先住民族関連ニュース

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大佛次郎賞に渡辺京二氏

2010-12-21 | アイヌ民族関連
(朝日新聞 2010年12月21日5時0分)
 ジャンルを問わず優れた散文作品を対象とする第37回大佛(おさらぎ)次郎賞は、渡辺京二氏の評論『黒船前夜――ロシア・アイヌ・日本の三国志』(洋泉社、3045円)に決まった。
 幕末の「黒船来航」の100年も前から、現在の北海道、千島、樺太などをはさんで、東方に進出してきたロシア人と日本人の接触があった。そこはまた、アイヌ民族の天地でもある。従来論じられることの少なかった北方の異文化接触の有りようを、文献資料を元に事件や人物のエピソードを織り込みながら「三国志」として生き生きと描きだした作品。
 贈呈式は来年1月27日午後4時から東京・日比谷の帝国ホテルで、朝日賞、大佛次郎論壇賞などとともに行われる。
http://www.asahi.com/culture/update/1221/TKY201012200512.html

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アイヌ民族に奨学制度 札幌大「文化・言語の担い手に」

2010-12-21 | アイヌ民族関連
(朝日新聞 2010年12月20日10時52分)

 アイヌ民族を対象にした奨学制度が、札幌大学(札幌市、宮腰昭男学長)で今年度から始まった。民族の文化や歴史を学び、さらにアイヌ語の担い手になってもらう目的で、意欲あるアイヌ民族の子弟を受け入れる「ウレシパ・プロジェクト」だ。
 ウレシパは「育て合い」を意味するアイヌ語。今年度、学科試験と面接を経て入学した「ウレシパ奨学生」は6人。すでに大学を卒業した30代の社会人もいる。奨学生には、入学金、4年間の授業料とも大学側が全額(計328万円)を負担する。
 全員が文化学部に属し、通常の専攻に加えて「ウレシパ特別コース」としてアイヌ語やアイヌ文化、北方史を履修。週2日、アイヌ民族ではない学生も加わり、アイヌ語や民族の歴史・文化を勉強する学習会も開かれる。
 「アイヌ民族の血が、後ろめたいものではないことを肯定するチャンスと思った」とウレシパ奨学生の一人、北海道苫小牧市出身の岡田勇樹さん(33)は話す。民族の文化や歴史はほとんど知らず、「アイヌ民族なのに『何もない』のは屈辱的」と思っていた。将来はアイヌ文化にかかわりたい考えという。
 同じ奨学生で浦河町出身の北嶋由紀さん(37)は、アイヌ民族であることをずっと隠してきた。差別されたと感じたときに、アイヌ民族のことを知らないために相手に言い返せない自分がいることに、ふと気づいた。「学芸員と図書館司書の資格を取り、子どもたちに正しい知識を教えたい」
 本田優子・文化学部長は「アイヌ民族は日本でも少数派。多数派が『異なるもの』の価値を認めれば、社会全体が豊かになる」と話す。(神元敦司)
http://www.asahi.com/edu/news/TKY201012200099.html

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