漢字の音符

漢字の字形には発音を表す部分が含まれています。それが漢字音符です。漢字音符および漢字に関する本を取り上げます。

音符「亡ボウ」<人がかくれる>と「忙ボウ」「忘ボウ」「望ボウ」「妄モウ」「盲モウ」

2021年02月26日 | 漢字の音符
 ボウ・モウ・ない・ほろびる  亠部

解字 甲骨文は腰をおろした形の人の手の先にフタのようなものを当てたかたちで、物陰に人がかくれる形の象形とされる。人が亡くなることを暗示した。金文以降、形が変化し現代字で「亡」の形になった。かくれる形で、いなくなる・ほろびる・うしなう・しぬ意を表す。
意味 (1)ほろびる(亡びる)。ほろぼす。「滅亡メツボウ」「亡国ボウコク」 (2)ない(亡い)。うしなう。「亡失ボウシツ」 (3)なくなる。死ぬ。「死亡シボウ」「亡者モウジャ」 (4)にげる(亡げる)。「逃亡トウボウ」「亡命ボウメイ」(本国を脱して他国に身をよせる)

イメージ 
 「ない・なくなる」
(亡・忘・妄・忙・盲・芒・茫・肓) 
 「逃亡・亡命」(氓)
 「ボウの音」(望・虻)
音の変化  ボウ:亡・忘・忙・氓・芒・茫・虻・望  モウ:妄・盲  コウ:肓

ない・なくなる
 ボウ・モウ・わすれる  心部
解字 「心(こころ)+亡(なくなる)」 の会意形声。心の中で記憶がなくなること。
意味 わすれる(忘れる)。覚えていない。「忘却ボウキャク」「忘我ボウガ」「健忘ケンボウ」(忘れっぽい。健は程度がはなはだしい意)「忘己利他モウコリタ」(己を忘れて他人を利する)
 モウ・ボウ・みだり  女部  
解字 「女(おんな)+亡(ない)」 の会意形声。女が我をなくして、とり乱した状態。
意味  みだり(妄り)。でたらめな。「妄言モウゲン・ボウゲン」「妄想モウソウ」「妄念モウネン
 ボウ・いそがしい  忄部
解字 「忄(心)+亡(ない)」 の会意形声。することが多くて心がまともに存在しない状態をいう。
意味 いそがしい(忙しい)。あわただしい。「多忙タボウ」「繁忙ハンボウ」「忙殺ボウサツ」(非常に忙しい)
 モウ  目部
解字 「目(め)+亡(ない)」 の会意形声。目が見えないこと。
意味 (1)目が見えない。「盲人モウジン」「盲目モウモク」 (2)わからない。道理にくらい。「文盲モンモウ」「盲従モウジュウ」「盲点モウテン」 (3)一端がふさがる。「盲腸モウチョウ
 ボウ・のぎ・すすき  艸部
解字 「艸(草)+亡(ない・みえない)」 の形声。稲や麦の穂先の見えないほど細いとがったノギをいう。ススキにも枝分れした花穂に小穂が密生し、この先に細い芒があるので、ススキの意ともなる。
 小麦のノギ
意味 (1)のぎ(芒)。イネ・ムギなどの実の殻にある固い毛。「芒種ボウシュ」(二十四節気のひとつ。夏至の前の節気で、芒を持つ穀物の種を蒔く時期の意だが、日本の季節には合わない)「光芒コウボウ」(光のほさき。すじのように見える光) (2)すすき(芒)。薄とも書く。イネ科の多年草。大群落を作る草。秋の七草のひとつ。 (3)茫ボウに通じた用法。「芒洋ボウヨウ」(果てしなく広々とした=茫洋)
 ボウ  艸部
解字 「氵(水)+芒(すすき)」 の会意形声。芒が群がるように水がひろがること。ひろい・はてしない意となる。
意味 (1)ひろい。果てしない。とおい。「茫洋ボウヨウ」(果てしなく広々とした)「茫漠ボウバク」(広くはてしない) (2)ぼんやりした。はっきりしない。「茫然ボウゼン」(ぼんやりした様子)「茫然自失ボウゼンジシツ
 コウ  月部にく
解字 「月(からだ)+亡(ない・みえない)」の会意形声。身体のよく見えない部分の意から、横隔膜の上の部分をいう。
意味 からだの内部のよく見えない場所。横隔膜の上のかくれた部分。「コウコウ」(は心臓の下の部分。肓は横隔膜の上の部分。病気が治療しにくいところ。「病肓に入る」(病(やまい)肓(コウコウ)に入る)(病気が治療しにくい所まで進行したこと。コウモウは慣用よみ)

