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ジャラワ族も存亡の危機、インド・アンダマン諸島

2011-01-27 | 先住民族関連
AFP 2011年01月26日 11:27 発信地:ニューデリー/インド

インドのアンダマン諸島(Andaman Islands)に暮らすジャラワ(Jarawa)族が、密猟者や観光客の不法侵入により存亡の危機に瀕していると、先住民支援団体サバイバル・インターナショナル(Survival International)が24日、警告を発した。
 同団体によると、ジャラワ族人口は365人にまで減っており、前年1月に最後の1人が死亡した同諸島のボ(Bo)族と同じ運命をたどるのではないかと懸念されている。
 人口減少の原因としては、ジャラワ族が食糧とする動物の密猟、観光客が持ち込む病気などが挙げられるという。
 ジャラワ族はアフリカからアジアへ移り住んだ初めての部族と考えられており、森の中で遊牧生活を送っている。1998年までは強硬に外部との接触を拒んでいた。
 アンダマン諸島では、先住民を保護する法律のもと、集落への立ち入りが厳格に規制されている。その一方、自然が豊かで、白い砂浜がある同諸島は観光地としての開発が急速に進んでいる。
 同団体は前年6月、ジャラワ族などを間近で観察する「ヒューマン・サファリツアー」を実施したとして、インドの旅行会社8社を非難した。(c)AFP

http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2783379/6725471?utm_source=afpbb&utm_medium=topics&utm_campaign=txt_topics

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科学史家マリアン・ゾンマー教授にラティス賞

2011-01-27 | 先住民族関連
swissinfo.ch 2011-01-26 15:00

人骨、類人猿、DNA。科学史家マリアン・ゾンマー教授はこれらと毎日格闘している。

このゾンマー教授がベルンで1月13日、栄誉ある「ラティス賞 ( Latisis ) 」を受賞した。自然科学の観点から人類史を紐解く研究が高く評価されたからだ。

優れた若手研究者
 ゾンマー教授はスイス国立科学財団 ( Swiss National Science Foundation ) の教授でチューリヒ大学社会・経済史センターに勤務する。ラティス賞では毎年賞金10万フラン ( 約858万円 ) が40歳以下の優れた若手研究者1名に贈られる。

swissinfo.ch : 英文学、言語学、生物学を専攻されたそうですが、これらの3分野がどのように組み合わされて研究に生かされたのでしょうか?
ゾンマー : それは博士論文から始まりました。雑誌「ナショナル・ジオグラフィック ( National Geographic ) 」の中で猿や類人猿がどのように描かれているかの分析に言語学の手法を応用しました。人類の起源や歴史に関する見解が科学の外でどう語られているのか。これを歴史の流れの中で分析することがわたしのテーマです。

swissinfo.ch : 類人猿のイメージは時代と共に変わってきました。これは社会の見方の現れですか?
ゾンマー : ある意味でそうです。人類に最も近い近縁種で現存する類人猿を、人間は自分たちから切り離して考えることはできません。両大戦間や第2次世界大戦後、人間は本質的に攻撃的だという考えが広まり、ナショナル・ジオグラフィックでは特にゴリラが獰猛な獣や怪獣として描かれました。

1960年代にはそうしたイメージは改善されました。有名な女性の霊長類学者たちによる長期にわたる実地調査から、霊長類のことが随分分かってきたからです。また、この60年代の「殺し合うのでなく愛し合おう」的な風潮が人間性の理解により良い影響を与えたからです。もちろん、その後にイギリスの霊長類学者ジェーン・グドール氏がチンパンジーの群れ同士による「戦争」を報告してからは、また新たな見解が生まれましたが。

swissinfo.ch : 博士課程修了後の研究員時代は、実際はクロマニョン人である「赤い婦人 ( Red Lady ) 」に焦点を当てました。
ゾンマー : 19世紀初頭、オックスフォード大学の地質学教授であり聖職者のウィリアム・バックランドがウェールズのパヴィランド洞窟で人骨を発見しました。まず、バックランドはこの骨を女性の魔術師のものだと考えました。さらに、この洞窟がローマ軍の野営地に近かったことから、この女性が易断だけでなく自分の身をもローマ兵士に売っていたという話を作り上げました。この人骨は先史時代を示すマンモスの化石のすぐ近くで発見されたにもかかわらず、バックランドはローマ軍によるイギリス占領と同時代だと断定しました。当時はまだ人類の太古を論じることは非常に危険でした。特に、バックランドのように地位のある人にとってはなおさらでした。

