだれ  竹部 lián
解字 「竹+广(いえ)+兼の旧字(合わせる)」の会意形声。「竹+兼(合わせる)」で竹を編んだ「す」、これを「广(いえ)」の周りや室内に、たらすのが「簾(す・すだれ)」である。

外掛け簾(「京すだれ」より)
意味 す(簾)。すだれ(簾)。竹などで編んだとばり。「簾中レンチュウ」(すだれの内側。高貴な家の婦人)、「御簾みす」(神前・宮殿などに用いるすだれ)、「暖簾のれん」(軒先や部屋の仕切りに垂らす布。もともとは暖房した部屋の暖かさを保つ簾(布)の意)
 タン・レン・すかす  貝部 zhuàn・zuàn
解字 「貝(貨幣)+兼の旧字(二つをまとめる)」 の会意形声。貨幣を用いて仕入れ、そして売ること。二つをかねた結果もうける意となる。この行為をあくどく行うと、すかす・だます意となる。
意味 (1)うる。もうける。「賺利タンリ」(もうけ)「賺銭タンセン」(お金をもうける) (2)すかす(賺す)。だます。だまして高くうる。あざむく。「賺詐タンサ」(だます)「賺得タントク」(だましとる)

まとめて減らす
 ケン・へりくだる  言部 qiān  
解字 「言(ことば)+兼(まとめて少なくする)」の会意形声。言葉を控え目にすること。
意味 へりくだる(謙る)。ひかえめにする。「謙虚ケンキョ」「謙譲ケンジョウ」(へりくだってゆずる)「謙遜ケンソン」(謙も遜もへりくだる意)
 ケン・あきたりない  欠部 qiàn
解字 「欠ケン(口をあける)+兼の旧字(まとめて少なくする)」の会意形声。食事の回数(口をあける)をまとめて少なくすること。食い足りない。飽き足りない。転じて、不作の意となる。欠ケンは、前に向かって口をひらいている人の側身形。
意味 (1)あきたりない(歉りない)。もの足りない。食い足りない。「歉然ケンゼン」(あきたりないさま)(2)不満に思う。「抱歉ホウケン」(残念に思う。中国では申し訳なく思う意)(3)穀物が実らない。不作。「歉歳ケンサイ」(穀物の不作の年)「歉収ケンシュウ」(不作。凶作)

   ヘイ <稲を手でもつ>
 ヘイ・ヒョウ・とる  禾部 bǐng

解字 一本の禾(いね)を手で持つ形で、とる・もつ意。
意味 (1)とる(秉る)。手にもつ。にぎる。「秉燭ヘイショク」(①燭ともしびを手に持つ。②燭を持つころ。夕方。宵。)(2)(手にもって)まもる。たもつ。「秉心ヘイシン」(正しい心をたもつ)「秉徳ヘイトク」(道徳をまもる)(3)手に握った権力。(=柄)「秉権ヘイケン」(権力をにぎる)(4)穀物の量をはかる単位。(5)姓のひとつ。「秉志ヘイシ」(1886~1965年、中国の動物学者)

イメージ 「とる・もつ」(秉・棅)
音の変化  ヘイ:秉・棅

とる・もつ
 ヘイ・え  木部 bǐng
解字 「木(き)+秉(とる・もつ)」の会意形声。器物についている持つための棒状の部分。
意味 え(棅)。取っ手。握る。掌握する。=柄。柄の異体字となっており、柄と同字。

<紫色は常用漢字>

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音符「賛サン」<たすける> と 「讃サン」「鑽サン」「纘サン」「攢サン」