逃亡・亡命
 ボウ・たみ  氏部
解字 「民(たみ)+亡(逃亡・亡命)」 の会意形声。他の地より逃亡・亡命してきた民。民も亡も部首にないので、苦肉の策で「氏」を部首にしている。
意味 (1)たみ(氓)。移住民。亡命してきた民。「流氓リュウボウ」(流浪する民) (2)人民。庶民。「蒼氓ソウボウ」(人民。たみくさ。民のふえるさまを草に例えていう語)

ボウの音
 ボウ・モウ・のぞむ・もち  月部

解字 甲骨文は、土盛りの上に立った人(壬テイ)の上に目がつき、遠くの方を見ている形。この目は臣のかたち。臣は目の向きを変えたかたちで、ここでは遠方を見る目を表し、人が遠くをみる(のぞむ)意となり、甲骨文では望み見る・偵察する意。金文は、これに月が付き特別にながめる月である旧暦15日の満月を表す。一方、金文からこの字の発音であるボウ(亡)を臣に置き換えた「亡+月+壬テイ」があり、篆文ですっかり置き換わった。また、特定のものをながめる意から転じて、ねがう・のぞむ意ともなる。なお、現代字は下部の、壬テイ⇒王に変化している。
意味 (1)のぞむ(望む)。遠くをながめる。みわたす。「望見ボウケン」「望楼ボウロウ」(物見やぐら)(2)のぞむ(望む)。ねがう。「希望キボウ」「願望ガンボウ」「所望ショモウ」(望みねがう)(3)ほまれ。人気。「人望ジンボウ」「声望セイボウ」(4)もちづき(望月)。満月。十五夜の月。中秋の名月。
覚え方 (な)いをみたいとが所ショモウする。
 ボウ・あぶ  虫部
解字 「虫(昆虫)+亡(ボウ)」の形声。ボウボウ(ブーン)と音を出して飛ぶ虫。ボウは飛ぶ音の擬声語。
意味 あぶ(虻)。アブ科の昆虫。「虻蜂あぶはち取らず」(虻も蜂も取れないこと。あれもこれもと狙うと、どちらも手に入らないこと)
<紫色は常用漢字>

<参考音符>
 モウ・ボウ・あみ  网部
解字 「亡ボウ(ない・みえない)+网モウ(あみ)」の会意形声。网は、あみの象形、亡は「ない・みえない」意で、罔は獲物をおおい隠して(みえなくして)とらえる「あみ」を表す。網の原字。また、亡に通じて「ない」の意味を表す。
意味 (1)あみ(罔)。網する。 (2)おおう。みえない。 (3)ない。くらい。おろか。
イメージ  「あみ」 (罔・網)  おおわれて 「みえない・ない」 (魍・惘)
音の変化  モウ:罔・網・魍  ボウ:惘
音符「罔モウ」 を参照。

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音符「𠬝フク」<屈服する> と「服フク」「報ホウ」と「印イン」

2021年02月14日 | 漢字の音符
𠬝 フク  又部

解字 甲骨文字から篆文まで「人のひざまずいている姿+又(手)」の会意。手で人を押さえつけて屈服させている形。現代字は、人のひざまづく姿が卩セツになり、その下に又(て)がついた𠬝になった。𠬝フクを音符に含む字は、「屈服させる」イメージをもつ。

イメージ 
 手で人を押さえつける形から「屈服させる・する」(服・箙・報)
音の変化  フク:服・箙  ホウ:報

屈服させる・する
 フク・したがう  月部     

解字 甲骨文・金文は「凡ハン(容器)+𠬝(屈服する)」の形。篆文から凡⇒舟に変化し「舟(舟型の盤=容器)+𠬝(屈服する)」 の会意形声。舟は現代字で月となったが、この月はいわゆる舟月で、ここでは酒盃の意。屈服した捕虜(𠬝)が服従のしるしとして誓いの酒を飲む形。したがう(服従)・のむ(服用)の意となる。のちに、したがう意から体にぴたりと従う衣服の意が派生した。
意味 (1)したがう(服う)。受け入れる。「服従フクジュウ」「服属フクゾク」(服従してその勢力範囲に属する) (2)薬や茶をのむ。「服用フクヨウ」「服毒フクドク」 (3)身につける。「着服チャクフク」 (4)きもの。着るもの。「衣服イフク」「服飾フクショク」「洋服ヨウフク
 フク・えびら  竹部
 箙(えびら)
解字 「竹(たけの矢)+服(身につける)」 の会意形声。竹の矢を身につけて運ぶための道具。
意味 えびら(箙)。やなぐい。矢を入れて携帯する道具。ふつう背負ってはこぶ。「葛箙つづらえびら」(ツヅラフジで編んだ箙)
 ホウ・むくいる  土部