バックランドの死後、絶滅動物と人間が共生していたという事実がよりはっきりし、この人骨は女性ではなく、先史時代のクロマニョン人の男性だと再確認されました。ほかの化石人類のように、「高貴」なクロマニョン人は人類の祖先に位置づけられ、徐々に勢力を争うようになったヨーロッパ諸国の形成に大きな影響を与えたと考えられます。

swissinfo.ch : ほかには、アメリカ自然史博物館 ( American Museum of Natural History ) とチャールズ・ナイトについての研究もありました。
ゾンマー : 進化に関しては、ダーウィンから始まりその後はあまり変化していないと一般の人は考えています。したがって、ナイトのような画家が人類の生活史、特に恐竜に対するイメージに大きな影響を与えたことは非常に興味深い点です。ナイトは20世紀初頭に博物館のために先史時代の風景や動物の絵を描いた画家でした。

ナイトは当時の進化論に従い、恐竜を攻撃的と捉え、戦っている場面か獲物をむさぼり食う場面を描きました。博物館などでこれらの絵を目にした多くの古生物学者は彼の絵にインスピレーションを受けたと語っています。ダーウィンは進化論を唱えましたが、ナイトは進化を目に見える形にし、実感を持たせることに成功したのです。

確かに、映画「ジュラシック・パーク ( Jurassic Park ) 」の恐竜はいまだにナイトのものに似ています。しかし、恐竜に関する科学的な見解や一般的な理解がナイトの時代からは大きく変化したこともこの映画の中に描かれていると思います。ナイトの時代には恐竜は頭が悪いとされていました。当時、恐竜は非常に高い社会的知能を持っており、例えば、群れを成して獲物をしとめたりもしたとは誰も考えませんでした。

swissinfo.ch : 現在の研究プロジェクトでは、特にDNAに注目しているそうですが。
ゾンマー : 近年、科学者はDNAの塩基配列を分析して人類の系統樹と地球規模での移動を捉え直そうとしています。ただ、DNA研究には政治的側面が介入してきます。例えば、ヒトゲノム多様性プロジェクトは先住民族からDNAを採取しようとしたところ反対に遭いました。先住民グループは利用されることを恐れたのです。また、彼らは固有の創世神話を持っているため、歴史学者が彼らのルーツを解き明かすことを好まなかったのです。ところがその一方で、自分たちの起源を知るための遺伝子研究を大いに歓迎する人たちもいます。

イゾベル・レイボルド・ジョンソン, swissinfo.ch
( 英語からの翻訳・編集 中村友紀 )
http://www.swissinfo.ch/jpn/detail/content.html?cid=29316808

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遺跡保存めぐり米が修正案提示 グアム射撃場建設計画

2011-01-27 | 先住民族関連
沖縄タイムス 2011年1月26日 09時23分

【平安名純代・米国駐在契約記者】在沖米海兵隊の受け入れ先の米領グアムで、チャモロ先住民の遺跡などを含むパガット地区に予定されていた実弾射撃場の建設をめぐり、米軍がグアム政府に修正案を提示していたことが25日までに分かった。
 同建設計画では遺跡保存を主張するグアム側が米軍と対立。合意期限を2週間延長し、交渉を継続していたが、妥協点を見いだせなかったため、米軍は移転計画終了時に米国防総省の一部所有地の返還を含む4条件を新たに提示した。
 カルボ・グアム知事は25日の声明で、移転計画について2月にオバマ大統領や国防総省の高官らと協議することを明らかにした。
 米海軍が提示した条件は(1)インフラ整備による生活環境の改善(2)グアム大学などとの提携によるグリーン・プログラムの開発(3)パガット地区への住民の常時立ち入り許可(4)国防総省の一部所有地の返還。
 米海軍は21日公表した声明で、両者が31日までに合意に達しない場合、工事遅延に伴い約10億ドルの被害が生まれる恐れがあると指摘。移転計画に伴う人口の急増を回避するための工期の再調整や、同計画が雇用拡大につながることを強調し、住民に理解を求めた。
 グアム知事広報室によると、新たな合意期限は2月末まで延長されが、移転計画の状況をめぐって米連邦政府の予算削減の可能性もあることから、カルボ知事はオバマ政権との協議でこうした懸念を解消したいとしている。
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2011-01-26_13963/

