竇トウを追加しました。
続[續] ゾク・ショク・つづく・つづける 糸部
解字 続の右辺の売ショク・トク・イクは<参考>で解字しているように、篆文で「坴リクの上部(つづく)+囧ケイ(窓)+貝(財貨)」の会意。坴の上部は、(家々が)「つづく」意となる。(音符「坴リク」を参照)。これに、「囧(窓)+貝(貨幣)」がついた売は、窓をとおして貨幣と物のやりとりがつづくこと。これに糸へんがついた続は、とぎれずに糸がつづく意となる。なお、旧字は、坴の上部⇒士、囧(窓)⇒四に変化した續になった。そして、新字体の音符となるとき売に置きかえて、続となっている。売ショク・トク・イクは、単独で使われることはないが、売買の「売バイ」と同じ形である。しかし、もとの字が異なり、同体異義の字である。(下欄の「売バイ」を参照)
意味 つづく(続く)。つづける(続ける)。つながる。「連続レンゾク」「続出ゾクシュツ」「継続ケイゾク」「持続ジゾク」
イメージ 貨幣と物のやりとりが続く意から、「やりとりがつづく」「金品で物とかえる」イメージがある。
「やりとりがつづく」(続・瀆・黷・読・牘・覿・竇)
「金品で物とかえる」(贖・犢)
音の変化 ショク:贖 ゾク:続 テキ:覿 トウ:竇 トク:瀆・黷・牘・犢 ドク:読
(やりとりが)つづく
瀆(涜) トク・みぞ・けがす 氵部
解字 「氵(水)+續の右辺(つづく)」の会意形声。水が続く意で水路をいう。また、黷トク(けがす)に通じ、けがす意となる。
意味 (1)みぞ(瀆)。どぶ。耕地に用水をとおす水路。 (2)けがす(瀆す)。けがれる。「冒瀆ボウトク」(神聖なものを、おかしてけがす)「瀆職トクショク」(職をけがす。公務員が賄賂などをもらうこと)
黷 トク・ドク 黒部
解字 「黒の旧字(くろい)+瀆の略体(みぞ)」の会意形声。みぞが黒く汚れること。
意味 けがす(黷す)。けがれる(黷れる)。不正をする。「冒黷ボウトク」(=冒瀆)
読 ドク・トク・トウ・よむ 言部
解字 旧字は讀で、「言(言葉)+續の右辺(つづく)」の会意形声。言葉がつづくこと。声を出して読む意となる。新字体は右辺⇒売に変化した読になる。
意味 (1)よむ(読む)。「読書ドクショ」「読者ドクシャ」 (2)声を出して読む。「朗読ロウドク」 (3)意味をよみとる。「解読カイドク」(読み解く)「黙読モクドク」 (4)文章の区切り。「句読点クトウテン」(文中の切れ目に打つ点)
牘 トク・ふだ 片部
解字 「片(いたきれ)+讀の右辺(よむ)」の会意形声。読む文書が書かれた板片をいう。
意味 ふだ(牘)。文字が書かれた木の札。また、文書。「簡牘カントク」(竹簡や木簡にかかれた文書)「尺牘セキトク」(一尺四方の木札に書かれた文書。書状・文書)
覿 テキ 見部
解字 「見(みる)+𧶠(やりとりがつづく)」の会意形声。やりとりがつづく場に姿を現し、見ること。この字のイメージとして高位の者(天子など)がやりとりの現場に姿を現し、その場の人々に会う・まみえる意が強い。
意味 (1)みる。あう。まみえる。「覿見テキケン」(面謁する)「覿面テキメン」(①まのあたり。目のまえ。②結果・効果などがすぐ現れる)「天罰覿面テンバツテキメン」(天罰が即座に下る。悪意の報いは直ちにわが身にはね返る) (2)しめす。「覿武テキブ」(武を示す)「覿刑テキケイ」(刑を示す)
竇 トウ・トク・あな・あなぐら 穴部
解字 「穴(よこあな・あな)+𧶠(やりとりがつづく⇒出入りがつづく)」の会意形声。出入りする穴のようなくぐり戸。また、円形または方形の穴蔵をいう。
