於オは字形の変遷は、たどれるが原義は不明の字。しかし、意味は仮借カシャ(当て字)なので、その音符字は形声字と解釈すると、なんとか解ける。
於 オ・ウ・おいて・おける 方部
解字 金文は、隹(とり)と人が描かれている。篆文第一字は、隹がくずれた形となり、人の下に二がついた形。第二字(六書通)は、くずれた隹⇒方に変化した於になった。字形の変遷は辿れるが意味は不明。仮借カシャ(当て字)されて、関係を表す助字、感嘆詞、接頭語として使われる。
意味 (1)おいて(於いて)。おける(於ける)。時間や場所を表す。(2)ああ。嘆息・感嘆の声。「於乎ああ」(3)接頭語として。「於転婆おてんば」(若い娘が活発に行動すること)
イメージ
「仮借カシャ」(於)
「形声字」(閼・唹・淤)
「会意」(鯲)
音の変化 ア・アツ:閼 オ:於・唹・淤 どじょう:鯲
形声字
閼 ア・アツ・エン・ふさぐ 門部
解字 「門(もん)+於(オ⇒アツ・エン)」の形声。アツ・エンという名の門。アツは遏アツ・とどめるに通じ、門でとどめる・ふさぐ意。また、匈奴王の正妻の称号を表す。アの発音は慣用音。
意味 (1)ふさぐ(閼ぐ)。ふさがる。「抑閼ヨクアツ」 (2)梵語の音訳字。「閼伽アカ」とは、arghyaアルギャの音訳で、仏にそなえる水の意。また、その容器。「閼伽水アカみず」(仏前に供える水)「閼伽井アカい」(仏前に供える水を汲む井戸)
王昭君(匈奴王の閼氏エンシ(后妃)となった。中国の絵本の表紙より)
(3)北方の遊牧民族・匈奴キョウドの単于 (ぜんう・君主)の后妃の称号。「閼氏エンシ」(匈奴の単于の后妃の称号。匈奴部族中の特定の数氏族から選ばれた)「王昭君おうしょうくん」とは、前漢の元帝の時代、宮女の中から選ばれ匈奴の呼韓邪こかんや単于の妻となり、寧胡ねいこ閼氏えんしと号した)
唹 オ・ヨ 口部
解字 「口(くち)+於(オ・ヨ)」の形声。口から出すオ・ヨの声で、わらう意味になる。
意味 わらう(唹う)。わらい声。
淤 オ・ヨ・どろ 氵部
解字 「氵(みず)+於(オ)」の形声。[説文解字]は「濁泥なり。於声」とし、オという名の泥とする。意味は、どろ・にごる・ふさがる意となる。
意味 (1)どろ(淤)。水の底にたまったどろ。「淤泥オデイ」「淤閼オアツ」(どろでふさがる)「淤澱オチン」(どろが沈んでかたまる) (2)ふさぐ。ふさがる。「淤塞オソク」(ふさがる)
会意字
鯲 <国字> どじょう 魚部
解字 「魚(さかな)+於(淤の略体。どろ)」の会意。淤(どろ)の中にすむ魚。
意味 (1)どじょう(鯲 )。ドジョウ科の淡水魚。鰌シュウ、鰍シュウとも書く。 (2)地名。「鯲沼町どじょうぬまちょう」(秋田市)「鯲池どじょういけ」(愛知県一宮市)
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
於 オ・ウ・おいて・おける 方部
解字 金文は、隹(とり)と人が描かれている。篆文第一字は、隹がくずれた形となり、人の下に二がついた形。第二字(六書通)は、くずれた隹⇒方に変化した於になった。字形の変遷は辿れるが意味は不明。仮借カシャ(当て字)されて、関係を表す助字、感嘆詞、接頭語として使われる。
意味 (1)おいて(於いて)。おける(於ける)。時間や場所を表す。(2)ああ。嘆息・感嘆の声。「於乎ああ」(3)接頭語として。「於転婆おてんば」(若い娘が活発に行動すること)
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「仮借カシャ」(於)
「形声字」(閼・唹・淤)
「会意」(鯲)
音の変化 ア・アツ:閼 オ:於・唹・淤 どじょう:鯲
形声字
閼 ア・アツ・エン・ふさぐ 門部
解字 「門(もん)+於(オ⇒アツ・エン)」の形声。アツ・エンという名の門。アツは遏アツ・とどめるに通じ、門でとどめる・ふさぐ意。また、匈奴王の正妻の称号を表す。アの発音は慣用音。
意味 (1)ふさぐ(閼ぐ)。ふさがる。「抑閼ヨクアツ」 (2)梵語の音訳字。「閼伽アカ」とは、arghyaアルギャの音訳で、仏にそなえる水の意。また、その容器。「閼伽水アカみず」(仏前に供える水)「閼伽井アカい」(仏前に供える水を汲む井戸)
王昭君(匈奴王の閼氏エンシ(后妃)となった。中国の絵本の表紙より)
(3)北方の遊牧民族・匈奴キョウドの単于 (ぜんう・君主)の后妃の称号。「閼氏エンシ」(匈奴の単于の后妃の称号。匈奴部族中の特定の数氏族から選ばれた)「王昭君おうしょうくん」とは、前漢の元帝の時代、宮女の中から選ばれ匈奴の呼韓邪こかんや単于の妻となり、寧胡ねいこ閼氏えんしと号した)
唹 オ・ヨ 口部
解字 「口(くち)+於(オ・ヨ)」の形声。口から出すオ・ヨの声で、わらう意味になる。
意味 わらう(唹う)。わらい声。
淤 オ・ヨ・どろ 氵部
解字 「氵(みず)+於(オ)」の形声。[説文解字]は「濁泥なり。於声」とし、オという名の泥とする。意味は、どろ・にごる・ふさがる意となる。
意味 (1)どろ(淤)。水の底にたまったどろ。「淤泥オデイ」「淤閼オアツ」(どろでふさがる)「淤澱オチン」(どろが沈んでかたまる) (2)ふさぐ。ふさがる。「淤塞オソク」(ふさがる)
会意字
鯲 <国字> どじょう 魚部
解字 「魚(さかな)+於(淤の略体。どろ)」の会意。淤(どろ)の中にすむ魚。
意味 (1)どじょう(鯲 )。ドジョウ科の淡水魚。鰌シュウ、鰍シュウとも書く。 (2)地名。「鯲沼町どじょうぬまちょう」(秋田市)「鯲池どじょういけ」(愛知県一宮市)
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