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白老にアイヌ工芸直売店3棟が来月上旬オープン

2011-01-27 | アイヌ民族関連
【室蘭民報 2011年1月26日(水)朝刊】

 白老・アイヌ民族博物館入場口近くの町有地に、アイヌ伝統工芸品直売店3棟の建設が進んでいる。民芸会館「ミンタラ」が閉館してから1年3カ月、土産店関係者にとっては「待ちに待った」施設。2月上旬にもオープンする予定だ。
 ミンタラでかつて営業していた事業者を含む白老観光商業協同組合の関係者らが全額出資して建てている。年間約20万人の同博物館来館者に「白老ならではのお土産を提供し、楽しんで帰っていただきたい」という思いを強く持った。
 国によるアイヌ民族の象徴的共生空間の設置が事実上白老町に決定、空間・施設整備が今後進められることから、店舗は「仮設置」になる。
 旧ミンタラ跡地でもある町有地に建つ木造の店舗は26平方メートルが1棟、32平方メートルが2棟。1棟に複数の業者が入り、木彫りや刺しゅう製作を実演、アイヌの伝統工芸品を販売する「伝統工芸館」の役割を担う。
 同組合専務理事でミンタラで長年店を出していた盛悦子さんは「15カ月は長かったが、待ったかいがありました。関係者には本当に感謝しています」と話す。
 ポロト湖畔のランドマークともなっていたミンタラは、売り上げの落ち込みなどから一昨年10月に36年間の歴史に幕を閉じ、その後解体されて更地になっている。同博物館来館者から土産店がなくてがっかりしたという声や、いつ土産店ができるのかという問いが聞かれていた。
(富士雄志)
http://www.muromin.mnw.jp/murominn-web/back/2011/01/26/20110126m_08.html

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白瀬・南極探検100年(連載企画)雪原への道 第5部・挫折と栄光

2011-01-27 | アイヌ民族関連
(さきがけon the Web 2011/01/26 付)

赤道越え
犬と食料、次々に失う
 1910年11月29日、東京・芝浦を出港した開南丸は間もなく暴風雨に見舞われた。房総半島沖でしばらく足止めを余儀なくされたが、その後の航海はおおむね順調だった。
 白瀬は船中日課を定め、隊員たちに起床、就業、食事、就寝の時間をきっちりと守らせた。午後4時から8時までの娯楽時間には、隊員たちは船内に持ち込んだ蓄音機でレコードをかけ、車座になって義太夫や浪花節を聴いたりした。スコールがやって来ると隊員たちは裸で甲板に飛び出し、せっけんを塗りたくって体を洗った。甲板から釣り糸を垂らせば、マグロやサメなどの大物が釣れることもあった。

29匹がわずか1匹に
 開南丸は南下を続け、船上の気温は日に日に上昇した。そんな中、南極上陸後の物資運搬に欠かせない樺太犬が3匹、立て続けに死んだ。寺の長男である白瀬は、3匹に諡(おくりな)を付けて丁寧に水葬した。犬を家族のように大切にする樺太アイヌの山辺安之助と花守信吉は、わが子を失ったように嘆き悲しんだ。
 しかし犬の死はこれにとどまらなかった。ニュージーランドを経て、南極圏に入るまでに次々と倒れていった。芝浦で乗せた29匹のうち、最終的に生き残ったのは1匹だけとなった。死因は、後にサナダムシの寄生と判明する。食料や装備を載せたそりを引く犬がいなくては、たとえ南極に上陸できたとしても、極点を目指すのは事実上、不可能になってしまう。

室温50度、思わぬ痛手
 さらに赤道が近づき、室温50度に達した船倉の中で、大切な食料が腐り始めた。積み込んだ食料は2年分。コメや野菜は異臭を放ち、缶詰の肉類も駄目になった。海中に投棄した食料はかなりの量に上った。極寒の南極航海の備えには気を使っていたが、赤道越えの暑さ対策に無頓着だったことで、隊は大きな痛手を被った。
 狭い船内の閉鎖的な環境の中、人間関係のいざこざも多々あった。大小のトラブルを起こしながら、開南丸は一路、南を目指した。赤道通過は出港からちょうど1カ月の12月29日。1911年の元日にはいつもの麦飯ではなく、久々に白いご飯が出た。酒を飲まぬ戒めを自らに課している白瀬を除く隊員たちは、おとその代わりにぶどう酒を飲んだ。翌2日は、甲板で相撲大会が開かれた。
 2月8日、開南丸はニュージーランド・ウエリントンに入港。計画より10日以上遅れていた。慌ただしく食料、飲料水、石炭などを補給し、南極に向けて出港したのは3日後の11日だった。南極の短い夏が終わり、結氷期がすぐそこまで迫っていた。
http://www.sakigake.jp/p/special/antarctica/feature/05/article5_02.jsp

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