漢字の音符

漢字の字形には発音を表す部分が含まれています。それが漢字音符です。漢字音符および漢字に関する本を取り上げます。

特殊化した部首 「刀かたな」 と 「刂りっとう」

2018年08月30日 | 特殊化した部首
 刂の名称である「りっとう」とは立刀リットウの意味で、刀が立つこと。刀が立つとなぜ「刂」になるのだろうか。

まず、「刂りっとう」の元の形である「刀トウ」を見てゆこう。
 トウ・かたな  刀部             

解字 刃の反った片刃のかたなを描いた象形。甲骨文字の上部が反った刀身で、下部の二股になったところが手にもつ柄を表わす。篆文で上部の刃が短くなり、隷書レイショ(漢代の役人が主に用いた字)で、刃先の部分がほとんどなくなり現代字は刀になった。「かたな」の意味で音符ともなる。
意味 (1)かたな(刀)。刃がそった刀やナイフの総称。両刃でまっすぐな刀を剣という。「刀剣トウケン」「刀工トウコウ」「太刀たち」 (2)刀の形をした中国古代の貨幣「刀銭トウセン
甲骨文字の刀は、なぜ二股になっている方が柄なのか?

中国の古代刀は鍔(つば)の部分が伸びて柄の手を保護するようになっているものがあり、甲骨文字の刀はこのような鍔を描いているのかもしれない。[古代刀の検索サイトから]
部首としての刀 刀は部首「刀かたな」になる。漢字の右辺(旁つくり)や下部について刃物や、刃物を使う意を表す。
常用漢字  6字
 トウ(部首) 
 ジン・は(㇏+刀の会意)
 ブン(八+刀の会意)
 ショ(衤ころも+刀の会意)
 ケン(刀をふくむ会意)
 セツ(刀+音符「七シチ」)

     「刂りっとう(立刀)」の成立
「制セイ」の字にみる立刀の変化

     下が各字体における制セイの変化、上がそこから刀を抜きだしたもの
セイは篆文で「未+刀」、未(木の枝葉)を刀で切りそろえる形。篆文で刀は元のかたちが使われているが、隷書レイショ(漢代の役人が主に使用した文字)の第1字は刀が90度回転し、ヒが反転したかたちとなり、第2字では反転したヒの横線が分離を始め、現代の楷書にいたり、分離した横線および残りの部分とも、タテの線に変化した。
部首「刂りっとう」は、刀が右辺(旁つくり)に置かれたとき変化した形。常用漢字では26字、約14,600字を収録する『新漢語林』では94字が収録されている。
常用漢字 26字
 ガイ・かる( 刂+音符「乂ガイ」)
 カツ・わる(刂+音符「害ガイ」)
 カン・けずる(刂+音符「干カン」)
 ケイ・しおき(刂+音符「开ケイ」)
 ゲキ・はげしい(刂+音符「豦キョ」)
 ケン・つるぎ(刂+音符「㑒ケン」)
 ゴウ・つよし(刂+音符「岡コウ」)
 コク・きざむ(刂+音符「亥ガイ」)
 ザイ(刂+音符「斉サイ」)
 サク・けずる(刂+音符「肖ショウ」)
 サツ・はく(刂+「尸+巾」の会意)
 サツ(刂+音符「殺の略」)
 シ・さす(刂+音符「朿シ」)
 ジョウ・あまる(刂+音符「乗ジョウ」)
 セイ・おさえる(刂+「未の変化形」の会意)
 ゼン・まえ(刂をふくむ会意)
 ソウ・つくる(刂+音符「倉ソウ」)
 ソク・のり(刂+貝の会意)
 トウ・いたる(刂「部首・音符」+至)
 ハク・はぐ(刂+音符「彔ロク」)
 ハン・(刂+音符「半ハン」)
 フク・そう(刂+音符「畐フク」)
 ベツ・わかれる(刂を含む会意)
 ボウ・さく(刂+音符「咅バイ」)
 (刂+禾の会意)
 レツ・つらなる(刂+歹の会意)


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特殊化した部首 「氵さんずい」 と 「冫にすい」

2018年08月16日 | 特殊化した部首

 氵さんずい」と「冫にすい」は、いずれも水に関する部首である。「氵さんずい」は水そのもの、「冫にすい」は水が凍ったさまを表している。

           スイ <みずの流れ>
 スイ・みず  水部

解字 水の流れる形の象形で、みずの意を表わす。水は部首となり、偏になるときは「 氵」の形をとる。また、「みず」の意で会意文字となる。
意味 (1)みず(水)。「流水リュウスイ」 (2)五行のひとつ。「水曜スイヨウ」「水星スイセイ」 (3)[国]みず(水)。邪魔。さそい。「水をさす」「水をむける」