意味 (1)くぐり戸。「閨竇ケイトウ」(小さなくぐり戸)「篳門閨竇ヒツモンケイトウ」(粗末な竹の門とくぐり戸。貧しい家のこと) (2)あな(竇)。あなぐら。物を出し入れする穴蔵。「竇窖トウコウ」(あなぐら) (3)姓のひとつ。「竇后トウコウ」(後漢の桓帝の皇后)
金品で物とかえる
贖 ショク・あがなう 貝部
解字 「貝(財貨)+𧶠(金品で物とかえる)」の会意形声。𧶠は金品で物とかえる意。これにさらに貝をつけ、金品で通常の物の他、身のけがれや罪まで買い取る意となる。したがって、この字には貝が二つある。
意味 (1)あがなう(贖う)。罪をつぐなう。罪を免れるため金品を出す。「贖物あがもの」(身のけがれや災難を代わりに負わせて水に流す祓えの道具)「贖罪ショクザイ」(①刑に服する代わりに、金品を出して罪を許されること。②キリストが十字架にかかり人々の罪をあがなったこと)「贖刑ショクケイ」(金銭を出して刑罰をのがれる)(2)買い求める。お金で物を求める。
犢 トク・こうし 牛部
解字 「牛(うし)+𧶠(金品で物とかえる)」の会意形声。牛を金品で買うこと。牛を育てるため子牛を買う意味で、子牛の意となる。
意味 こうし(犢)。「犢角トクカク」(子牛のつの)「犢車トクシャ」(子牛にひかせる車。牛車)「舐犢シトク」(親牛が子牛をなめる)
<参考>
売[賣] バイ・うる・うれる 士部
解字 篆文は、「出(でる)+買(かう)」の会意形声。買ったものを出す、すなわち売ること。旧字で「士+買」に変化し、さらに新字体で「売」に変わった。
意味 うる(売る)。あきなう。ひろめる。「売却バイキャク」「商売ショウバイ」「売名バイメイ」
音符「貝バイ」へ
<紫色は常用漢字>
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続[續] ゾク・ショク・つづく・つづける 糸部
解字 続の右辺の売ショク・トク・イクは<参考>で解字しているように、篆文で「坴リクの上部(つづく)+囧ケイ(窓)+貝(財貨)」の会意。坴の上部は、(家々が)「つづく」意となる。(音符「坴リク」を参照)。これに、「囧(窓)+貝(貨幣)」がついた売は、窓をとおして貨幣と物のやりとりがつづくこと。これに糸へんがついた続は、とぎれずに糸がつづく意となる。なお、旧字は、坴の上部⇒士、囧(窓)⇒四に変化した續になった。そして、新字体の音符となるとき売に置きかえて、続となっている。売ショク・トク・イクは、単独で使われることはないが、売買の「売バイ」と同じ形である。しかし、もとの字が異なり、同体異義の字である。(下欄の「売バイ」を参照)
意味 つづく(続く)。つづける(続ける)。つながる。「連続レンゾク」「続出ゾクシュツ」「継続ケイゾク」「持続ジゾク」
イメージ 貨幣と物のやりとりが続く意から、「やりとりがつづく」「金品で物とかえる」イメージがある。
「やりとりがつづく」(続・瀆・黷・読・牘・覿・竇)
「金品で物とかえる」(贖・犢)
音の変化 ショク:贖 ゾク:続 テキ:覿 トウ:竇 トク:瀆・黷・牘・犢 ドク:読
(やりとりが)つづく
瀆(涜) トク・みぞ・けがす 氵部
解字 「氵(水)+續の右辺(つづく)」の会意形声。水が続く意で水路をいう。また、黷トク(けがす)に通じ、けがす意となる。
意味 (1)みぞ(瀆)。どぶ。耕地に用水をとおす水路。 (2)けがす(瀆す)。けがれる。「冒瀆ボウトク」(神聖なものを、おかしてけがす)「瀆職トクショク」(職をけがす。公務員が賄賂などをもらうこと)
黷 トク・ドク 黒部