解字 「幸(手かせの代替字)+𠬝(屈服させる)」の会意形声。幸は、罪人などの手にはめる手かせの代替えとして使われている字(幸せの意味については幸を参照のこと)。字形は金文・篆文で「㚔ジョウ(手かせ)+𠬝フク」の形。隷書(漢代)第二字で幸の形が出現し、現代字の報となった。報は手かせを罪人にはめ後ろから押さえつける形で、罪に相当する仕返し(むくい)をすること。転じて、広い意味で、受けた恩義や行為に対して、むくいる意となる。また、仕返し(むくい)から、「かえす・返事」⇒「しらせる」意となる。すでに金文から、報答(返答する)、酬謝(お礼をする)意味で使われている。
意味 (1)むくいる(報いる)。こたえる。「報恩ホウオン」「因果応報インガオウホウ」(過去の行ないの善悪に応じて報いがあること)「報酬ホウシュウ」(労働の対価として払われる金銭)「報奨ホウショウ」(努力に報い奨励する) (2)しらせる。しらせ。「報告ホウコク」「報道ホウドウ」 (3)しかえし。「報復ホウフク」(仕返しをすること)「報復関税ホウフクカンゼイ」 


     イン <ひざまずく人を手でおさえる>
 イン・しるし   卩部ふしづくり

解字 「爪(上からの手)+卩セツ(ひざまずいた人)」の会意。ひざまずいている人を手でおさえる形。手でおさえる意が本来の意味で、甲骨文字は捕虜を表わす[甲骨文字小字典]。のち、戦国期になって手でおす意から、しるし・はんこの意味に用いる。さらに後世になって印刷の意味に使われるようになった。現代字は、爪(上からの手)が横になった形。
意味 (1)いん(印)。しるし(印)。はんこ。「印章インショウ」「印鑑インカン」 (2)しるす。「印紙インシ」(お金を納入したしるしの紙) (3)版で刷る。「印刷インサツ」「印税インゼイ」 (4)「印象インショウ」とは、英語のimpressionの訳語。心に写って長く残っている感じの意。
<紫色は常用漢字>

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音符「令レイ」<神のお告げ>と「冷レイ」「鈴レイ」「零レイ」「齢レイ」「領リョウ」「命メイ」

2021年02月10日 | 漢字の音符
 レイ・リョウ  人部

解字 甲骨文・金文は、「A(やね)+卩(ひざまずいた人)」の会意。A(やね)は王宮や神宮の屋根で、王や神から、ひざまずいてその意志を聞く人を表す。王や神からの意志すなわち命令を意味する。篆文以降、A(やね)は𠆢と一に分離し、現代字は令になった。なお、手書きで、令の卩⇒マになるが同字である。
意味 (1)命ずる。「命令メイレイ」 (2)のり。おきて。「法令ホウレイ」「訓令クンレイ」(上から下に伝達される命令) (3)おさ。長官。「県令ケンレイ」 (4)よい。りっぱな。「令名レイメイ」「令月レイゲツ」(万事をなすのによい月。めでたい月) (5)他人の親族に対する敬称。「令室レイシツ」(おくさま)「令嬢レイジョウ」(お嬢様)

イメージ  ひざまずいて神意を聴く姿から
 「神のお告げ」(令・命・怜・鴒)
 「神の予兆・きざし」(零・澪・蛉) 
 「神の音鳴り」(鈴・伶・玲)
  神が「支配する」(領・嶺・羚・冷・齢)
音の変化  レイ:令・怜・鴒・零・澪・蛉・伶・玲・嶺・羚・冷・齢  リョウ:領  リン:鈴   メイ:命

神のお告げ
 メイ・ミョウ・いのち  口部
解字 「口(くち)+令(神のお告げ)」 の会意。神がお告げを口で伝えること。
意味 (1)いいつける。おおせ。「命令メイレイ」「勅命チョクメイ」 (2)なづける。「命名メイメイ」「命題メイダイ」(題をつけること) (3)神からさずかったもの。いのち(命)。「生命セイメイ」「命脈メイミャク」 (4)天の定め。めぐりあわせ。「命運メイウン」「宿命シュクメイ」 (5)みこと。神の名に添えた敬称。「大国主命おおくにぬしのみこと
 レイ・さとい  忄部
解字 「忄(心)+令(神のお告げ)」 の会意形声。神のお告げを心で感じる人。
意味 さとい(怜い)。かしこい。「怜悧レイリ」(賢いこと。利口なこと)
 レイ  鳥部
解字 「鳥(とり)+令(神のお告げ)」 の形声。長い尾を上下に振る習性があり、その動作で神のお告げを伝える鳥。
意味 鶺鴒セキレイに使われる字。鶺鴒とは、スズメ目セキレイ科の小鳥。多く水辺にすみ、長い尾を上下に振る習性がある。 「鶺鴒台セキレイダイ」(婚礼の式に供える床飾りの一つ。鶺鴒が男女交合の道を教えたという日本書紀神代紀の説話に基いてできた)