     河にみる 氵の変化

篆文は水のかたちをそのまま書いている、隷書(漢代の役人が主に用いた字体)でいきなり横線3本になった。これは篆文の水の上半分を横にしたのであろう。この変化が今の 氵に続いている。
参考 部首としての「氵さんずい」。氵は漢字の左辺(偏)について川や水の意を表す。常用漢字で111字あり第1位。約14,600字を収録する『新漢語林』では687字が収録されている。


          冫[仌] ヒョウ <水が凍ったかたち>
冫[仌] ヒョウ  冫部にすい

解字 金文は𠆢を二つ重ねたかたち。篆文は𠆢の上から線がのびた形がふたつ。これらは水が凍っている形とされる。のち、仌となり、これが変形して冫となった。氷を意味するが、単独で用いられることなく、氷や冷たい意を中心に部首「冫にすい」として用いられる。
意味 こおり
参考 部首としての「冫にすい」。冫は漢字の左辺(偏)や下部に付いて、氷・冷たい・寒いなどの意を表す。常用漢字で6字、約14,600字を収録する『新漢語林』では48字が収録されている。主な字は以下のとおり
  冶(冫+音符「台タイ」)・冷レイ(冫+音符「令レイ」)・凄セイ(冫+音符「妻サイ」)・
 凍トウ(冫+音符「東トウ」)・凝ギョウ(冫+音符「疑ギ」)・凋チョウ(冫+音符「周シュウ」)・
 冰ヒョウ(水+音符「冫ヒョウ」)・准ジュン(準の略字)・冬トウ(夂+冫の会意)など。

     ヒョウ(氷の正字)にみる冫の変遷

金文の冰は「水+二点(𠆢の略体ふたつ)」で、水の上に氷がふたつ浮いているかたち。篆文は「水+こおり(𠆢の上に線がのびた形がふたつ)」となり、隷書でこおりが横の二線に変化し、楷書で冫になった。(なお、日本では冰⇒氷に変化した字体を使用している。)
 こうした冫の変遷をみると、金文の氷(𠆢ふたつ)の略体である二つの点が、現在の冫の原点になっていると言えよう。



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日本漢字の筆画一覧表の提案・石沢誠司

2018年08月13日 | 漢字の音符
はじめに
 私は昨年(2017年)11月、このブログで『漢字の筆画(ストローク)の重要性』(石沢誠司)と題し、キルギス共和国のガリーナ・ヴォロビヨワさん(以下、「ガリーナさん」と表記)の漢字の筆画に対する研究と実践を紹介させていただくとともに、日本人がこれまで筆画についてほとんどその重要性を理解していなかったことを指摘した。
 また、ガリーナさんの採用している24種類の筆画について、日本人として追加してほしい筆画があることに言及し、将来的に日本人が使う漢字の筆画一覧表をまとめてみたい、という希望を付け加えた。その後、すべての常用漢字を調査した結果、ほぼ30種類の筆画にまとめたが、さらに絞り込んで最終的に28種類の筆画を確定した。今回、この一覧表を紹介して皆さんの批判を仰ぎたいと思う。

ガリーナさんの研究と実践
 まず、ガリーナさんの研究と実践について簡単にまとめさせていただく。(詳しくは「漢字の筆画(ストローク)の重要性」を参照してください)。ガリーナさんは漢字を習得する過程で、「日本人の子供は生まれてから周りの漢字を見て、それを学習すべきだ、学習しないと生活ができないという考えがいつの間にか脳に入ります。それに対して非漢字系学習者の脳の準備はまったくなく、漢字学習をしはじめてショックを受けるのは当然のことです。そのため非漢字系学習者には漢字学習の予備段階が必要だと思いました」と感じた。そこで彼女が思いついたのは、ロシア語で使用されるキリル文字を覚えたとき、文字を書かせられる前にその文字のエレメント(構成要素)を書かされたことだった。そのおかげでキリル文字の書き方が分かりやすくなって、きれいに書けるようになったという経験があった。
 彼女は日本語の先生に、漢字を構成するストローク(漢字の画)の種類と数を尋ねたが、聞いた先生の誰もが説明できなかったという。そこで自分で漢字を分解してストロークを抽出した。のちにロシアで発行された中国語の教科書にストロークの種類が入っている表が公開されているのを知り、それを利用することにした。

 こうしてガリーナさんは、中国語教科書に載っていたストロークの種類表に準拠して24種類のストロークを採用し、さらに学習する生徒に分かりやすいように各ストロークにアルファベットのコードをつけた。以下がその一覧表(ガリーナ表)である。


