漢字の音符

漢字の字形には発音を表す部分が含まれています。それが漢字音符です。漢字音符および漢字に関する本を取り上げます。

音符「妥ダ」<女を手で押さえ落ち着かせる> と 「餒ダイ」「綏スイ」

2014年04月27日 | 漢字の音符
 ダ・やすい・おだやか  女部 
 
解字 「下向きの手+女」の会意。甲骨文字と金文は肩の上から、篆文では上から女を手でおさえて落ち着かせるかたち。おだやか・やすらかの意となる。転じて、程度が適当であったり、うまく折り合って安心する意でも使う。
意味 (1)おだやか(妥やか)。やすい(妥い)。やすんじる。席に落ち着く。「安妥アンダ」(おだやか)「妥帖ダチョウ」(①おだやかなさま。②ぴったりしたさま) (2)程度が適当。「妥当ダトウ」 (3)互いにおりあう。「妥協ダキョウ」「妥結ダケツ

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 「安心させる」
(妥・綏)
 意味(3)の「互いにおりあう」(餒)
音の変化  ダ:妥  ダイ:餒  スイ:綏

安心させる
 スイ・タ  糸部
解字 「糸(ひも)+妥(安心させる)」 の会意形声。車に乗るときや車中で立つとき、つかまるひも。つり革のようなもので、このひも(糸)をつかむと安心(妥)である意。転じて、やすらか・やすらかにする意となる。
意味 (1)たれひも。車についているひも。 (2)やすい。やすらか。やすんじる。「綏遠スイエン」(遠い地方を鎮めてやすらかにする)「綏撫スイブ」(なだめてやすらかにする) (3)人名。「綏靖スイゼイ」(神武天皇の次に即位したとされる日本の第二代天皇。綏も靖も、やすらかの意)

互いにおりあう
 ダイ・うえる  食部
解字 「食の旧字(たべる)+妥(互いにおりあう)」の会意形声。食べ物が十分でなく、互いにおりあって少しずつ食べること。うえる意味となる。543年の[玉篇]は「餓る也(なり)」とする。
意味 (1)うえる(餒える)。「餒虎ダイコ」(うえた虎)「餒狼ダイロウ」(うえた狼。残虐な人のたとえ)「寒餒カンダイ」(寒さでうえる)「餒饉ダイキン」(餒も饉も、うえる意) (2)くさる。魚や肉がくさる。「餒魚ダイギョ」(くさった魚)
<紫色は常用漢字>

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音符「充ジュウ」<みちる>と「銃ジュウ」「統トウ」

2014年04月22日 | 漢字の音符
 ジュウ・みちる・あてる  儿部              

解字 「育の略体+儿(ひと)」の会意。よく育った人の形で、中身が充実している人の意。転じて、中がいっぱいになる(充実)、いっぱいになるようにする(補充)意になる。
意味 (1)みちる(充ちる)。みたす。「充実ジュウジツ」「充足ジュウソク」 (2)あてる(充てる)。あてがう。あたる。「充当ジュウトウ」「補充ホジュウ

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 充の意味(1)「みたす・みちる」(充・統) 
 充の意味(2)「あてる・あてがう」(銃)
音の変化  ジュウ:充・銃  トウ:統

みちる
 トウ・すべる  糸部
解字 「糸(いと)+充(みちる)」の会意形声。糸すじが一か所にみちている(集まっている)こと。ここから糸を通じて全体をコントロールする(統べる)ことができる。
意味 (1)すべる(統べる)。おさめる。ひとつにまとめる。「統率トウソツ」「統一トウイツ」「大統領ダイトウリョウ」(統べおさめる最大のかしら) (2)すじ。つながり。「系統ケイトウ」「伝統デントウ

あてる・あてがう
 ジュウ・(つつ)  金部 
解字 「金(金属)+充(あてがう)」 の会意形声。金属の斧(おの)に柄をあてがう穴、すなわち斧の柄をさしこむ穴が原義。のち鉄砲である銃が発明され、(銃の)穴に玉をあてがって撃つ武器の意に転用された。
意味 (1)斧にある、柄を差し込むあな。(2)じゅう(銃)。つつ(銃)。こづつ。武器の一つ。鉄砲。「銃撃ジュウゲキ」「銃火ジュウカ」「銃後ジュウゴ
<紫色は常用漢字>

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音符「孟モウ」<生まれた子に産湯をつかわせる> と「猛モウ」

