丸の解字を改めました。
丸 ガン・まる・まるい・まるめる 丶部
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解字 篆文は、右向きの人(下)と左向きの人(上)がつながった形。[説文解字]は「圜エン(まるい)。傾側ケイソク(かたむき)而(しか)して轉(まわ)る者(もの)」とする。傾側の意味がよくわからないが、要するに二人が傾き合ってまわる形らしい。胡人がこのような曲芸をしていたのだろうか? 隷書(漢代)は九の中に点がはいった形になり、旧字は九の中が丶になり、現代字は丶がノと交差した丸になった。「丸い」というのは球形をいう。字の成り立ちから十分には納得できるものでないが、この字がすでに定着している。「丸い」の球形は、弾弓といわれる弓に充てる弾(たま)を表わした。
意味 (1)まるい(丸い)。球状のもの。まるめる(丸める)。「丸薬ガンヤク」「丸顔まるがお」 (2)たま(弾)。「弾丸ダンガン」「砲丸ホウガン」(大砲のたま) (3)まるい(円)。「丸太まるた」 (4)そっくり。ぜんぶ。「丸暗記まるあんき」「丸損まるぞん」 (5)名前につける言葉。「牛若丸うしわかまる」(人名)「咸臨丸かんりんまる」(船名)
<丸の同体異字>
丸が含まれる漢字は、多くが両手を出してひざまずく人が変化した形で、丸ガン(まるい)とは異なる字です。
執 シツ・シュウ・とる 土部
解字 「幸(手かせ)+丸(人が両手を出してひざまずいた形)」 の会意。幸は 「手かせ」 の形。丸は甲骨文で両手を出してひざまずいた形。両者を合わせた執は、坐って手を出している人の両手に手かせをはめ、しっかりと捕まえたさま。罪人をとらえるが原義。しっかりと罪人をとらえる意から、「とる・手にとる」、捕まえて放さないことから「こだわる・しつこい」意となる。
意味 (1)とる(執る)。手にとる。とり行う。「執刀シットウ」「執筆シッピツ」 (2)あつかう。つかさどる。「執事シツジ」 (3)こだわる。しつこい。「執念シュウネン」「固執コシツ・コシュウ」「執心シュウシン」
執を音符に含む字 シツ:執 シ:摯・贄 チツ:蟄
音符「執シツ」を参照。
孰 ジュク 子部
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解字 甲骨文は、「先祖を祀る建物+人が手をだす形」。先祖を祀る建物は後に享キョウとなる字で、祖先神に飲食物をたてまつって、祖先神をもてなす意を表わす。それに手を出す人がついた孰ジュクは、人が祖先神に飲食物をもてなしている形。金文は女を加え、もてなす人が女性であることを示す。篆文は「亯キョウ(先祖を祀る建物)+羊(ひつじ)+丮ケキ(人が両手を出す形)」の会意となり、人が羊の肉の料理で祖先神をもてなす形。現代字は、亯⇒享に、丮⇒丸に変化し、羊が略されたが、羊の肉を煮炊きすることから、煮る意がある。しかし、本来の意味でなく、「たれ・だれか」「いずれ・いずれか」の意に仮借カシャ(当て字)された。
意味 (1)たれ。たれか。 (2)いずれ。いずれか。 (3)にる(煮る)。にえる。
孰を音符に含む字 ジュク:孰・熟・塾
音符「孰ジュク」を参照。
埶 ゲイ・セイ 土部
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解字 甲骨文は両手で苗木をもってひざまずく人の形で、木を植える様子を表す。金文は左辺が、木の下に土を加えた形。篆文は、「坴(土の上に木[変形字]がある形)+丮ケキ(人が両手を出した形)」の会意。ひざまずいた人が両手を出して土の上の木を手入れして育てている形。いずれも、「植物に手を加えて育てる」意となる。現代字は、篆文の右辺が、丮⇒丸に変化した。
意味 (1)うえる。草木をうえる。 (2)いきおい。
埶を音符に含む字 ゲイ:芸 セイ:勢 セツ:褻 ネツ:熱 ウン:芸
音符「埶ゲイ」を参照。
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※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