なお、私はガリーナ表を分析して、点・たて画・よこ画・斜め画・折画・複合画に分けて表にしてみた。 その結果、点として2種、たて画2種、よこ画2種、斜め画5種、折画8種、複合画5種に分けることが出来た。以下がその表である。


日本と中国の筆画一覧表
 私はガリーナ表に刺激をうけて日本と中国の筆画一覧表を調べてみた。すると日本には筆画はあるが一覧表としてまとまったものがないことが分かった。しかし、本橋亀石著『現代 書道三体字典』(尚学図書 1983年)の表紙裏の見返しに「楷書の基本点画」と題した表が掲載されており、点画の基本的なものが体系的に紹介されていることが分かった。以下がその表である。(表外の数字とABCは筆者が付与)


 また、中国の筆画一覧表はネット上で各種見られたが、主なもので4種あり、以下の表は其中で一番種類が多い31種の表である。これによって現代中国の筆画表について概要を知ることができた。これらについても詳しいことは、「漢字の筆画(ストローク)の重要性」をご覧ください。


日本漢字の筆画一覧
 以上の考察をへて筆者は日本漢字の筆画一覧表を製作してみた。まず、説明を抜きにして表を提示させていただく。以下の28種である。この表はガリーナ表より4種類多いが、ガリーナ表と共通する画は23種で、1種少ない。追加した画は5種である。


 ではガリーナ表と、どこが違うのか、両者の要素別に分類した表を比較して説明させていただく。
 要素別のガリーナ表
 以下は今回提案した要素別一覧表である。赤字がガリーナ表に追加した種類である。
 要素別の石沢提案表
 ガリーナ表と違うのは以下の4点である。
(1)ガリーナ表の「たて画」に「③たてそり」を加えた。
(2)ガリーナ表の「折画・よこ折」に「④フ折はね」を加えた。
(3)ガリーナ表に「曲画・たて曲」を新設し、「①たて曲り」を加えた。その理由は「七」の第2画はタテから曲がって横にのびているので、折れる画と区別するためである。これにともなってガリーナ表の「たて折」に属していた「②たて曲りはね」をここに移した。
(4)複合画に、①㇅、③㇞を追加した。㇅は鼎や常用漢字の凸・凹などに使われ、㇞は呉・凸などに使われるためである。また、ガリーナ表の複合画の、①九の第2画と、②乙、を統合して1種とした。

筆画一覧表と各々の筆画の説明
 上記に小さく表示した筆画一覧表を、分りやすくするため大きく表示させていただく。


 続いて要素別に各筆画の説明をさせていただく。
1.点
   
 点は2種類とした。1たて点と、2ななめ点である。厳密にいうと点は、上記の本橋表のように、うえから①右ななめ点、②たて点、③左ななめ点の3種類ある。③の左ななめ点は書道で区別されており、例えば上図「安」のウかんむりの左は左ななめ点である。しかし、日本人の多くは特にこれを意識して書いていない。また、活字体でも字体によりウかんむりの左右は真下に短い点になっていることが多い。したがって、ウかんむりは、1たて点に含まれることとする。なお、心や必の第1画は左斜めの点であるが、1点(たて)に含めることにしたい。
 さらに注意すべきは、2ななめ点のはたらきである。ななめ点は「学」「単」や、「並」「弟」や「尚」など漢字の上部におかれる筆画の左に多いだけでなく、「外」「交」「内」など、右はらいでなく、はらいを止めたかたちの長い点も含めるので、非常に広く使われる。この点を説明し理解していただく必要がある。

2.たて画

 たて画は、3種類ある。たてにまっすぐ引いた線の「3たて」、その下をはねた「4たてはね」、たて線が弓なりにそった「5たてそり」である。たてそりは下部がはねる。例字としては、「3たて」は十のほか、卜ボク、外ガイ、米ベイ、木モク、巾キン、引インなど、「4たてはね」は、小ショウのほか、丁テイ、水スイ、など。「5たてそり」は、子のほか、了リョウなどがあるが、活字体によっては真っすぐに表現されているので注意が必要である。活字でもそっているものは、けもの偏の犭、家や豚に含まれる豕シなどがある。

3.よこ画

 よこ画は2種類ある。ひとつは、「6よこ」で横に一線が引かれたかたち。二つ目は、「7よこはね」で横にのびた線が端ではねるかたち。例字としては、「3よこ」は大のほか、犬ケン、木モク・交コウなど多くの字に見られる。「7よこはね」の例字は皮のほか、空・究・完などウかんむりの右端や、写シャや冠カンなどのワかんむりの右端もみなそうである。この他、予ヨの第3画・欠ケツの第2画などにも見られる。

4.左斜め画(はらい・はね上げ) 

