先住民族関連ニュース

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アイヌ文化から北方諸島の問題を考える

2011-01-20 | アイヌ民族関連
(レイバーネット 2011-01-19 )
投稿者: 加藤登

 千島(クリル)列島と樺太(サハリン)からなる北方諸島は、アイヌ(エンチゥ)、ウィルタ、ニブヒら北方先住民族の領域でした。諸民族はここを舞台に大陸やカムチャツカ方面との交易で栄えました。アイヌの場合、外洋船イタオマチプに乗って毛皮などを売り、中国産品(「蝦夷錦」が有名)などを得ました。アイヌはニブヒや元朝と戦争も行い(13世紀)、それが英雄叙事詩ユカラにも反映されているといわれます。また、オホーツク文化のアイヌ文化への浸透、アイヌモシリ(北海道)では途絶えたが樺太では残っていたアイヌ民族楽器トンコリ、ウィルタ・ニブヒからアイヌに伝来し変化したとされる民族楽器へニュード、千島の島々の名がアイヌ語であることなど、様々なことが想起されます。このように、北方諸島では先住民族の独自の文化圏が育まれていたのです。
 ところが北方諸島は、1855年の日露通好条約以降、日本とロシアの近代国家形成や帝国主義的な領土分割によって、勝手に国境が引かれました。諸民族は自由な交易を断たれてしまいました。国境画定にともないエンチゥ(樺太アイヌ)やロシア語・英語を話せるためスパイ扱いされた千島アイヌは強制移住で翻弄されました。アイヌ民族は皇民化により文化が抹殺されようとしました。第二次大戦後は、日ロが「北方領土問題」を争っています。しかし、日本がいう「固有の領土論」もロシアがいう「戦勝論」も、先住民族を無視しており誤りです。両国は北方先住民族を抑圧した歴史を反省しなければなりません。暮らしと文化を奪われた先住民族の視点から、「領土」問題を相対化する、ポストコロニアルなアプローチがぜひとも求められます。
 おりしも2007年に「先住民族の権利に関する国連宣言」が成立し、アイヌら北方諸民族には先住権-自治権が生じています(第3条自己決定権、第4条自治権ほか)。同宣言に賛成した日本はこれを尊重すべきで、棄権したロシアは態度を見直すべきです。北方諸島の問題は、日ロ二国間だけで4島の帰属を争う「領土問題」に一面化することはできず、世界史的な先住民族の復権の問題として読み変えることが不可欠です。しかし2009年の「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会報告書」は、従来より踏み込んで北方諸島の歴史を書きながら、自治権を提起しない限界を抱えていました。報告書を受けて活動している「アイヌ政策推進会議」が、北方諸島問題に関し何もしていない点は問題です。
 日本とロシアは戦争の歴史を反省して、1956年の日ソ共同宣言以降、課題にのぼっている平和条約を締結すべきでしょう。その際、「北方領土」交渉においては、政治利用ではなく先住民族の復権の見地から、アイヌ民族らの交渉参加が保障されねばなりません。南米先住民族が要求してきた越境権・自由往来権(国連宣言36条)は、北方諸島でも適用されるべきです。日ロ二国間での解決は難しく、現代版信託統治なども選択肢に国連の協力を得て、自治権を具体化することが問われます。乱開発には反対しつつ、先住民族によるエコツアーなどを整備し、北方諸島を自然と人間の、また諸民族の共生区にしていきましょう。

http://www.labornetjp.org/news/2011/1295423485220staff01

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樺太国境標石の複製展示 函館

2011-01-20 | 先住民族関連
(北海道新聞 01/19 13:58)

 北大スラブ研究センター(札幌)は20日、樺太(サハリン)の旧日ロ国境線に置かれた「国境標石」の複製の展示を函館市中央図書館(五稜郭町)で始める。同センターが昨年作ったもので、函館での展示は初めて。
 日露戦争後の1905年(明治38年)、樺太はポーツマス条約で北緯50度以南が日本領となり、北緯50度線上に国境標石が4基設置された。そのうち1基は現在、根室市歴史と自然の資料館が所蔵している。
 展示するのは1949年に旧ソ連が撤去し、所在不明になっている第3号標石の複製。日本側には菊の紋章、裏側にはロシアの国章「双頭の鷲(わし)」が刻まれている。
 同センターの木山克彦研究員は「日本に陸の国境があったことを示す象徴」と説明している。
 今回は函館市中央図書館との共催で旧国境をテーマに展示会を企画。同センターからはほかに国境画定作業を撮影した「写真帖(ちょう)」の複製、根室と国後島をつないでいた通信ケーブルが展示され、同館は所蔵する戦前の樺太の絵はがき約70点を紹介する。
 また、23日午後1時からは同館で関連セミナーが開かれ、北海道新聞の相原秀起編集委員と同センターの井澗(いたに)裕研究員が講演。相原編集委員はユジノサハリンスク駐在時代に国境標石を持ったロシア人と出会い、根室市が譲り受けるきっかけをつくった。
 企画展は2月15日まで。水曜日休館。問い合わせは同館(電)0138・35・6800へ。(則定隆史)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki2/269201.html

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アイヌ民族の知財保護例報告 阿寒湖温泉でシンポ閉会

2011-01-20 | アイヌ民族関連
(北海道新聞 01/19 09:20)

 【阿寒湖温泉】アイヌ100+ 件民族など先住民族の知的財産保護に関する国際シンポジウム(北大アイヌ・先住民研究センター主催)は2日目の18日、釧路市阿寒湖温泉のホテルで、アイヌ民族や国内外の研究者が知的財産保護などについて事例報告を行って閉会した。
 報告をしたのは、国内とカナダ、米国、台湾の研究者、同温泉と日高管内平取町二風谷のアイヌ100+ 件民族の計12人。床州生(とこしゅうせい)・阿寒アイヌ工芸協同組合理事は、阿寒湖温泉のホテルが客室のデザインに文様を取り入れる際、正しく使用してもらおうと監修したことを紹介。「アイヌ民族が主体的に知的財産を守れるように、国内でもシステムの構築を提案したい」と述べた。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/culture/269147.html

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木村拓哉:民放大河で南極大陸に挑む!