神の予兆・きざし
 レイ・おちる・こぼれる・ゼロ  雨部
解字 「雨(あめ)+令(神の予兆・きざし)」 の会意形声。神の予兆として雨が少し降ること。
意味 (1)こぬか雨。「零雨レイウ」 (2)おちる(零ちる)。こぼれる(零れる)。おちぶれる。「零落レイラク」 (3)ごくわずか。非常にこまかい。「零細レイサイ」 (4)れい。ゼロ。「零敗レイハイ」(一点も取れずに負ける)「零下レイカ」(温度が0度以下。氷点下)
 レイ・みお  氵部
解字 「氵(みず)+零(こぼれる)」 の会意形声。中国では水名とされるが、具体的な言及はない。日本では舟の航行に適する深い水路の意で使われる。
意味 みお(澪)。内湾や河口付近で、水が流れる道すじ。舟の航行ができる水路。「みお」とは「水の緒」の意。水脈・水尾とも書く。
 みおつくし(大阪市章の起源)
「澪標みおつくし」(舟に航路を知らせるため立てた杭。澪つ串=澪木。)「澪木みおぎ」「澪杙みおぐい
 レイ  虫部
解字 「虫(むし)+令(=零。わずか)」 の形声。羽化してからわずかな命しかない虫。
意味 「蜻蛉とんぼ」(透明な二対の羽で軽快に飛ぶ昆虫)「蜻蛉かげろう」(トンボに似ているが小さくはかない命の昆虫)に使われる字。

神の音鳴り
 レイ・リン・すず  金部
解字 「金(金属)+令(神の音鳴り)」 の会意形声。神が来たしるしの鳴り音をひびかせる金属のすず。神が来るとき、かすかに音がするといわれる。
意味 すず(鈴)。振って鳴らす用具。りん。「風鈴フウリン」「駅鈴エキレイ」「鈴生(すずな)り」(果実が神楽鈴のようにむらがって房をなすこと)
 レイ  イ部
解字 「イ(ひと)+令(神の音鳴り)」 の会意形声。神の音鳴りを演奏する人。
意味 (1)音楽を奏する人。楽人。わざおぎ。「伶人レイジン」「伶官レイカン」(宮廷で音楽を奏する役の人) (2)かしこい。さとい。(=怜)
 レイ  王部
解字 「王(玉)+令(神の音鳴り)」 の会意形声。神の音鳴りがする玉の意で、玉が触れ合って鳴る音をいう
意味 玉が触れ合って鳴る音。「玲玲レイレイ」「玲瓏レイロウ」(①玉などが美しい冴えた音をたてる。②美しくすきとおる。)「秋玲瓏あきレイロウの空」(透き通るように美しい秋の空)

支配する
 リョウ・うなじ・えり  頁部  
解字 「頁(あたま)+令(支配する)」 の会意形声。頭の下にあって頭を支え支配しているえりくび。
意味 (1)えりくび。うなじ(領)。えり(領)。「領袖リョウシュウ」(エリとそで。人目について一番目立つことから、人のかしらに立つ人。おさ。親分) (2)おおもと。かなめ。「要領ヨウリョウ」「綱領コウリョウ」 (3)治める。支配する。「領地リョウチ」「占領センリョウ」「大統領ダイトウリョウ」 (4)受け取る「領収リョウシュウ
 レイ・みね  山部
解字 「山(やま)+領(えりくび)」 の会意形声。山のいただき(頭)のすぐ下の所(えり首)や峠道をいうのが本来の意。のち、峰(いただき)や、連峰の意となった。
意味 (1)みね(嶺)。山のいただき。「嶺雲レイウン」(嶺の上にかかる雲) (2)尾根。峰つづき。やまなみ。「嶺南レイナン」(山なみの南) (3)やまみち。とうげみち。「八達嶺ハッタツレイ」(八方に道が達する峠。北京郊外の交通の要所で万里の長城がある)
 レイ・かもしか  羊部
解字 「羊(ひつじ)+令(=嶺。やまなみ)」 の会意形声。山にすむ羊のような動物。
意味 (1)かもしか(羚)。羚羊かもしか。日本では高山にすむ鹿のような哺乳動物。 (2)レイヨウ(羚羊)。ウシ科の哺乳類の一群で、多くはアフリカ・アジアの草原や砂漠にすむものの総称。「羚羊角レイヨウカク」(羚羊の角。漢方薬になる)
 レイ・つめたい・ひえる・ひや・ひやす・ひやかす・さめる・さます  冫部
解字 「冫(こおり)+令(支配する)」 の会意形声。氷のつめたさが辺りを支配すること。
意味 (1)ひえる(冷える)。ひやす(冷やす)。さます(冷ます)。「冷気レイキ」「冷害レイガイ」 (2)つめたい(冷たい)。心がつめたい。ひややか。「冷淡レイタン」「冷酷レイコク」 (3)おちついている。「冷静レイセイ
 レイ・(よわい)・(とし)  歯部  
解字 「歯(は)+令(支配する)」 の会意形声。歯を通じて神の支配が示される命の長さ。歯の生え具合や減り具合で年齢がわかるので、よわい・としの意となる。
意味 よわい(齢)。とし(齢)。寿命のながさ。「年齢ネンレイ」「学齢ガクレイ」(義務教育を受けさせる年齢)「樹齢ジュレイ」「月齢ゲツレイ」(新月を零として起算する日数)
 レイ  囗部
解字 「囗(かこみ)+令(支配する)」 の会意形声。囗(囲み)に入れて人を支配すること。ひとや・牢屋をいう。
意味 ひとや。牢屋。牢獄。「囹圄レイギョ」(囹も圄も、ひとやの意)「囹圉レイギョ」(囹も圉も、ひとやの意)
<紫色は常用漢字>