2024年12月15日 | 漢字の音符
 増訂しました。
[贊] サン・たすける  貝部 zàn


 上は賛サン、下は先セン
解字 上の賛の篆文および旧字は贊で「貝(財貨)+兟シン」の会意。兟は先セン(進む足さき)を二つ並べ「そろって進む」意。下図の先の甲骨文字は人の上の横線に止(あし⇒ゆく)をのせた形で、人より先にゆく意。贊の先の字は篆文第二字で同じ形をしている。
 旧字の贊は、兟に貝(財貨)を加えて贊サンとなり、財貨を持ちそろって進み、相手にお目にかかって贈ること。転じて相手を、たすける・たたえる・ほめる意となる。新字体は旧字の兟⇒夫夫に変化した。夫に変わっても「夫(おとこ)二人が貝(財貨)を差し出してたすける」と解釈することができる。
意味 (1)たすける(賛ける)。力を添える。「賛助サンジョ」「協賛キョウサン」「賛画サンカク」(計画をたすける)(2)同意する。「賛成サンセイ」「賛同サンドウ」(3)ほめる(賛める)。たたえる(賛える)。「賛美サンビ=讃美)」(ほめたたえる)「賛辞サンジ」(ほめことば)

イメージ 
 「たすける」
(賛・纘)
 意味(3)の「たたえる」(讃)
 「形声字」(攢・鑽)
 音の変化  サン:賛・讃・纘・攢・鑽

たすける
 サン・つぐ  糸部 zuǎn
解字 「糸(いと・つながる)+贊(賛の旧字。たすける)」の形声。贊助(賛助)をえて、仕事や事業などを受け継ぐことを纘サンという。[説文解字]は「繼(つ)ぐ也(なり)。糸に従い贊サンの聲(声)」とする。
意味 (1)つぐ(纘ぐ)。つづく。うけつぐ。「纘業サンギョウ」(前人の業をつぐ)「纘継サンケイ」(受け継ぐ)(2)あつめる・よせあつめる。(=攢)「纘述サンジュツ」(あつめのべる)

たたえる
讃[讚] サン・ほめる・たたえる  言部 zàn
解字 旧字は讚で「言(ことば)+贊(たたえる)」の会意形声。言葉で相手をたたえること。人名用漢字であり新字体に準じ、賛を用いた讃が通用する。また、現代表記では賛に置き換えるものが多い。
意味 (1)ほめる(讃める)。たたえる(讃える)。「讃美サンビ=賛美」「賞讃ショウサン=賞賛」「画讃ガサン=画賛」(絵などに書き添える詩や文)(2)仏の功徳をほめたたえる言葉。「和讃ワサン」(和語で讃える)「梵讃ボンサン」(梵語で讃える。仏教の声明ショウミョウのひとつ)(3)地名。「讃岐さぬき」(香川県の旧国名=讃州サンシュウ

形声字
鑽(鑚) サン・きり・きる  金部 zuān・zuàn
解字 「金(金属)+贊(サン)」の形声。物をうがつ金属性の道具を鑽サンという。先へ進んで穴をあける金属の工具。後漢の[説文解字]は「以って穿(うが)つ所也(なり)。金に従い贊サンの聲(声)」とする。鑚は新字体に準じた異体字。
意味 (1)きり()。錐スイとも書く。物に穴をあける工具。「鑽灼サンシャク」(鑽はうがつ、灼は焼く。穴をうがって焼くこと。占いのため亀甲に穴をうがって焼くこと)(2)きる(る)。きりもみする。ほる。うがつ。本来は金属のキリだが、木製のキリで火を起こす意で用いられる。「鑽火(きりび)」(きりもみした熱で起こす火。ヒノキなどの板に木の棒をもみこんで火を起こす)「鑽火の神事」(神社で鑽火で火を起こす。神に供える食べ物の煮炊きのほか、各神前の燈火などの火種として用いられる)「御火鑽具みひきりぐ」(鑽火を起こす道具)(3)物事を深くきわめる。「研鑽ケンサン」(研究。学問など深くきわめる)
鑽火神事(角館總鎭守 神明社)2分30秒


御火鑽具(みひきりぐ(「伊勢宮徳」のHPより)
 サン・あつめる  扌部 zǎn・cuán・zàn・zuān
解字 「扌(て)+贊(サン)」の形声。サンは纂サン(あつめる。あつめてまとめる)に通じ、扌(て)であつめる。あつまる意。
意味 (1)あつまる(攢まる)。あつめる。まとまる。むらがる。「攢聚サンシュウ」(むらがりあつまる)「攢峰サンホウ」(重なりつづく峰)「攢立サンリツ」(むらがり立つ)「攢眉サンビ」(眉がまとまる⇒まゆをひそめる)「攢蹙サンシュク」(①むらがりあつまる。②ちぢんで一所にあつまる)「攢攢サンサン」(むらがるさま)
 <紫色は常用漢字>