2011-01-20 | 先住民族関連
(毎日新聞  2011年1月19日)
TBS日曜劇場で越冬隊副隊長役 台本を読むたび「熱い」
木村拓哉さんが主演する新ドラマの舞台は南極大陸(写真提供:国立極地研究所) アイドルグループ「SMAP」の木村拓哉さん(38)が、10月期のTBS系連続ドラマ「日曜劇場」枠の「南極大陸~神の領域に挑んだ男と犬の物語~(仮)」に、南極越冬隊副隊長役で主演することが19日、明らかになった。2月にクランクインし、撮影に半年以上かける“大作”で、TBSでは「日曜夜8時はNHK大河ドラマ、そして夜9時からは民放の大河ドラマが始まる」と意気込んでいる。
 TBSは開局60周年記念に連続ドラマの大作を投入する。原案は北村泰一さんの「南極越冬隊タロジロの真実」(小学館)。木村さんが演じるのは、第1次南極越冬隊副隊長であり、地質学の研究者でもある倉持岳志で、戦後最大の国家プロジェクトとなった南極観測を、熱いきずなで結ばれた仲間や樺太犬とともに命がけで挑む。木村さんは「作品の内容、撮影ともインアクセシブル(inaccessible=接近不可能)な領域に挑むことになるので、余計にワクワクしています。今は台本を読んでいる段階ですが、読む度に“熱く”なります。現場は恐ろしく寒いでしょうけど……」と撮影前から気持ちを高めている。
 木村さんとともに南極大陸に挑む越冬隊のメンバーには、ライバル役の堺雅人さん、山本裕典さん、寺島進さん、緒形直人さん、香川照之さんら実力派が顔をそろえた。5人は越冬隊のメンバー、そして柴田恭兵さんが南極観測の総責任者である第1次南極観測隊隊長を演じる。木村さんは「現場では今回の部隊を思い切り楽しんで、スタッフ、キャストとともに倉持岳志という男を形成していきたいと思います。今回初めて共演させていただく方もいらっしゃり、どんな方かとても楽しみですし、久しぶりに共演させていただく方もいらっしゃるので、早く皆さんと現場で会いたいです」とクランクインを楽しみにしている。
 物語の舞台は昭和30年代。そのころ世界各国で地球観測の動きが活発になっていた。アメリカ、ソ連など戦勝国を中心に「国際地球観測年特別委員会」が設置され、未知の大陸「南極」観測が計画される。アジア諸国で唯一参加を表明した日本は、「敗戦国の日本に何ができるんだ」と世界からつまはじきにされ、日本に割り当てられた観測場所は氷点下50度、風速100メートルのブリザードが吹き荒れる「インアクセシブル・接近不可能」な場所だった……。
 「今こそ日本人の底力を見せてやろうじゃないか」と外国の背中を見つめてきた日本が、世界と肩を並べる時がきた。しかし、国や企業は資金援助には後ろ向きだったが観測を後押ししたのは、日本の未来に夢と希望を抱いた子どもたちだった。「僕のお小遣いを使って!」と5円玉を握りしめた子どもたちの募金が全国各地から集まった。こうして日本の南極観測は「国際社会復帰の一大プロジェクト」になった。南極越冬隊に容赦なく牙をむく前人未踏の南極大陸。越冬隊を支え、心のよりどころになったのが、19頭の樺太犬だった……というストーリー。
 石丸彰彦プロデューサーは「戦後10年の日本が初めて一つになったといわれている一大プロジェクト『南極観測』。決してあきらめなかった日本の象徴ともいうべき物語を今こそやるべきだと思い企画しました。当時、このプロジェクトが動いたのは子どもたちの力でした。国が支援に後ろ向きだった中、『南極へ行ってほしい』と願う子どもたちが自分たちのお小遣いを募金し、その活動が全国へと広がり、結果、国や企業を動かしました。あきらめることなく南極大陸を目指した日本。その日本の思いを背負った男たちとその“同志”である犬たちが挑んだその生きざまから、日本が再び一つにまとまることが今こそ必要なのではないか、そう感じてもらえるような作品をスタッフ、キャストとともに作り上げていきたいと思っています」と意気込みを語っている。
 これまでドラマで、総理、パイロット、レーサー、財閥の専務、検察官、脳科学者などあらゆる職業の役柄に挑戦してきた木村さんが、戦後日本の新たな歴史の一ページを刻んだ南極越冬隊員をどう演じるのか、期待が高まる。10~12月にTBS系毎週日曜午後9時から放送予定。(毎日新聞デジタル)
http://mainichi.jp/enta/geinou/news/20110118mog00m200060000c.html

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