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音符「幸コウ」<運がよかった> と「執シツ」「摯シ」 

2021年02月07日 | 漢字の音符
 19世紀末に甲骨文字が発見され解読が進むと、幸が含まれる報ホウ・執シツ・圉ギョなどの幸は甲骨文字で手枷てかせ(手錠)に当たることが明らかになったため、幸も「手枷だけの刑罰ですむのは思いがけない幸せ」などという解釈が広がってしまった。何しろ[常用字解]や[字統]が手枷説なので私も疑うことなく、この説を載せていた。では、反省をこめて、[説文解字]は、幸せの意味をどんな字で、どういう意味付けをしていたのか。改めて調べました。

 コウ・さいわい・さち・しあわせ  干部

解字 篆文(説文解字)は、「夭(=夭折ヨウセツ。わかじに)ギャク(さかさ)」の会意。意味は夭折ヨウセツ(若くして死ぬこと)の反対で、長生きすること。疫病や戦争で多くの人が亡くなる古代において人が長生きすることは「運がよかった」「さいわい(幸運)だった」という意。さらに転じて、しあわせ(幸福)の意味ともなる。字形は隷書(漢代)で、「犬+羊」や「大+羊」「土+羊」などの字が乱立するなか、楷書に至って幸の字が定着してきた。従って幸の字の意味は、篆文の「夭+屰ギャク」から解釈すべきである。
 19世紀末になり甲骨文字が発見され解読が進むと、幸が含まれる報ホウ・執シツ・圉ギョなどの幸は甲骨文字で手枷てかせ(手錠)に当たることが明らかになったため、幸も「手枷だけの刑罰ですむのは思いがけない幸せ」などという解釈が広がってしまった。何しろ[常用字解]や[字統]が手枷説なので私も疑うことなく、この説を載せていた。
 では、[説文解字]は、手枷の意味の字を、どう表現していたのだろうか。以下が手枷に当たる字の変遷である。

 甲骨文は手枷の象形。金文から形が変わり、篆文(説文解字)では、上が大、下が𢆉の㚔ジョウという字になっている。この字が手枷にあたる字で、圉ギョや執シツの篆文では、㚔が描かれている。しかし、[説文解字]の著者・許慎は、この字が手枷であることは知らずに「大と𢆉に従う。大声なり」と説明している。甲骨文字が発見されるのは、その1800年後であるから、わからないのは当然といえる。因みに、南北朝時代の梁(543年頃)で編纂された漢字字典『玉篇』によれば、『「㚔」は「幸」とは別の字だったが、漢の時代以降「幸」と混同された』と説明している。特に、しあわせの意の「幸」の単独字は楷書になってようやく出現するほど頻度が低かった。
意味 (1)さいわい(幸い)。思いがけない幸運。(=倖)「僥幸ギョウコウ」 (2)さいわいに(幸いに)。「幸便コウビン」(ちょうどよいついで) (3)さち(幸)。しあわせ(幸せ)。「幸福コウフク」「幸甚コウジン」(非常な幸せ) (4)みゆき(幸)。天子のお出まし。「行幸ギョウコウ」「巡幸ジュンコウ」 

イメージ 
 「思いがけないしあわせ」
(幸・倖) 
  元の字は「手かせ」(圉)
音の変化  コウ:幸・倖  ギョ:圉

思いがけないしあわせ
 コウ・さいわい イ部
解字 「イ(ひと)+幸(思いがけない幸せ)」の会意形声。幸の原義は、思いがけない幸せの意。イ(人)を付けて原義を表した。
意味 (1)さいわい(倖い)。思いがけないしあわせ。「僥倖ギョウコウ」(偶然の幸運)「倖利コウリ」(思いがけない利益)「射倖心シャコウシン」(偶然の利益を得ようとする欲心。=射幸心) (3)気に入る。分をこえて愛される人。「倖臣コウシン」(お気に入りの家来)

