このブログでは、取り上げた音符字とその音符家族字の発音を「音の変化」と題してそれぞれの代表音をまとめて掲載している。表記はカタカナでおこなっているので、その一覧表を漢字音の五十音図としてまとめてみた。
上の表が日本漢字の五十音図である。すべてカタカナ表記とし、拗音ヨウオン(い段の発音で語頭音のうしろにヤ・ユ・ヨがつづくとき、母音のい(i)が略されて発音され、表記が小さな「ゃ・ゅ・ょ」になること。例:き[ki]+や[ya]=きゃ[kya]。)は、い段の横に記載した。
音符「京キョウ」の場合
実際の音符で説明させていただくと、例えば「京キョウ・ケイ・キン」の代表音の変化は、以下のようになっている。 音符「京キョウ」
音の変化 キョウ:京 ケイ:勍 ゲイ:鯨・黥 リャク:掠 リョウ:涼・椋・諒
この変化を五十音図表で説明してみたい。まず、音符「京」は、キョウ・ケイ・キンの三つの発音があるが、キョウは漢音、ケイは呉音、キンは唐音で、いずれも語頭音のキョ・ケ・キの発音は「か行」内の変化におさまっている。
次に代表音の分布は、語頭音が「か(が)行」内にあるものが、キョウ(キョ)・ケイ(ケ)・ゲイ(ゲ)で、残るリャク(リャ)・リョウ(リョ)は、語頭音が「ら行い段」に属している。つまり、音符「京」の発音は、一見ランダムにみるが、「か(が)行」と「い段」を交差させたT字路の中に収まっている。
音符「竜リュウ」の場合
もうひとつ、音符「竜[龍]」をとりあげてみると、竜はリュウ・リョウの発音があり、リュウは呉音、リョウは漢音で、語頭音のリュ・リョは「ら行」内の変化に収まっている。 音符「竜」
音符「竜リュウ」の代表音の変化は以下のとおり。
音の変化 リュウ:竜 シュウ:襲 チョウ:寵 ロウ:滝・籠・聾・朧・壟・隴
このうち、リュウ・ロウは、語頭音(リュ・ロ)が、「ら行」内の変化で、残りの、シュウ・チョウは、語頭音がシュ・チョで、シュは「さ行い段」に、チョは「た行い段」にあり、いずれも「い段」にあることが共通している。
音符「竜リュウ」の全体でみると、語頭音は、①「ら行」内変化。②「い段」内変化です。そして、リュウの語頭音「リュ」は「い段」ですので、全体が、「ら行」と「い段」を交差する⊥字形の中に収まっている。
「五十音図」の分布で何が分かるか
このように音符の分布を「五十音図」に当てはめてみると、同じ行内の変化、または同じ段内の変化に収まるものが多く、さらに広がっても、同行と同段の交差する発音を介在して十字型に範囲が限られることが分かります。
もし、これ以外の広がりがみられる音符字は、その中に会意文字を含むか、文字の形成過程でほかの字の影響を受けて変化したことが考えられます。音符の家族字すべてを「五十音図」に当てはめることによって、音符字全体の成り立ちを考察する手がかりになると考えられます。
上の表が日本漢字の五十音図である。すべてカタカナ表記とし、拗音ヨウオン(い段の発音で語頭音のうしろにヤ・ユ・ヨがつづくとき、母音のい(i)が略されて発音され、表記が小さな「ゃ・ゅ・ょ」になること。例:き[ki]+や[ya]=きゃ[kya]。)は、い段の横に記載した。
音符「京キョウ」の場合
実際の音符で説明させていただくと、例えば「京キョウ・ケイ・キン」の代表音の変化は、以下のようになっている。 音符「京キョウ」
音の変化 キョウ:京 ケイ:勍 ゲイ:鯨・黥 リャク:掠 リョウ:涼・椋・諒
この変化を五十音図表で説明してみたい。まず、音符「京」は、キョウ・ケイ・キンの三つの発音があるが、キョウは漢音、ケイは呉音、キンは唐音で、いずれも語頭音のキョ・ケ・キの発音は「か行」内の変化におさまっている。
次に代表音の分布は、語頭音が「か(が)行」内にあるものが、キョウ(キョ)・ケイ(ケ)・ゲイ(ゲ)で、残るリャク(リャ)・リョウ(リョ)は、語頭音が「ら行い段」に属している。つまり、音符「京」の発音は、一見ランダムにみるが、「か(が)行」と「い段」を交差させたT字路の中に収まっている。
音符「竜リュウ」の場合
もうひとつ、音符「竜[龍]」をとりあげてみると、竜はリュウ・リョウの発音があり、リュウは呉音、リョウは漢音で、語頭音のリュ・リョは「ら行」内の変化に収まっている。 音符「竜」
音符「竜リュウ」の代表音の変化は以下のとおり。
音の変化 リュウ:竜 シュウ:襲 チョウ:寵 ロウ:滝・籠・聾・朧・壟・隴
このうち、リュウ・ロウは、語頭音(リュ・ロ)が、「ら行」内の変化で、残りの、シュウ・チョウは、語頭音がシュ・チョで、シュは「さ行い段」に、チョは「た行い段」にあり、いずれも「い段」にあることが共通している。
音符「竜リュウ」の全体でみると、語頭音は、①「ら行」内変化。②「い段」内変化です。そして、リュウの語頭音「リュ」は「い段」ですので、全体が、「ら行」と「い段」を交差する⊥字形の中に収まっている。
「五十音図」の分布で何が分かるか
このように音符の分布を「五十音図」に当てはめてみると、同じ行内の変化、または同じ段内の変化に収まるものが多く、さらに広がっても、同行と同段の交差する発音を介在して十字型に範囲が限られることが分かります。
もし、これ以外の広がりがみられる音符字は、その中に会意文字を含むか、文字の形成過程でほかの字の影響を受けて変化したことが考えられます。音符の家族字すべてを「五十音図」に当てはめることによって、音符字全体の成り立ちを考察する手がかりになると考えられます。