 左斜め画は大別すると2種ある。はらいと跳ね上げである。はらいとは通常右上から左下にさがる線をいう。この画ははらう傾斜の角度によってさまざまな種類がある。しかし、それらを細かく分類しだすとキリがないので、傾斜が急な「8月はらい」と通常の角度である「9左はらい(ノはらい)」の二つで代表させた。月はらいは月の第1画のように傾斜が急なはらい画をいう。同じような画に、川や片や凡の第1画などがある。また通常の左はらいには、八の第1画のほか、人・大・火・友などに含まれている。さらに傾斜がゆるい画には妥の第1画がある。また。斤や升は第1画が「左(ノ)はらい」で、第2画が月はらいである。
 なお、左はらいは短いはらいも多い。牛の第1画、小・矢・欠・句などに含まれる。また、学や単の上部のツにあたる部分にも短いはらいがある。弟にもある。妥には最初の画の次にもツがある。
 「10はね上げ」は、左下から上方にあげる画である。例字にあげた冷の冫(二水)の下の画のほか、江の氵の下の画に多い。その他、傾斜のゆるい画として耳・扌(てへん)・瓜や虫の下の画、牛が偏になったときの牡・牧なども、すこし上にあがる。

5.右斜め画 

 右斜め画は2種ある。ひとつは「11右はらい」で、人や八の第2画のように右下にはらう画である。この画にはその他、大や久・木・火・水・文・父など多くの字に含まれる。もうひとつは「12右そりはね」で代の第4画のように右下にのびて最後にはねる画である。例字の代のほか、戈(カ・ほこづくり)を含む成・我・戒などの字に含まれる。

6.たて折画

 たて折画とは、たての線の端で折れる画で、「13たて折横」と「14レ折」がある。13たて折横画は、下で直画に右へ折れる画で、例字の山のほか、下に山の形がつく岳・缶・出、それに匚(はこがまえ)を含む区・匿などの字、凵(かんにょう)を含む凶・函、などに含まれる。ここで注意を要するのは、口や日や国・囲など、四角に周りをかこむ字は、「㇑+㇕+㇐」の順に書くので、13たて折横は含まれないことである。
 「14レ折」には、例字の良のほか、根や限などに含まれる艮コンなどがある。なお、氏・比の第2画は活字の書体によっては2画に見えるが筆記するときはレの形になるのでレ折である。

7.斜め折画(く折・ム折) 

 斜め折画とは、斜めの線が途中で折れまがるかたちで、く折とム折の2種がある。「15く折」は丁度「く」型にまがる画で、例字の女の第1画に代表される。女という字を「くノ一(くのいち)」ということもあるようにくは女に必要である。その他活字によっては2画のように表現させているが、糸の第1画、系の第2画も「く折画」である。「16ム折」は、片仮名のムの第1画のような折れなので命名した。例字の去のほか、云の下部や、糸の第2画、系の第3画にも含まれる。

8.横折れ画

 横折れ画とは、横の線が先で折れるかたちで、「17横折たて」と「18横折たてはね」の2種がある。17横折たて、は例字の国のほか、口・日・甲・由・皿・固の第2画などがある。
 18横折たてはね、には例字の司のほか、円・丹・内・巾・月の第2画などがある。横とたての比率はさまざまで、円のように、ほぼ同じである字、月のようなタテが長い場合、巾のように横が長い場合がある。

9.フ折れ画

 フ折れ画とは横の線が先でフの形に折れるかたちで、「19フ折」と「20フ折はね」がある。19フ折は、折れたフの先が「はらい(ノ)」になっている。例字の水のほか、又・子の第1画、夕・久・各の第2画、友・支の第3画などがある。
20フ折はね、は折れたフの先がはねており、例字の刀のほか、力の第1画、勺・句・母の第2画、万・方の第3画、幻の右辺などがある。

10.たて曲り

 たて曲り画は、今回新たに追加した画である。それまでは折れ画に含めていたが、山の第2画である「たて折れ」と七の第2画である「たて曲り」は、書くとき折れと曲りを区別しているので独立させた。たて曲り画には、「21たて曲り」と「22たて曲りはね」の2種がある。21たて曲り、は例字にあげた七のほか、亡の第3画、匹・四の第4画などがある(亡・匹・四とも明朝体活字では先がはねているが筆記体ははねない)。なお穴の下部は単独では八だが、穴かんむりになると上下がつまるので、空・究などのように、たて曲りになる(これも先ははねない)。22たて曲りはね、はたて曲りの先ではねるかたちで、例字の元のほか、心の第2画、己の第3画、化・毛・屯・孔・兆の第4画などがある。