丸 ガン・まる・まるい・まるめる 丶部
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解字 篆文は、右向きの人(下)と左向きの人(上)がつながった形。[説文解字]は「圜エン(まるい)。傾側ケイソク(かたむき)而(しか)して轉(まわ)る者(もの)」とする。傾側の意味がよくわからないが、要するに二人が傾き合ってまわる形らしい。胡人がこのような曲芸をしていたのだろうか? 隷書(漢代)は九の中に点がはいった形になり、旧字は九の中が丶になり、現代字は丶がノと交差した丸になった。「丸い」というのは球形をいう。字の成り立ちから十分には納得できるものでないが、この字がすでに定着している。「丸い」の球形は、弾弓といわれる弓に充てる弾(たま)を表わした。
意味 (1)まるい(丸い)。球状のもの。まるめる(丸める)。「丸薬ガンヤク」「丸顔まるがお」 (2)たま(弾)。「弾丸ダンガン」「砲丸ホウガン」(大砲のたま) (3)まるい(円)。「丸太まるた」 (4)そっくり。ぜんぶ。「丸暗記まるあんき」「丸損まるぞん」 (5)名前につける言葉。「牛若丸うしわかまる」(人名)「咸臨丸かんりんまる」(船名)
<丸の同体異字>
丸が含まれる漢字は、多くが両手を出してひざまずく人が変化した形で、丸ガン(まるい)とは異なる字です。
執 シツ・シュウ・とる 土部
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解字 「幸(手かせ)+丸(人が両手を出してひざまずいた形)」 の会意。幸は 「手かせ」 の形。丸は甲骨文で両手を出してひざまずいた形。両者を合わせた執は、坐って手を出している人の両手に手かせをはめ、しっかりと捕まえたさま。罪人をとらえるが原義。しっかりと罪人をとらえる意から、「とる・手にとる」、捕まえて放さないことから「こだわる・しつこい」意となる。
意味 (1)とる(執る)。手にとる。とり行う。「執刀シットウ」「執筆シッピツ」 (2)あつかう。つかさどる。「執事シツジ」 (3)こだわる。しつこい。「執念シュウネン」「固執コシツ・コシュウ」「執心シュウシン」
執を音符に含む字 シツ:執 シ:摯・贄 チツ:蟄
音符「執シツ」を参照。
孰 ジュク 子部
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解字 甲骨文は、「先祖を祀る建物+人が手をだす形」。先祖を祀る建物は後に享キョウとなる字で、祖先神に飲食物をたてまつって、祖先神をもてなす意を表わす。それに手を出す人がついた孰ジュクは、人が祖先神に飲食物をもてなしている形。金文は女を加え、もてなす人が女性であることを示す。篆文は「亯キョウ(先祖を祀る建物)+羊(ひつじ)+丮ケキ(人が両手を出す形)」の会意となり、人が羊の肉の料理で祖先神をもてなす形。現代字は、亯⇒享に、丮⇒丸に変化し、羊が略されたが、羊の肉を煮炊きすることから、煮る意がある。しかし、本来の意味でなく、「たれ・だれか」「いずれ・いずれか」の意に仮借カシャ(当て字)された。
意味 (1)たれ。たれか。 (2)いずれ。いずれか。 (3)にる(煮る)。にえる。
孰を音符に含む字 ジュク:孰・熟・塾
音符「孰ジュク」を参照。
埶 ゲイ・セイ 土部
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解字 甲骨文は両手で苗木をもってひざまずく人の形で、木を植える様子を表す。金文は左辺が、木の下に土を加えた形。篆文は、「坴(土の上に木[変形字]がある形)+丮ケキ(人が両手を出した形)」の会意。ひざまずいた人が両手を出して土の上の木を手入れして育てている形。いずれも、「植物に手を加えて育てる」意となる。現代字は、篆文の右辺が、丮⇒丸に変化した。
意味 (1)うえる。草木をうえる。 (2)いきおい。
埶を音符に含む字 ゲイ:芸 セイ:勢 セツ:褻 ネツ:熱 ウン:芸
音符「埶ゲイ」を参照。
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。