解字 「黒の旧字(くろい)+瀆の略体(みぞ)」の会意形声。みぞが黒く汚れること。
意味 けがす(黷す)。けがれる(黷れる)。不正をする。「冒黷ボウトク」(=冒瀆)
読 ドク・トク・トウ・よむ 言部
解字 旧字は讀で、「言(言葉)+續の右辺(つづく)」の会意形声。言葉がつづくこと。声を出して読む意となる。新字体は右辺⇒売に変化した読になる。
意味 (1)よむ(読む)。「読書ドクショ」「読者ドクシャ」 (2)声を出して読む。「朗読ロウドク」 (3)意味をよみとる。「解読カイドク」(読み解く)「黙読モクドク」 (4)文章の区切り。「句読点クトウテン」(文中の切れ目に打つ点)
牘 トク・ふだ 片部
解字 「片(いたきれ)+讀の右辺(よむ)」の会意形声。読む文書が書かれた板片をいう。
意味 ふだ(牘)。文字が書かれた木の札。また、文書。「簡牘カントク」(竹簡や木簡にかかれた文書)「尺牘セキトク」(一尺四方の木札に書かれた文書。書状・文書)
覿 テキ 見部
解字 「見(みる)+𧶠(やりとりがつづく)」の会意形声。やりとりがつづく場に姿を現し、見ること。この字のイメージとして高位の者(天子など)がやりとりの現場に姿を現し、その場の人々に会う・まみえる意が強い。
意味 (1)みる。あう。まみえる。「覿見テキケン」(面謁する)「覿面テキメン」(①まのあたり。目のまえ。②結果・効果などがすぐ現れる)「天罰覿面テンバツテキメン」(天罰が即座に下る。悪意の報いは直ちにわが身にはね返る) (2)しめす。「覿武テキブ」(武を示す)「覿刑テキケイ」(刑を示す)
竇 トウ・トク・あな・あなぐら 穴部
解字 「穴(よこあな・あな)+𧶠(やりとりがつづく⇒出入りがつづく)」の会意形声。出入りする穴のようなくぐり戸。また、円形または方形の穴蔵をいう。
意味 (1)くぐり戸。「閨竇ケイトウ」(小さなくぐり戸)「篳門閨竇ヒツモンケイトウ」(粗末な竹の門とくぐり戸。貧しい家のこと) (2)あな(竇)。あなぐら。物を出し入れする穴蔵。「竇窖トウコウ」(あなぐら) (3)姓のひとつ。「竇后トウコウ」(後漢の桓帝の皇后)
金品で物とかえる
贖 ショク・あがなう 貝部
解字 「貝(財貨)+𧶠(金品で物とかえる)」の会意形声。𧶠は金品で物とかえる意。これにさらに貝をつけ、金品で通常の物の他、身のけがれや罪まで買い取る意となる。したがって、この字には貝が二つある。
意味 (1)あがなう(贖う)。罪をつぐなう。罪を免れるため金品を出す。「贖物あがもの」(身のけがれや災難を代わりに負わせて水に流す祓えの道具)「贖罪ショクザイ」(①刑に服する代わりに、金品を出して罪を許されること。②キリストが十字架にかかり人々の罪をあがなったこと)「贖刑ショクケイ」(金銭を出して刑罰をのがれる)(2)買い求める。お金で物を求める。
犢 トク・こうし 牛部
解字 「牛(うし)+𧶠(金品で物とかえる)」の会意形声。牛を金品で買うこと。牛を育てるため子牛を買う意味で、子牛の意となる。
意味 こうし(犢)。「犢角トクカク」(子牛のつの)「犢車トクシャ」(子牛にひかせる車。牛車)「舐犢シトク」(親牛が子牛をなめる)
<参考>
売[賣] バイ・うる・うれる 士部
解字 篆文は、「出(でる)+買(かう)」の会意形声。買ったものを出す、すなわち売ること。旧字で「士+買」に変化し、さらに新字体で「売」に変わった。
意味 うる(売る)。あきなう。ひろめる。「売却バイキャク」「商売ショウバイ」「売名バイメイ」
音符「貝バイ」へ
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