11.複合画A
  
 複合画Aの「23横たて横」は、「17横折たて+6よこ」の複合画である。この画の字は非常に少なく、例示の凹のほか、凸の第3画ぐらいであり、凸凹の2字のためにあるような画である。
 「24横折曲りはね」、は「6よこ+22たて曲りはね」の複合画である。例字の九が典型的な字で、他に丸の第1画、凡の第2画などがある。実はこの画はこれら以外に二つの類似画を含めている。一つは乙で、もう一つは風の第2画に見られる横折そりはね、である。最初の九の第1画と乙は基本形に対し、乙が極端に左に曲がった変形としてとらえることができる。
もう一つの風の第2画は、乙とは逆に右方向へ反ってはねた形ととらえたい。この画は隣りに添えた本橋表では、折れそり(7B)として独立させており、風や凧・鳳・凰など風に関連する字に多い。しかし、多くの人は「横折そり」を意識することは少ない。風のそりを、九のそりと同じように書く人も多く、それが間違いと認識されることもない。また逆に、九と同じ画である几や凡も、部首が付いた机や帆になると横の余裕がなく、風と同じような画になることも多い。したがって、「24横折曲りはね」では、九に加え乙の画と風の画を統合したので、この状況を学習者に周知することが必要である。もし、乙と風を独立させると30種となり、当初、私が作成した一覧表であった。しかし、悩んだすえ、できるだけ少ない方がよいとの思いから統合した。

12.複合画B

 複合画Bは2種類あり、いずれも「たて横たて」の折画である。最初の、「25たて横たて」は「13たて折横+6よこ」の複合画である。例字の呉の他、呉を音符とする娯・誤などがある。また鼎かなえの6画目にもある。次の、「26弓あし」は弓の下部と同じ筆画なので、この名称を採用した。弓あしは、25たて横たて、の最後をはねた形である。例字の弓のほか、与の第2画、写の第4画、号・巧の第5画、考・汚の第6画などに含まれる。

13.複合画C

 複合画Cは、「27連続フ」と、この最期をはねた「28連続フはね」である。27連続フは「19フ折+19フ折」の複合画であり、28連続フはね、は「19フ折+20フ折はね」の複合画である。
 「27連続フ」には例字の及のほか、及の音符字である吸・扱・級などがある。「28連続フはね」は、例字の乃ダイのほか、秀およびその音符字である透・誘などに含まれる。

 以上、28種の筆画一覧の提案をさせていただいた。多くの方々からご意見をいただき、この表が日本漢字の筆画(ストローク)表の成立の礎となり、漢字教育に役立つ存在になればと願っている。(石沢誠司)














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音符 「尺シャク」 <膝から下の長さ> と 「只シ」 <ただ>

2018年08月11日 | 漢字の音符
 シャク・セキ   尸部

金文は人が腰をまげて前向きになった姿の、脚の中程の部分に丸印をつけたかたち。丸印は膝を表し、膝から足の下までの長さを表すと考えられる。篆文は人が腰かけた形になり、丸印は横線になって途中から曲がって下に着いた。現代字は人の姿が尸に変化した尺になった。膝下の長さは日本人で男性:46.7cm(平均身長:170.6cm)、女性:42.9cm(平均身長:158.6cm)とされ、1尺の長さ(日本で約30㎝)よりかなり長い。
 一般的に尺は手の指の親指と中指とを広げて下向きにした形の象形とされるが、古代文字は手の形ではなく、人のかたちである。身体尺は人によって長さが異なるので、時の政権によって公定尺が決められる。寸の10倍を尺と決めれば、身体尺の実際の長さは気にすることではないのかもしれない。中国の周代で1尺は約22.5㎝であった。日本では隋・唐の尺度が導入されて使われた(29.8㎝)。明治になり1尺は30・3㎝に定められた。
意味(1)長さの単位。しゃく(尺)。30.3㎝。1尺は寸の10倍。「尺八シャクハチ」(1尺8寸。笛の一種) (2)ながさ。「尺度シャクド」「縮尺シュクシャク」「尺寸セキスン・シャクスン」(わずかばかり) (3)ものさし。「巻尺マキジャク

イメージ 
 「長さの単位」
(尺・呎)
音の変化  シャク:尺  フィート:呎

長さの単位
 フィート  口部
解字 「口(くちまね)+尺(長さの単位)」の会意。長さの単位である1尺(30.3㎝)とほぼ同じ長さである英語のfootの複数形であるfeetの発音を口から出す意。
意味 フィート(呎)。ヤードポンド法の長さの単位。1フィートは30.48㎝。現代中国の発音は「chǐ(チ)」

<参考>
 シ・た・あた  口部
解字 「尺(1尺の長さ)+只(ものを限定する)」の会意形声。1尺(10寸)を限定する意。具体的には、尺は10寸の長さを言うのに対し、咫は8寸をいう。音符は「只シ」。
音符「只シ」の咫シを参照(このページ)