手かせ
 ギョ・ゴ・ひとや  囗部

解字 甲骨文は「囗(かこい)+手枷また手枷を嵌められた人」の会意形声。手かせをして囲いに入れられること。字形は金文から囗の中が㚔になり、隷書から幸の字が出現し、現代字の圉になった。また、馭ギョ(馬をあやつる)に通じ、馬飼いをいう。
意味 (1)ひとや(圉)。罪人を入れておく所。牢獄。「囹圉レイギョ」(囹も圉も、牢屋の意) (2)馬飼 いの役人。「圉人ギョニン」「馬圉バギョ」(馬を飼う)



     シツ <しっかりと捕まえる>
 シツ・シュウ・とる  土部     

解字 甲骨文は「手枷(てかせ)+両手を出してひざまずいた人」の形。両者を合わせた執は、坐って手を出している人の両手に手かせをはめ、しっかりと捕まえたさま。罪人をとらえるが原義。金文は手枷の形が変化し、第2字で篆文につながる㚔ジョウの字が出現し、篆文では両手を出した人が丮ケキになった。隷書第2字で執が出現し現代に引き継がれている。意味は、しっかりと罪人をとらえる意から、「とる・手にとる」、捕まえて放さないことから「こだわる・しつこい」意となる。
意味 (1)とる(執る)。手にとる。とり行う。「執刀シットウ」「執筆シッピツ」 (2)あつかう。つかさどる。「執事シツジ」 (3)こだわる。しつこい。「執念シュウネン」「固執コシツ・コシュウ」「執心シュウシン

イメージ 
 「しっかりと捕まえる」
(執・摯・蟄・鷙・贄)
音の変化  シツ:執  シ:摯・贄・鷙  チツ:蟄

しっかりと捕まえる
 シ  手部
解字  「手(て)+執(しっかりと捕える)」の会意形声。手でしっかりと捕えること。つかむ意のほか、しっかりと受け止めることから、まこと・まじめの意がある。
意味 (1)つかむ。もつ。にぎる。「摯執シシツ」(しっかりととらえる) (2)まこと。まじめ。「真摯シンシ」(まじめでひたむき)「摯実シジツ」(まじめで誠実)
 チツ・チュウ・かくれる  虫部
解字 「虫(むし)+執(しっかりと捕える)」の会意形声。虫が捕えられたように土の中で冬ごもりすること。また、それを人に移していう。
意味 かくれる(蟄れる)。虫が地中にとじこもる。「蟄虫チツチュウ」(地中で冬籠りする虫)「啓蟄ケイチツ」(冬籠りの虫がはい出ること。啓は始める意)「蟄居チッキョ」(外出しないで家にこもること)
 シ 鳥部
解字 「鳥(とり)+執(しっかりと捕える)」の会意形声。するどい爪で獲物をしっかりと捕える猛禽類の鳥。
意味 (1)あらどり。ワシ・タカなどの猛禽類の総称。「鷙鳥シチョウ」(あらあらしい鳥。猛鳥)「鷙禽シキン」(猛鳥) (2)あらあらしい。「鷙悍シカン」(たけだけしい)「鷙勇シユウ」(たけだけしい)「鷙戻シレイ」(荒々しくて道理にさからう)
 シ・にえ  貝部
解字 「貝(財貨)+執(=摯。つかむ・もつ)」の会意形声。財貨を手にもって差し出す意。人と会見するとき贈る礼物を言った。[春秋左氏伝]には「男の贄は、大なる者は玉帛(玉と絹織物)、小なる者は禽鳥(鳥類)」とあり、貝(財貨)は玉や絹織物などを表している。そして財貨以外の物として禽鳥が挙げられているが、日本では神や朝廷にたてまつる土地の産物の意味で用いた。
意味 (1)あいさつの贈り物。手土産。「贄敬シケイ」(敬って差し出す贈り物の意で、初めて人を訪問するとき、また入門するときの進物)「贄見シケン」(贈り物を持って師に会う。入門する) (2)[国]にえ(贄)。神や朝廷にたてまつる土地の産物。「大贄おおにえ」(立派なにえ)「生贄いけにえ」(魚や鳥などを生きたままで贄とすること。転じて人がある目的のため犠牲になること)
<紫色は常用漢字>

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「貴社キシャ」「御社おんシャ」「弊社ヘイシャ」

2021年02月04日 | 漢字の音符
 就職活動によく使われる言葉である「貴社キシャ」「御社おんシャ」「弊社ヘイシャ」の違いは何でしょうか。どうしてこれらの字が使われるのでしょうか。