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音符「盍コウ」<おおう> と 「闔コウ」「瞌コウ」「溘コウ」「蓋ガイ」

2024年12月13日 | 漢字の音符
 増訂しました。
 コウ・なんぞ  皿部 hé

解字 篆文は、もの(一印)が入っている皿(うつわ)に大の字型のふたをした形。現代字は「去+皿」の形に変化している。去キョは去る意味でなく皿をおおうフタの象形といえる。おおう・ふたをする意味を表わす。しかし、おおう・ふたの意味は草かんむりをつけた蓋ガイが受け持つので、疑問詞・反語に用いる。
意味 (1)おおう。ふたをする。(=蓋)(2)疑問詞・反語に用いる。なんぞ(盍ぞ)。なんぞ(盍ぞ)~ざる。「盍ガイシュツジュウ」「盍(なん)ぞ出(いで)て従(したが)わ不(ざ)る乎(か)」(どうして出て行って従わないのか)

イメージ 
 「おおう」
(盍・蓋・闔・瞌・溘)
音の変化  コウ:盍・闔・瞌・溘  ガイ:蓋

おおう
 ガイ・コウ・ふた・おおう・けだし  艸部 gài・gě・hé・hài
解字 「艸(くさ)+盍(おおう)」の会意形声。草などを編んで作ったおおいをいう。盍コウが「なんぞ」の意味に使われたので、ふた・おおう意として用いる。
覚え方 くさ()を、さ()り、さら()のうえに(ふた)をする。
意味 (1)おおう(蓋う)。かぶせる。「頭蓋骨ズガイコツ」「蓋世ガイセイ」(世の中をおおいつくす)(2)ふた(蓋)。「火蓋ひぶた」(火縄銃の火口をおおう蓋)「火蓋を切る」(戦闘行動を開始する)(3)かさ。笠。「天蓋テンガイ」(①仏像などの上にかざす笠状の装飾、②虚無僧の用いる藺草製の深編笠)(4)(助字の用法)けだし(蓋し)。たぶん。思うに。「蓋然性ガイゼンセイ」(何かが起こる確実性の度合い)
原義(草を編んだおおい)を残す虚無僧笠の「天蓋」

イグサを編んでつくる虚無僧笠の天蓋(「竹虎・虚無僧笠」より)

仏像などの上に飾る天蓋テンガイ(「仏壇店のHP」から)
 コウ・とびら・とじる  門部 hé
解字 「門(もん)+盍(おおう)」の会意形声。門をおおうとびらを云う。

コウ(阖)は門をおおう左右の闔(とびら)(中国ネットから。上の字は開、下の字は枢)
意味 とびら()。門のとびら。とじる(じる)。「コウモン」(門をとじる)「コウキョウ」(国境をとじた内側。全国)「闔郡コウグン」(郡内全部)「コウユウ」(村内の全部。村じゅう)「開カイコウ」(=開閉)
 コウ  目部 kē
解字 「目(め)+盍(おおう)」の会意形声。目をまぶたがおおうこと。
意味 眠気がする。居眠りする。「瞌然コウゼン」(眠そうな様子)「瞌睡コウスイ」(居眠りする)
 コウ・たちまち  氵部 kè
解字 「氵(みず)+盍(おおう)」の会意形声。水があふれて、にわかに辺りをおおうこと。たちまち・にわかにの意を表す。
意味 (1)たちまち(溘ち)。にわか(溘か)。「溘死コウシ」(にわかに死ぬ)「溘然コウゼン」(にわかなさま)「溘焉コウエン」(にわかなさま)(2)水の流れるさまの形容。「溘溘コウコウ」(水がにわかに流れるさま)
<紫色は常用漢字>

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音符「匡キョウ」<ただす> と「框キョウ」「眶キョウ」「筐キョウ」