2014年04月19日 | 漢字の音符
 モウ・マン・ボウ・はじめ  子部

解字 「子+皿(たらい)」の会意。皿はここではタライの意で、生まれた子に産湯をつかわせる形。生まれて最初の儀礼であるから始めの意味を表す。兄弟やその他の序列にも及ぼして用い、最年長・最先の意となる[字統]。
意味 (1)かしら。兄弟の最年長。「孟女モウジョ」(長女) (2)はじめ(孟め)。季節のはじめ。「孟夏モウカ」(夏のはじめ。初夏)「孟月モウゲツ」(春夏秋冬の最初の月。陰暦の1月・4月・7月・10月) (3)姓。「孟子モウシ」。中国・戦国時代の儒家。「孟母三遷モウボサンセン」(孟子の母は子供の教育に良い環境を求めて住居を三度移したという故事)

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 「かしら」
(孟・猛)
音の変化  モウ:孟・猛

 モウ・たけし  犭部  
解字 「犭(いぬ)+孟(かしら)」 の会意形声。中国最古の部首別字書である[説文解字]に、「健(たけ)き犬なり」とあり、群れ犬のかしらとなる丈夫な犬をいう。勢いが激しく荒々しい犬をいい、また人に移して言う。
意味 たけし(猛し)。たけだけしい。荒々しい。「猛烈モウレツ」「猛威モウイ」「猛獣モウジュウ」「猛虎モウコ」「猛者モサ」(勇猛で荒々しい人)
<紫色は常用漢字>

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音符「巽ソン」<神におつかえする> と 「選セン」「撰セン」「饌セン」

2014年04月16日 | 漢字の音符
巽  ソン・たつみ  己部

解字 篆文第一字は「卩卩+丌(台)」の会意。卩卩は二人が台の上でそろってひざまずく形。篆文第二字は、ひざまずいた人がそろうことを示すため、二人の足に二印をつけた形。いずれも二人がそろってひざまずく形で、神におつかえする意となる。旧字は篆文第二字から変化し、「巳巳+共」からなる。本来の意味と関係なく、方位や易の八卦(組み合わせ)の一つに仮借カシャ(当て字)された。新字体は上部が、巳巳⇒己己に変化した。
意味 (1)易の八卦の一つ。風を意味する。 (2)[国]たつみ(巽)。南東の方角。十二支で表わした方位で辰(たつ)と巳(み)の間の意。辰巳とも書く。

巽(たつみ)「暮らし歳時記 十二支と方位」より

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 「仮借カシャ
(巽)
 そろってひざまずき神に「つかえる」(饌・選・撰)
音の変化  ソン:巽  セン:饌・選・撰

つかえる
 セン・サン  食部
解字 「食偏の旧字(たべもの)+巽の旧字(おつかえする)」の会意形声。神につかえて食べ物をとりそろえて、そなえること。
意味 そなえる(饌える)。食べ物を取りそろえて飲食をすすめる。そなえもの。「神饌シンセン」(神に供える飲食物。供物)「酒饌シュセン」(酒とそなえた食べ物)「撤饌テッセン」(神前の供え物を下げること。⇔ 献饌ケンセン
 セン・えらぶ  辶部
解字 「辶(ゆく)+巽(おつかえする)」 の会意形声。お仕えのため行くこと。派遣される意。また、派遣する・つかわす意が原義。のち、派遣する人をえらぶ意に用いられるようになり、この意味が主流になった。人を選ぶ意を中心に、「えらぶ・よる」意で使われる。
意味 (1)つかわす。おくる。 (2)えらぶ(選ぶ)。よる(選る)。「選挙センキョ」「選任センニン」(人を選んでその任につかせる)「選抜センバツ」「選者センジャ」(良いものを選択する人)
 セン・サン・えらぶ  扌部
解字 「扌(手)+巽の旧字(おつかえする)」の会意形声。貴人にお仕えして手で貴人の仕事を手伝うこと。特に、貴人が書物の編集をするときの手伝いをいう。えらぶ意となるが、撰者センジャと言う場合、それは貴人の名であっても、その下にいる多くの仕えている人がえらんでいる。
意味 (1)えらぶ(撰ぶ)。えらんで書物を編集する。「撰定センテイ」(多くの詩や文からよいと定めたものをえらび出すこと)「撰者センジャ」(主に古代の書物・文章などの作者。また、作品をえらび集めて歌集などにまとめる人) (2)つくる。詩文をつくる。「撰述センジュツ」(書物を述べて著わすこと)「撰文センブン」(文章をつくる)「杜撰ズサン」(いいかげんなこと。杜が撰(つく)る。中国の詩人・杜黙トモクの詩が作詩のきまりからはずれたものが多いことから)
<紫色は常用漢字>

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音符「卬コウ・ギョウ」と「昂コウ」「仰ギョウ」「迎ゲイ」「抑ヨク」