     シ <ただ>
 シ・ただ  口部

解字 篆文は、「口(くち)+下向きの二本線(吐息)」の会意。口からため息を出すさま。目の前のものが少なかったときなどに出すため息で、ただ・これだけ・それだけ等、ものを限定する意を表す。
意味 (1)ただ(只)。単に。それだけ。~のみ。「只者ただもの」(普通の人)「只管シカン・ひたすら」(ただそればかり)「只管打座シカンタザ」(禅宗で、ひたすらに座禅をすること) (2)語調を整えるため句中や句末におく助字。 (3)[国]ちょうど。「只今ただいま」(①まさに今。②いますぐ。③外から帰った時のあいさつ) (4)[国]無料のこと。「入場料は只です」(5)地名。「只見川ただみがわ」(尾瀬沼を源とし、福島県南西部を流れて阿賀野川に合流する川)

イメージ 
 「ものを限定する」
(只・咫)
 「同音代替」(枳)
音の変化  シ:只・咫・枳

ものを限定する
 シ・た・あた  口部
解字 「尺(1尺の長さ)+只(ものを限定する)」の会意形声。1尺(10寸)を限定する意。具体的には、尺は10寸の長さを言うのに対し、咫は8寸をいう。
意味 (1)長さの単位。周代の小尺で8寸。約18センチ。 (2)短い。近い例え。「咫尺シセキ」(8寸と1尺。極めて近い距離)「咫尺之書シセキのショ」(短い書状)「天威咫尺テンイシセキ」(天子の威光が身近にある) (3)わずか。すこし。 (4)[国]あた(咫)。た(咫)。日本の古代の長さの単位。手のひらの下端から中指の先端までの長さ。「八咫鏡やたのかがみ」(八×咫もある巨大な鏡)「八咫烏やたがらす」(神話で神武東征のとき、熊野から大和まで先導したという大きな烏)

同音代替
 シ・キ・からたち  木部
解字 「木(き)+只(シ)」の形声。シは刺(さす)に通じ、枝にトゲがある木。
意味 からたち(枳)。ミカン科カラタチ属の落葉低木。トゲが多く秋に黄色い実をつける。「枳殻キコク・シコク・からたち」(カラタチの木)「枳棘シキョク・キキョク」(カラタチといばら。ともにトゲのある木)「枳殻邸キコクテイ」(京都市にある東本願寺の別邸、周囲に枳殻の垣根があったことから名付けられた。庭園の美しさで知られる。)
<紫色は常用漢字>

   バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。




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音符「車シャ」<戦いのくるま> と「庫コ」「轟ゴウ」「陣ジン」

2018年08月07日 | 漢字の音符
 シャ・くるま  車部


https://baijiahao.baidu.com/s?id=1641810416967697331&wfr=spider&for=pc
解字 馬に曳かせる二輪の戦車を描いた象形(写真は殷墟の車馬坑)。甲骨文は、車とそこから出る轅(ながえ)、轅の先に直角に交わる衡(よこぎ)を描く。衡(よこぎ)と車輪のあいだに馬が左右に二頭入るが、文字には描かれていない。しかし、殷墟の車馬坑には殉葬された馬の骨がこの位置に残っている(また、二輪の間の車箱(人が乗る)もある)。金文から車の向きを横にした文字も登場した。ここには、衡(よこぎ)に、馬を装着する軛(くびき)まで描かれている。篆文は片方の車輪だけを描き、現代の字に続く。乗り物の車および車輪を意味する。
意味 (1)くるま。くるまの輪。「車輪シャリン」「水車スイシャ」 (2)乗り物。「馬車バシャ」「電車デンシャ」 (3)[国]車輪のようにまるい形。「車座くるまざ

イメージ 
 「くるま」
(車・轟・輦・庫・陣・俥)
音の変化 車は音符とならず、会意文字となるので発音はバラバラである。
 シャ:車  コ:庫  ゴウ:轟  ジン:陣  レン:輦  くるま:俥