2024年12月11日 | 漢字の音符
  増訂しました。
 キョウ・コウ・ただす  匚部 kuāng


 上は匡キョウ、下は狂キョウ
解字 上の匡キョウの金文は「竹や籐トウなどで編んだかご(右に開いた形)+「止(あし)+王(キョウ)」の形声字。「止(あし)+王(キョウ)」は下の狂キョウの甲骨文の左辺が本来のかたち。止(あるく)が意符で王オウ⇒キョウを声符(音符)とした形声で意味は、犬(犭)がぶらぶらとゆく意(噛みつく犬なので後に狂犬の意になった)。しかし、匡キョウの金文は左辺のかごの発音・キョウを表している。(金文以降の変化も狂の変化と一致している)
 金文の意味は、①器の名、②人名(器の持ち主か)となっている[簡明金文詞典]。篆文の[説文解字]は「飯器(めしびつ)、筥キョ(竹製のまるいかご)也(なり)」としている。「匚+王=匡」に簡略化された楷書はキョウという発音の匡(うつわ)が原義である。
 一方、器の形状が四角いことから、漢代初期の[爾雅ジガ]は「匡は方(正方形)也」とし、543年の[玉篇]は「方正ホウセイ也(きちんとして正しい)」としており、転じて「正しくする」意味が生じた。また、相手を正しくさせて救う意味ともなる。
意味 (1)ただす(匡す)。正しくする。「匡正キョウセイ」(ただすこと。なおすこと)「匡諫キョウカン」(悪い点を匡(ただ)し諌(いさ)める)(2)すくう。たすける。「匡困キョウコン」(貧困者を救う)「匡復キョウフク」(たすけて復興させる)(3)<原義> かご。はこ。ひつ。めしびつ。

イメージ
 「ただしくする(転義)」
(匡・框・眶)
  本来の意味である「かご」(筐)
音の変化  キョウ:匡・框・眶・筐

ただしくする
 キョウ・かまち  木部 kuàng
解字 「木(き)+匡(ただしくする)」の会意形声。ドアや窓などが歪(ゆが)もうとするのを、正しく保つため外側に取り付けてある木の枠をいう。また、柱の下部となる玄関の上り口や床の間の下部に渡す横木をいう。

ドアの框(「框(かまち)とは?」より)玄関の框(かまち)(「かまち組とは」より)
意味 かまち(框)。(1)戸・窓・障子などの周囲の枠。「框戸かまちど」(木の枠組みがある戸)「窓框まどがまち」(窓などの周囲の枠)(2)玄関や床の間など、高くなった床端に取りつける水平材。「床框とこがまち」(床の間の前端の化粧横木)「上がり框かまち」(玄関の上り口の框)「縁框えんがまち」(縁側の外側にとりつけて縁の端をかくす横木)
 キョウ・まぶち  目部 kuàng
解字 「目(め)+匡(=框。周囲の枠)」の会意形声。目の枠すなわち、まぶち(目の周囲)をいう。
意味 まぶち(眶)。目のふち。目縁(まぶち)。「眼眶ガンキョウ」(まぶち)「眶(まぶち)は涙をたたえていた」「盈眶エイキョウ」(まぶちにあふれる)「熱涙盈眶ネツルイエイキョウ」(熱い涙がまぶちにあふれる)

かご
 キョウ・かご・かたみ・はこ  竹部 kuāng
解字 「竹(たけ)+匡(かご)」の会意形声。匡は、もともと竹などで編んだかごの意。匡キョウが、ただす意となったので、竹をつけて竹かごを表す。主に四角いかごをいう。日本では竹籠と書くが、中国では原義をたもち、筐と表示する。


上は中国の竹製筐(かご)、下は籐の筐(かご)(中国のネットから)
意味 (1)かご(筐)。竹や籐で編んだかご。四角いかご。大きな筐には食料・書物・衣服などを入れる。「筐筥キョウキョ」(筐は四角いかご、筥はまるいかご)「筐底キョウテイ」(はこの底、はこの中)「筐笥キョウシ」(筐も笥も四角いはこの意)(2)かたみ(筐)。目のこまかい竹かご。(3)はこ(筐)。「筐体キョウタイ」とは、パソコンやゲーム機など、ハードウェアを構成する部品をまとめて収納するケース)

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