京都新聞 2012年05月02日 09時48分
ひもを使った伝統的な遊び、あやとりを学術的に研究する「日本あやとり学会」を、京都市の愛好家が中心となってこのほど設立した。文字を持たない先住民のコミュニケーション手段にもなっており、文化人類学的な見地から解明を進める。先立って、あやとりの取り方を学ぶ会も設けており、普及も図る。
同学会によると、あやとりは、欧州を除く世界15地域で独自に生まれ、影響し合わずに受け継がれているとされる。動物や自然、神話の登場人物など約3千種類の形があり、米国やパプアニューギニアの先住民、カナダの狩猟民族イヌイットなどは文字代わりにも使ったという。
あやとりの収集と研究組織が以前に存在したが、1980年代半ば、国際あやとり協会(米国)の設立に伴い解消された。
日本に研究拠点がないため、国際協会の会員でもある日本折紙協会京都支部の山下明さん(62)ら京都市内の愛好家が4月に学会を結成した。あやとりの「4段ばしご」研究者として知られる中野獨王亭(本名・忠正)さん=東京都=も参加している。
12通りあるとされる4段ばしごの新たな取り方の研究を目指すほか、各地で生まれ、互いに影響されなかった謎も探る。将来的には会員の論文を審査したり、オリジナル作品の開発も進めるという。
佛教大で、保育士や幼稚園教諭を目指す大学生に折り紙の指導法を教える山下さんは昨年4月、「京都あやとり俱楽部(くらぶ)」を設立。糸と指の関係を記号化し、会員に分かりやすく取り方を教えている。今後は、京都市下京区の四条京町家で、あやとりの魅力を伝える教室を開催する。「世界的に消えつつあるあやとりを、文化として大切に伝えたい」と話している。
http://www.kyoto-np.co.jp/sightseeing/article/20120502000019
ひもを使った伝統的な遊び、あやとりを学術的に研究する「日本あやとり学会」を、京都市の愛好家が中心となってこのほど設立した。文字を持たない先住民のコミュニケーション手段にもなっており、文化人類学的な見地から解明を進める。先立って、あやとりの取り方を学ぶ会も設けており、普及も図る。
同学会によると、あやとりは、欧州を除く世界15地域で独自に生まれ、影響し合わずに受け継がれているとされる。動物や自然、神話の登場人物など約3千種類の形があり、米国やパプアニューギニアの先住民、カナダの狩猟民族イヌイットなどは文字代わりにも使ったという。
あやとりの収集と研究組織が以前に存在したが、1980年代半ば、国際あやとり協会(米国)の設立に伴い解消された。
日本に研究拠点がないため、国際協会の会員でもある日本折紙協会京都支部の山下明さん(62)ら京都市内の愛好家が4月に学会を結成した。あやとりの「4段ばしご」研究者として知られる中野獨王亭(本名・忠正)さん=東京都=も参加している。
12通りあるとされる4段ばしごの新たな取り方の研究を目指すほか、各地で生まれ、互いに影響されなかった謎も探る。将来的には会員の論文を審査したり、オリジナル作品の開発も進めるという。
佛教大で、保育士や幼稚園教諭を目指す大学生に折り紙の指導法を教える山下さんは昨年4月、「京都あやとり俱楽部(くらぶ)」を設立。糸と指の関係を記号化し、会員に分かりやすく取り方を教えている。今後は、京都市下京区の四条京町家で、あやとりの魅力を伝える教室を開催する。「世界的に消えつつあるあやとりを、文化として大切に伝えたい」と話している。
http://www.kyoto-np.co.jp/sightseeing/article/20120502000019