2014年04月10日 | 漢字の音符
   コウ・ギョウ <下からふりあおぎ、上からおさえる>
  コウ・ギョウ  卩部

解字 「右をむいた人+ひざまずいた人」の会意。ひざまずいた人が相手の人をふり仰ぐ意。また、右むきの人がひざまずいた人を抑える意もある。
意味 (1)あがる。(=昂)。 (2)たかぶる。(=昂)。 (3)あおぐ。(=仰)。 (4)むかえる。(=迎)

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 ひざまずいた人が相手の人を「ふりあおぐ」(仰・迎・昂)
 右むきの人がひざまずいた人を「おさえる」(抑)
音の変化  コウ:昂  ギョウ:仰  ゲイ:迎  ヨク:抑

ふりあおぐ
 ギョウ・コウ・あおぐ・おおせ  イ部
解字 「イ(人)+卬(ふりあおぐ)」の会意形声。人が相手をふりあおいで見ること。
意味 (1)あおぐ(仰ぐ)。見上げる。「仰臥ギョウガ」(あおむけに寝る)「仰角ギョウカク」(仰ぎ見る角度)「仰視ギョウシ」(仰ぎ見る) (2)あがめる。うやまう。「信仰シンコウ」「敬仰ケイギョウ」(うやまいたっとぶ) (3)おおせ(仰せ)。いいつけ。
 ゲイ・ゴウ・むかえる  之部
解字 「辶(相手が来る)+卬(ふりあおぐ)」の会意形声。相手をふり仰いでむかえる。
意味 (1)むかえる(迎える)。待ちうける。「歓迎カンゲイ」「来迎ライゴウ」(迎えに来る)「迎春ゲイシュン」(新春を迎えること) (2)相手の気持ちを推し量る。「迎合ゲイゴウ
 コウ・あがる・たかぶる  日部
解字 「日(太陽)+卬(ふりあおぐ)」の会意形声。太陽を、ふりあおぐ形で、昇ってくる太陽に向いて頭を上げ、自らの決意と意気込みを示すかたち。意気盛んなさまをいう。
意味 あがる(昂がる)。たかぶる(昂る)。たかまる。「昂然コウゼン」(自負があって意気のあがるさま)「意気軒昂イキケンコウ」(意気込みが盛んなさま。軒は高い意)「激昂ゲキコウ」(感情がはげしくたかぶる)

おさえる
 ヨク・おさえる  扌部
解字 「扌(手)+卬(おさえる)」の会意。手でおさえつけること。
意味 (1)おさえる(抑える)。おさえつける。ふさぐ。「抑圧ヨクアツ」「抑止力ヨクシリョク」「抑制ヨクセイ」(おさえとどめる)「抑揚ヨクヨウ」(上げ下げ)(2)そもそも。
<紫色は常用漢字>

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卩セツ <人のひざまずいた形> の系列字と音符

2014年04月08日 | 漢字の音符
 人のひざまずいた形をあらわした文字に卩セツがある。この字の甲骨文字を見ると一目瞭然、まさに人がひざまずいた形そのものである。人がひざまずくのは、神や貴人の前にひれふすとき、おさえられて屈服するとき、怖くてうずくまったときなど、さまざまな状況がある。卩セツは、そんな人々の状況を漢字の中で表現する役割をになっている。また、本来の形以外に、夗の右辺のように下部が曲がった形、さらに、巴や了に変化するものもある。人のひざまずいた形が、どんな音符になっているか紹介します。

          卩のかたち
 セツ  卩部ふしづくり            

解字 人のひざまずいた形の象形。甲骨文は人がひざまずき手を膝においた形で、一目でそれと分かるまさに絵文字である。篆文は頭を下げて水平にし、膝をまげた形。現在の字形は卩になった。卩は部首の「ふしづくり」になるが、単独で使われることはない。しかし、卩および、その変形字を含めて音符となる字は非常に多い。卩を含んで音符になっている字は、以下のものがある。

 レイ・リョウ  人部   

解字 甲骨文・金文は、「A(やね)+卩(ひざまずいた人)」 の会意。A(やね)は王宮や神宮の屋根で、王や神から、ひざまずいてその意志を聞く人を表す。王や神からの意志すなわち命令を意味する。篆文以降、A(やね)は𠆢と一に分離し、現代字は令になった。なお、手書きで、令の卩⇒マになるが同字である。
意味 めいずる。のり。おきて。
令を音符とする字   レイ:令・怜・零・澪・蛉・伶・玲・嶺・羚・冷・齢・鴒
              リョウ:領  リン:鈴   メイ:命