 キ・たっとい・とうとい・たっとぶ  貝部          

解字 篆文の上部は、逆Y字形のものを両手で持つかたち。ケンの字では、下の㠯(𠂤タイの変化形=祭肉)を持つ形であり、貴では、下の貝(財貨)を両手で持つ形。貴重なものを持つことから、転じて、とうとい意となる。現代字は上部が「中+一」の形に変化した。
意味 (1)とうとい(貴い)。たっとい。身分や価値が高い。「高貴コウキ」「貴金属キキンゾク」 (2)たっとぶ(貴ぶ)。とうとぶ。 (3)相手への敬意を表す語。「貴殿キデン「貴社キシャ」(相手方の会社の尊敬語)

 ギョ・ゴ・おん  彳部

解字 甲骨文字はひざまずいた人が杵(きね)形の信仰対象物に祈っているかたち。人に降りかかる災厄をふせぐ祈りで禦ギョ(ふせぐ)の原字とされる。杵形の信仰対象物は二種が描かれている。金文第1字は杵形の中央がへこんだ新しいタイプ。第二字は杵形の上部ふくらみが横斜めの「𠆢」に変化し、彳(ゆく)と止(あし:あるく)が付いた。「彳+止(あし)」は足で進む意であり、杵形の信仰対象物は貴人の動きを示す形に変化し、天子と諸侯の行為や所有物に添える敬語の意味になった。字形は金文の止が、篆文で杵形の下につき、現代字の御へと変化した。
 なお、御の発音ギョは馬をあやつる馭ギョに通じ、金文の時代から馬や馬車をあやつる意や、その仕事をする官名などの意になっている。
意味 (1)天子と諸侯の行為や所有物にたいする敬語。「御幸ギョコウ・みゆき」(天子の外出。行幸)「御衣ギョイ」(天子の衣服)「御璽ギョジ」(天子の印)「御物ギョブツ」 (2)[国]おん(御)。お(御)。ご(御)。尊敬または丁寧の意を表す語。「御意向ごイコウ」「御菓子おカシ「御社おんシャ」(相手の会社にたいする尊敬語) (3)馬や馬車をあやつる。あやつり使いこなす。「御者ギョシャ」(①馬や馬車をあやつる人。②従者)「制御セイギョ」「統御トウギョ」 (4)官吏。「御史ギョシ」(中国の官名。時代により役割が異なる)「女御ニョウゴ」(女官) (5)ふせぐ。まもる。「防御ボウギョ」(=防禦)

ヘイとヘイ 
 ヘイ・やぶれる  攵部         

解字 甲骨文第1字は、布の象形である巾と道具を手に持った手の形である攴ボクに従い、布を打ってぼろぼろにして破るさま。第2字は布の破片を表す小点を加えた形[甲骨文字辞典]。しかし、意味は地名になっている。篆文は布の破片がハに変わり、巾の上下にハを配し横に攴を付けた。現代字は攴⇒攵に変化した敝になった。意味は、やぶれる意のほか、つかれる・自分への謙称となる。
意味 (1)やぶれる(敝れる)。やぶる。こわれる。ぼろぼろになる。「敝衣ヘイイ」(やぶれた着物)「敝履ヘイリ」(やぶれた履き物)「敝屋ヘイオク」 (2)つかれる。よわる。おとろえる。 (3)自分のことにつける謙称。「敝国ヘイコク」(自分の国の謙称)
 ヘイ・やぶれる・ついえる  廾部
解字 旧字は「廾(両手)+敝(打ってだめにする)」の会意形声。この字は古くは敝ヘイの下に「犬」や「大」を付けていたが、楷書から廾が付いた弊があらわれ、この字が一般的になった。意味は音符字である敝とほとんど同じであり、敝の代わりに弊が使われることが多い。従って下に犬や大がついた字を解字しても紛らわしくなるだけであり省略した。「敝にさらに廾キョウ(両手)をつけて、意味を明確にした」と覚えればよいと思う。この字は新字体で左上部がハ⇒ソに変化する。
意味 (1)やぶる。やぶれる(弊れる)。「弊衣ヘイイ」(=敝衣。やぶれた衣)「弊履ヘイリ」(はき古した履物) (2)つかれる。「疲弊ヒヘイ」 (3)わるい。よくない。「弊害ヘイガイ」「語弊ゴヘイ」(誤解をまねきやすい言い方) (4)ついえる(弊える)。負けてくずれる。たおれる。 (5)自分を謙遜する語。「弊居ヘイキョ」(粗末な住宅。拙宅)「弊店ヘイテン「弊社ヘイシャ