くるま
 レン  車部   

解字 「夫+夫(二人の男)+車(くるま)」の会意。金文は車と衡(よこぎ)のあいだに人が二人はいり、手で押す形。車の形は金文と同じで、人が入っている位置は戦車で馬がはいる場所。輦レンは人がひく「てぐるま」をいう。篆文で、手を挙げる人⇒夫(おとこ)になり、現代字が完成した。輦レンには、大勢の人がひく儀礼用や貴人が乗る大型のものもあった。のち、車のない輿(こし)にも輦の字を使うようになり、日本では川を渡るとき客を乗せて担ぐ台を輦台という。
意味 (1)てぐるま(輦)。輦車レンシャ。人の引く車。特に天子の車。「玉輦ギョクレン」(天子の乗る車)「鳳輦ホウレン」(天子の乗る車)「輦下レンカ」(天子の車のもと。転じて、天子のおひざもと) (2)[国]手でかつぐ輿こし。「輦台レンダイ」(川を渡るときに客を乗せて担ぐ台)
 ゴウ・とどろく  車部
解字 「車+車+車」の会意。たくさんの車が走る音。車はもと戦車の形であり、戦車がまとまって走る音を表す。
意味 とどろく(轟く)。大きな音が鳴りひびく。「轟音ゴウオン」「轟々ゴウゴウ」「轟沈ゴウチン」(艦船が砲撃をうけて轟音をたてて沈没すること)
 コ・ク・くら  广部
解字 「車(くるま)+广(片やね)」 の会意。車や兵器を入れる屋根のあるくら。
意味 (1)くら(庫)。物をしまっておく建物。「武器庫ブキコ」「車庫シャコ」 (2)「庫裏クリ」とは寺の台所。また、寺の住職や家族の住む所。
 ジン  阝部
解字  「阝(丘)+車(兵車=軍隊)」の会意。軍隊が丘の上で戦いの備えをとること。戦いの陣は臨機応変であり、にわかにの意ともなる。
意味 (1)戦いの備え。じんだて。いくさ。「陣地ジンチ」「陣営ジンエイ」「布陣フジン」(2)ひとしきり。にわかに。「一陣イチジン」(ひとしきり)「陣痛ジンツウ」(出産時の痛み)
 <国字> くるま・(シャ)  イ部
解字 「イ(ひと)+車(くるま)」の会意。人がひく車の意の国字。発音のシャは慣用音。
意味 くるま(俥)。人がひく車。人力車。「俥夫シャフ」(人力車をひく人)

参考 車は、部首「車くるま・くるまへん」になる。多くは漢字の左辺に付き、①乗り物としての車、②車の行動・状態、③車の部品、などを表す。常用漢字で15字、約14,600字を収録する『新漢語林』では、116字が収録されている。主な字は以下のとおり。
常用漢字  15字
 車シャ・くるま(部首)
 較カク・くらべる(車+音符「交コウ」
 轄カツ・くさび(車+音符「害ガイ」)
 軌キ・わだち(車+音符「九キュウ」)
 輝キ・かがやく(光+音符「軍グン⇒キ」)
 軍グン・いくさ(車+冖の会意)
 軽[輕]ケイ・かるい(車+音符「巠ケイ」)
 軒ケン・のき(車+音符「干カン」)
 載サイ・のる(車+音符「𢦏サイ」)
 軸ジク(車+音符「由ユウ」)
 転[轉]テン・ころがる(車+音符「專セン」)
 軟ナン・やわらき(車+欠の会意) 
 輩ハイ・やから(車+音符「非ヒ」)
 輪リン・わ(車+音符「侖リン」)
 輸ユ・おくる(車+音符「兪ユ」)
 
<紫色は常用漢字>

    バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。



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神戸定住外国人支援センターで漢字音符の話をしました

2018年08月03日 | 漢字音符研究会
 7月28日(土)午後、神戸市長田区の神戸定住外国人支援センターで開催された研修会で「音符を活用した漢字の学習方法」というテーマで話をさせていただきました。

 集まったのは神戸に住む外国人に日本語学習を支援しているボランティアの方々13名。最初に私が強調したのは、漢字は絵文字から始まっているので基本漢字は絵文字から説明すると分かりやすい、ということです。私は常日頃から外国人に漢字を教えるのは絵文字から教えるのが一番効果があると思っていました。ですから、今回ボランティアの方々にもこの点を強調させていただいた次第です。木および木から派生した未、末、また水・川・女・母、それから又(もと右手の意)などについて絵文字から漢字への変遷をお話しました。
 神戸定住外国人支援センターで

漢字音符とは何か
 続いて漢字音符の説明です。漢字音符は「部首+音符」の形で現れるのが普通です。そこで、一つの例として橋キョウの字の音符である喬キョウを取り上げました。この字の成り立ちから、①たかい。②たかく曲がる。③まがる、という音符イメージ(メッセージ)があることを説明し、①のイメージでは、喬キョウ・驕キョウ、②では、橋キョウ・僑キョウ・嬌キョウ・蕎キョウ、③では矯キョウ、などの字が導かれることを説明しました。
 このうち常用漢字は橋だけですが、音符イメージと部首を組み合わせると、合計7つの漢字が芋づる式に覚えられ、しかもこの音符の場合、発音がすべてキョウです。こんなおいしい覚え方は他にありません。最初、すこし固い表情だった参加者のみなさんも徐々になごんできました。
 このあと、同じ音符でも発音が全くことなった字となる会意という結合方法は、音符としての役割を果たさないが、音符の意味が継続されるので準音符として扱うことを説明しました。(例:音符牙ガの芽ガ:雅ガは形声文字、一方、邪ジャ・穿センは会意文字)

