(読売新聞2010年12月23日 )
稽古でオセロとその妻を演じる俳優(12日、仙台市青葉区で) 「この、ほでなす(ばかもの)」「ちゃっこい(小さい)舟さ集めろ」「しんぺ(心配)でござりすな」――。シェークスピアの名作を東北弁で演じる仙台市の劇団「シェイクスピア・カンパニー」が23日から、約5年ぶりの新作「アトゥイ・オセロ」を上演する。4大悲劇の一つ「オセロ」を元に、舞台を幕末の北海道へ置き換えた意欲作。稽古場では仙台弁や南部弁など、東北地方の方言のセリフが飛び交っていた。
「オセロ」はイタリアやキプロス島を舞台に、黒人の将軍オセロが部下にそそのかされて美しい白人の妻を、浮気を疑って殺害するが、妻の無実を知り、自ら命を絶つ悲劇だ。新作名の「アトゥイ」とはアイヌ語で海を意味し、オセロはアイヌ民族、妻は仙台藩の娘に置き換えた。
劇団を主宰する下館和巳・東北学院大教授(55)は英国留学中、役者が出身地の方言を使ったシェークスピア演劇に接し、「方言だからこそ生き生きとした感情表現ができる」と考えた。
例えば、劇中でオセロが妻を殺すことを決めた時、1人で繰り返してつぶやく有名なセリフ「このためなんだ……」は、「んだがらだ……」となる。
93年に同劇団を旗揚げし、これまで7作品を上演し、新作の発表は「破無礼」(ハムレット)以来、約5年ぶり。その上「オセロは愛の悲劇の最高傑作。もろく崩れやすい愛の本質をしっかりと描きたかった」と構想にも時間がかかった。
「シェークスピア作品を身近に感じてもらいたい」と下館さん。オセロ役で青森県八戸市出身の?守勇さん(39)は「久々の新作だが、方言が体にしみこんでいるので演じやすい」と意気込んでいる。
公演は26日まで。仙台市青葉区のエル・パーク仙台で。問い合わせは劇団事務局(090・5840・1103)。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/miyagi/news/20101222-OYT8T01147.htm
稽古でオセロとその妻を演じる俳優(12日、仙台市青葉区で) 「この、ほでなす(ばかもの)」「ちゃっこい(小さい)舟さ集めろ」「しんぺ(心配)でござりすな」――。シェークスピアの名作を東北弁で演じる仙台市の劇団「シェイクスピア・カンパニー」が23日から、約5年ぶりの新作「アトゥイ・オセロ」を上演する。4大悲劇の一つ「オセロ」を元に、舞台を幕末の北海道へ置き換えた意欲作。稽古場では仙台弁や南部弁など、東北地方の方言のセリフが飛び交っていた。
「オセロ」はイタリアやキプロス島を舞台に、黒人の将軍オセロが部下にそそのかされて美しい白人の妻を、浮気を疑って殺害するが、妻の無実を知り、自ら命を絶つ悲劇だ。新作名の「アトゥイ」とはアイヌ語で海を意味し、オセロはアイヌ民族、妻は仙台藩の娘に置き換えた。
劇団を主宰する下館和巳・東北学院大教授(55)は英国留学中、役者が出身地の方言を使ったシェークスピア演劇に接し、「方言だからこそ生き生きとした感情表現ができる」と考えた。
例えば、劇中でオセロが妻を殺すことを決めた時、1人で繰り返してつぶやく有名なセリフ「このためなんだ……」は、「んだがらだ……」となる。
93年に同劇団を旗揚げし、これまで7作品を上演し、新作の発表は「破無礼」(ハムレット)以来、約5年ぶり。その上「オセロは愛の悲劇の最高傑作。もろく崩れやすい愛の本質をしっかりと描きたかった」と構想にも時間がかかった。
「シェークスピア作品を身近に感じてもらいたい」と下館さん。オセロ役で青森県八戸市出身の?守勇さん(39)は「久々の新作だが、方言が体にしみこんでいるので演じやすい」と意気込んでいる。
公演は26日まで。仙台市青葉区のエル・パーク仙台で。問い合わせは劇団事務局(090・5840・1103)。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/miyagi/news/20101222-OYT8T01147.htm