まとめ
貴社キシャは、相手の会社に対する尊敬語。
御社おんシャも、相手の会社に対する尊敬語であるが、この語が使われだしたのは比較的新しく1990年代からとされる。先日(2021年1月末)NHKテレビで昭和50年代の学生の就職活動が紹介されていたが、学生がリクルートスーツを着るようになってから、「御社」という言葉が流行りだしたそうである。それまで学生は学生服を着て面接に臨んでいた。私もその年代で、当時「御社」という言葉は聞いたことがなかった。
弊社ヘイシャは、自分を謙称する弊に社をつけた語。この言葉は比較的古くから使われ、「日本国語大辞典」には明治9年8月3日の「郵便報知新聞」に「弊社新築の石造室が竣工した」という記事があるという。また、昭和10年編集の「大言海」にも「弊社ヘイシャ 己(おのれ)ノ会社ナドノ謙称」と出ている。しかし、「貴社」はない。
 因みに私の持っている昭和43年発行の「広辞苑」には、「貴社キシャ 他の社の敬称」「弊社ヘイシャ 自分の社の謙称」と出ているが「御社おんシャ」の項はない。

 私は「弊社」という言葉は好きでない。それは「敝」「弊」という漢字が、その成り立ちから分かるように、布をたたいて破るという意味の語であるからである。弊社というと、私には、へりくだりすぎる感じがする。中国ではどんな漢字を使っているのか調べてみると、弊社は我们(們)公司(wǒmen gōng sī)である。(敝公司bì gōng sī という言い方もあるそうだ)。弊社の代わりに使っても良いと思われる当社も我们公司。貴社は贵公司(guì gōng sī)、御社も贵公司で、日本と同じく貴を使っている。

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音符「唐トウ」<つきかためる・かたい> と「糖トウ」

2021年02月01日 | 漢字の音符
 トウ・から  口部                  

解字 篆文は、「口(場所)+庚コウ」の会意。部首は口。コウ は、十干の「かのえ」に仮借カシャ(当て字)されているが、元の意味は、キネ状のものを両手で持ち上げて搗く意。それに口(場所)を加えた唐は、ある場所を搗き固める意で、塘トウ(つき固めた堤)の原字。しかし、もとの意味でなく中国の王朝名として用いられる。また、蕩トウ(思うまま)に通じ、荒唐という熟語で、大きなことを言う意味ともなる。字体は隷書レイショ(漢代の役人などが主に使用した字体)から大きく変り、現代字はさらに変化した唐になった。唐を音符に含む字は、「つきかためる」「かたい」イメージを持つ。
意味 (1)中国の王朝名。「遣唐使ケントウシ」「唐三彩トウサンサイ」 (2)から(唐)。もろこし。むかし中国を指して言ったことば。「唐物からもの」「唐紙からかみ」「唐織からおり」(中国渡来の織物、またそれに似た織物) (3)大言。ほら。「荒唐コウトウ」 (4)だしぬけ。「唐突トウトツ

イメージ 
 「つきかためる」
(唐・塘・溏)
 つきかためて「かたい」(糖)
音の変化  トウ:唐・塘・溏・糖

つきかためる
 トウ・つつみ  土部
解字 「土(つち)+唐(つきかためる)」の会意形声。土を搗きかためること。溝を掘り、出た土を左右に積み上げ突き固めてできる堤。溝に水がたまると池になる。池は日本では庭園の池のイメージが強いが、本来は人工的な堀をいう。
意味 (1)つつみ(塘)。どて。「堤塘テイトウ」(つつみ)「池塘チトウ」(池のつつみ。池) (2)いけ。ためいけ。溏トウと同じ。「塘堰トウエン」(ためいけ)
 トウ・ドウ・いけ  氵部
解字 「氵(みず)+唐(=塘)」の会意形声。唐は塘つつみの略体。氵(みず)がついた溏は、両側の塘つつみに挟まれた池をいう。塘の意味(2)と同じ。
意味 (1)いけ(溏)。ためいけ。 (2)どろ(泥)。どろどろ。「溏心蛋トウシンタン」(半熟煮卵) (3)[国]姓。「溏田いけだ

かたい
 トウ・あめ  米部
 南会津の「水あめ」作り
解字 「米(こめ)+唐(かたい)」の会意形声。米などを蒸し、麦芽をまぜて発酵させて作る飴(あめ)のうち、固いあめをいう。中国では、固いあめを糖トウ、水あめなどのやわらかいあめを飴と使い分ける。のち、砂糖の意味になった。
意味 (1)あめ(糖)。「麦芽糖バクガトウ」(①麦芽で作ったあめ。②水飴の主成分。二糖類の一つ。マルトース)「飴糖イトウ」(麦芽糖) (2)さとう。「砂糖サトウ」「糖衣錠トウイジョウ」(糖で外側を包んだ錠剤) (3)甘みのある炭水化物。「糖分トウブン」「血糖ケットウ」「糖尿トウニョウ
参考 麦芽を使ったサツマイモの水あめ作り(中国) 以下をクリック↓
https://haokan.baidu.com/v?vid=17638485039411130192&pd=pcshare

<紫色は常用漢字>

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