テキスト「人の姿の音符1」を使って
 ここまでが前半の1時間。後半は私が作成した資料「人の姿の音符1」をテキストとして進めさせていただきました。このテキストは人の立った姿や坐った姿だけを集めた音符ですが、例えば人のなかには、前後に並んだ从ジュウ(從の原字)、右向きに並んだ比、二人が背をむけた北ホク、立った人と逆さになった人が組み合わさった化などがあり、坐った人の姿には卩セツ、欠ケン(口をあけた形)、旡(後ろをむいて口をあけた形で既の原字)など、合計35の音符を収録してあります。
 このテキストを最初から最後まで説明すると、通常の授業の4~5回分となりますので、この日は最初の目次に出ている基本音符の横に古代文字を書き込んでいただきながら、簡単に成り立ちを説明するかたちにしました。一通り説明して残りの時間で、音符の中から化(かわる・かえる)と夾キョウ(はさむ・はさまれる)を選んで本文の説明をしました。このころになるとみなさん説明にひとつづつ頷いてくれる方が多く、漢字音符をご理解いただいたんだなと嬉しくなりました。研修終了後、ボランティアの方々から、「今まで部首を中心に漢字を教えていたが、音符の役割がよく分り大変参考になりました」という感想をいただきました。
 本研修では、当支援センターの日本語コーディネーター・奥優伽子さんにお世話になりました。御礼を申し上げます。



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特殊化した部首 「礻 しめすへん」 と 「衤 ころもへん」  

2018年08月01日 | 特殊化した部首
 礻しめすへん」と「衤ころもへん」は、似ており紛らわしい部首である。カタナカの「ネ」と同じなのが「礻しめすへん」で、礻にもうひとつ点を加えたのが「衤ころもへん」である。いずれも特殊化した部首だが、元の字は「礻しめすへん」が示、「衤 ころもへん」は衣である。衣は部首になるとき、衣が下につく形[襞(衣+辟)・製(衣+制)]、衣の上下が分かれて音符となる字を挟み込む「わりごろも」[裏(衣+里)・衷(衣+中)]と呼ばれるかたちになる。しかし、衣が偏になるとき 衤になるので、ネと間違わないよう注意が必要である。

 まず「礻 しめすへん」の元になる示ジを見てみよう。
 ジ・シ・しめす  示部  

解字 甲骨文はT字形の祭卓の上に供え物をのせた形の象形。神を祭るとき、その上に供え物をのせた祭卓の形で、神霊がそこに降下し、そこに神の心がしめされるので、しめす意となる。篆文以降、下部にハがついた示になった。示は部首となり、偏になるとき新字体でネの形で用いられる。
意味 しめす(示す)。さししめす。おしえる。「示威ジイ」(威力を示す)「示現ジゲン」(示し表わす。この世に現れる)「示唆シサ」(それとなく示す)「示談ジダン」(話し合って解決する)

     にみる示へんの変遷
 キ・いのる    

           上は祈の示へん、下は祈の時代的な変遷
 祈は篆文からある字。示へんは篆文で示を用いているが、隷書レイショ(漢代の役人が主に用いた字)から、一の下に不を付けた形になり、楷書で上の一が(点)になったが下部は不に近い。旧字は清代の[康煕コウキ字典]に準拠したため再び示にもどり、第二次大戦後の新字体で 礻の形になった。

 次に「衤 ころもへん」の元の字である衣の変遷を見ておこう。  
 イ・ころも  衣部     

解字 衣の襟(えり)もとを合わせたかたちの象形。後ろの襟を立て、前の襟を合わせたかたち。
意味 (1)ころも(衣)。きぬ。身にまとうもの。「衣服イフク」「衣装イショウ」 (2)きる。身につける。「衣帯イタイ」(衣と帯。衣服を着て帯を結ぶ) (3)おおう。おおい。

      ユウの字にみる衣へんの変遷
 ユウ  衤部     

          上は裕の衣へん、下は裕の時代的変遷
裕の字は金文からあるが、篆文までは古代文字の衣と同じかたち。隷書(漢の役人が主に用いた書体)から短いタテ棒の下に不に点がついた形となり、現代字(楷書)で衤となった。こうしてみると、衣へんの上部は篆文に、下部はひとつ前の金文に源流があるように見える。

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