革 カク・かわ 革部

解字 金文第一字は動物の皮をはがして開いた形と思われる。上が頭、真ん中が開いた胴体、下部が両脚と尾か。第二字はそれを簡略化した形で、篆文につづき現代字もその形を受け継いだ革になった。しかし、字は皮をはがした形であり、これだけでは革にならない。革をつくるためには、剥がした皮の外側の毛や、内側についている肉片や脂肪を取り除いてから草木の中に含まれるタンニン(渋)液などに漬けて強く柔らかくし(なめす)、皮からすっかり変わった革(かわ)にする必要がある。しかし、漢字でこの過程を表すのはむずかしい。そこで皮は「手で動物の皮を剝がす形」で、革は「動物の皮をはがして開いた形」で表した。金文の革で一番多く使われている字は勒ロク(おもがい。馬の頭からクツワにかける革ひも)であり、上図の革も勒から抜き出した。出来上がった革は、生の皮とすっかり違う物となるので「あらたまる・あらためる」意味ともなる。参考:音符「皮ヒ」
意味 (1)かわ(革)。なめしがわ。「皮革ヒカク」「革製品かわセイヒン」 (2)あらたまる。あらためる。「革新カクシン」「革命カクメイ」(①革はあらためる、命は天命で、天命をうけた皇帝がかわること。②被支配階級が支配階級にとってかわり社会を変革すること)「沿革エンカク」(沿は旧いものに沿う、革はあらためる。旧いものに沿ったり、あらためたりした移り変わり)
参考 革は部首「革かわ」になる。漢字の偏(左辺)に付いて、革の意味を表す。常用漢字で2字、約14,600字を収録する『新漢語林』では79字が収録されている。主な字は以下のとおり。
革(部首)
靴カ・くつ(革+音符「化カ」)
鞄ホウ・かばん(革+音符「包ホウの旧字」)
靭ジン・しなやか(革+音符「刃ジン」)
鞠キク・まり(革+音符「匊キク」)
鞍アン・くら(革+音符「安アン」)
勒ロク・おもがい(革+音符「力リキ」)
鞣ジュウ・なめす(革+音符「柔ジュウ」)
イメージ
「かわ・あらためる」(革・羈・覇)
音の変化 カク:革 キ:羈 ハ:覇
かわ・あらためる
羈[覊] キ・おもがい 罒部
解字 「罒(=网あみ)+革(かわ)+馬(うま)」の会意。馬のあたまを覆ってかける革のひもである、おもがいをいう。覊は異体字。

貝の飾りを付けた「おもがい」(歴史文物陳列館)
http://museum.sinica.edu.tw/ja/knowledge-base/category/17/item/139/
意味 (1)おもがい(羈)。馬具の一種。くつわにつなげるため馬の頭からかける革紐。「羈鞅キオウ」(おもがいと、むながい) (2)たづな。 (3)つなぐ。「羈束キソク」(つなぎとめる)「不羈フキ」(①しばりつけられないこと。②おさえつけにくい)「奔放不羈ホンポウフキ」「不羈フキの才」(非常にすぐれた才能) (4)たび(旅)。=羇。「羈思キシ」(たびの思い)「羈旅キリョ」(たび。たびびと)
覇 ハ・はたがしら 覀部
解字 「覀(おおう)+革(あらためる)+月(月光)」の会意。覀は襾カ(ふた)の変化した形でおおう意を表し、覇は、革命の波が月光のように全国をおおう意。革命によって武力で天下を得た者をいう。
意味 (1)はたがしら(覇)。武力によって天下を治める者。「覇者ハシャ」「覇権ハケン」「覇気ハキ」 (2)勝者。競技などで優勝すること。
覚え方 にし( 覀 )で、かく(革)命、にくづき(月)のいい者が覇者。[漢字川柳]
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。

解字 金文第一字は動物の皮をはがして開いた形と思われる。上が頭、真ん中が開いた胴体、下部が両脚と尾か。第二字はそれを簡略化した形で、篆文につづき現代字もその形を受け継いだ革になった。しかし、字は皮をはがした形であり、これだけでは革にならない。革をつくるためには、剥がした皮の外側の毛や、内側についている肉片や脂肪を取り除いてから草木の中に含まれるタンニン(渋)液などに漬けて強く柔らかくし(なめす)、皮からすっかり変わった革(かわ)にする必要がある。しかし、漢字でこの過程を表すのはむずかしい。そこで皮は「手で動物の皮を剝がす形」で、革は「動物の皮をはがして開いた形」で表した。金文の革で一番多く使われている字は勒ロク(おもがい。馬の頭からクツワにかける革ひも)であり、上図の革も勒から抜き出した。出来上がった革は、生の皮とすっかり違う物となるので「あらたまる・あらためる」意味ともなる。参考:音符「皮ヒ」
意味 (1)かわ(革)。なめしがわ。「皮革ヒカク」「革製品かわセイヒン」 (2)あらたまる。あらためる。「革新カクシン」「革命カクメイ」(①革はあらためる、命は天命で、天命をうけた皇帝がかわること。②被支配階級が支配階級にとってかわり社会を変革すること)「沿革エンカク」(沿は旧いものに沿う、革はあらためる。旧いものに沿ったり、あらためたりした移り変わり)
参考 革は部首「革かわ」になる。漢字の偏(左辺)に付いて、革の意味を表す。常用漢字で2字、約14,600字を収録する『新漢語林』では79字が収録されている。主な字は以下のとおり。
革(部首)
靴カ・くつ(革+音符「化カ」)
鞄ホウ・かばん(革+音符「包ホウの旧字」)
靭ジン・しなやか(革+音符「刃ジン」)
鞠キク・まり(革+音符「匊キク」)
鞍アン・くら(革+音符「安アン」)
勒ロク・おもがい(革+音符「力リキ」)
鞣ジュウ・なめす(革+音符「柔ジュウ」)
イメージ
「かわ・あらためる」(革・羈・覇)
音の変化 カク:革 キ:羈 ハ:覇
かわ・あらためる
羈[覊] キ・おもがい 罒部
解字 「罒(=网あみ)+革(かわ)+馬(うま)」の会意。馬のあたまを覆ってかける革のひもである、おもがいをいう。覊は異体字。

貝の飾りを付けた「おもがい」(歴史文物陳列館)
http://museum.sinica.edu.tw/ja/knowledge-base/category/17/item/139/
意味 (1)おもがい(羈)。馬具の一種。くつわにつなげるため馬の頭からかける革紐。「羈鞅キオウ」(おもがいと、むながい) (2)たづな。 (3)つなぐ。「羈束キソク」(つなぎとめる)「不羈フキ」(①しばりつけられないこと。②おさえつけにくい)「奔放不羈ホンポウフキ」「不羈フキの才」(非常にすぐれた才能) (4)たび(旅)。=羇。「羈思キシ」(たびの思い)「羈旅キリョ」(たび。たびびと)
覇 ハ・はたがしら 覀部
解字 「覀(おおう)+革(あらためる)+月(月光)」の会意。覀は襾カ(ふた)の変化した形でおおう意を表し、覇は、革命の波が月光のように全国をおおう意。革命によって武力で天下を得た者をいう。
意味 (1)はたがしら(覇)。武力によって天下を治める者。「覇者ハシャ」「覇権ハケン」「覇気ハキ」 (2)勝者。競技などで優勝すること。
覚え方 にし( 覀 )で、かく(革)命、にくづき(月)のいい者が覇者。[漢字川柳]
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。