 ゴウ・ギョウ  卩部  

解字 「立った人+ひざまずいた人」の会意。ひざまずいた人が立った人をふり仰ぐ意。また、立った人がひざまずいた人を抑える意もある。
意味 ふりあおぐ。むかえる。おさえる。
卬を音符とする字  コウ:昂  ギョウ:仰  ゲイ:迎  ヨク:抑  

 イン  卩部  

解字 「上からの手+卩セツ(ひざまずいた人)」の会意。ひざまづいている人を手でおさえる形。手で抑える意が本来の意味で、甲骨文字は捕虜を表わす[甲骨文字小字典]。のち、戦国期になって手でおす意から、しるし・はんこの意味に用いる。さらに後世になって印刷の意味に使われるようになった。
意味 いん(印)。はんこ。しるす。
印を含む音符  なし。

 ソク・すなわち・つく  卩部

解字 甲骨・金文・篆文は、ご馳走を盛った器の前に人がひざまずく形。ご馳走を盛った器の前にひざまずく、つまり食事の席に「つく」こと。「すぐに」の意は、即座(席につくとすぐに)からくる。
意味 つく(即く)。すぐに。すなわち(即ち)。
即を音符とする字  ソク:即  セツ:節・櫛

𠬝 フク  又部   

解字 「卩(人のひざまづいている形)+又(手)」の会意。手で人を押さえつけて屈服させている形。
意味 おさえつける。
𠬝を音符とする字  フク:服・箙  ホウ:報  
 

          卩の下部が曲がったかたち
 エン  夕部           

解字 「タ(=月にく。からだ)+ひざまずく人」の会意。人がひざまずいて身体をまげている形。まがる意を表す。単独で使われることはない。
意味 まがる。
夗を音符とする字 エン:怨・宛・婉・豌・苑・鴛  ワン:腕・椀・碗

 ヤク・わざわい  厂部              

解字 「厂(がけ)+ひざまずく人」の会意。ガケに臨んで人が進退に窮した状態を示し、わざわい・苦しむ意となる。
意味 わざわい。苦しむ。やく。
厄を音符に含む字  ヤク:厄・扼・軛

 キ・あぶない・あやうい・あやぶむ  卩部             

解字 「人のしゃがんださま+厂(がけ)+人のうずくまるさま」 の会意。崖の上から人がしゃがんで下を見下ろし、危険を感じているさま。下でそれを見てうずくまる人を加えた形。
意味 あやうい。あぶない。
危を音符に含む字  キ:危・詭・跪  ゼイ:脆


          巴のかたち
 ユウ・むら  邑部  

解字 「囗(かこい)+人のひざまずいた形」の会意。囗イは外囲いを表し、都市の城壁をめぐらした形。そこに人のひざまずいた形を加えた邑は、城壁の中に人がひざまずいている形で、人々が支配者に管理されて住む城市を表す。現代字で、人のひざまずいた形は巴に変化した。邑が部首として右側にくるときは、阝のかたちをとり、「おおざと」と呼ばれる。
意味 みやこ。諸侯の領地。むら。さと。
邑を音符に含む字  ユウ:邑・悒

 ショク・シキ・いろ  色部           

解字 「上に乗る人+かがんだ人」の会意。かがんだ女性の上に男性が乗る形で、性交するさまを示す。セックスには容色が関係するところから、顔かたちや姿・いろどりの意味を表わす。
意味 いろ(色)。いろどり。表情。顔かたち。ようす。男女の感情。
色を音符に含む字  なし。同体異字として、絶ゼツがある。


          了のかたち
 ジョウ・ショウ・たすける  一部         

解字 甲骨文・篆文は「両手+ひざまずく人+凵(穴)」の会意。落とし穴に落ちた人を両手で助け上げる形。助ける意を表わす。現代字は、ひざまずく人⇒了に変化している。
意味 たすける(丞ける)。
丞を音符に含む字  ジョウ:丞・拯・烝・蒸


          巳(己)のかたち
 ソン・たつみ  己部

解字 篆文第一字は「巳巳(二人のひざまずく人)+丌(台)」の会意。巳巳は二人が台の上でそろってひざまずく形。篆文第二字は、ひざまずく二人の足にそろう意の横線をつけた形。この字が、もとになり現代字へと変化した。二人がそろってひざまずく形で、神におつかえする意。新字体の上部は、巳巳⇒己己に変化。本来の意味と関係なく、方位や易の八卦(組み合わせ)の一つに仮借カシャ(当て字)された。
意味 そなえる。易の八卦の一つ。たつみ(巽)。
巽を音符に含む字 ソン:巽  セン:饌・選・撰



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