毎日新聞2016年7月12日 地方版
得難い体験をした。
アイヌの儀式「カムイノミ」の唱え文をデジタルテキスト化する作業だ。
市民グループ「コタンの会」の葛野(くずの)次雄副代表(新ひだか町)から相談を受け、モノ書きのスキルが役立つなら、と引き受けた。
参照したのは、アイヌ文化の継承に力を尽くした故葛野辰次郎エカシの著書「キムスポ」など。
辰次郎エカシは次雄さんの父である。父が遺(のこ)したオンカミ・ポロセ・イタウッ(礼拝の唱え言葉)など十数編を、朗唱しやすいように再レイアウトしてほしい、というリクエストだ。
OCR(光学的文字読み取り装置)には頼らず、片仮名表記のアイヌ語を、一文字ずつキーボード入力した。
アイヌ語を学んだことのない身には初め、まるで暗号を書き写しているようにも思われたが、口ずさんで二度三度と校正するうち、次第に心地よくなってきた。「カムイノミ=神への祈り」だけあって、美しい響きの言葉ばかりが連なっている。
「カムイノミには、先祖や神々に対する近況報告の意味もある」と次雄さんが教えてくれた。
唱え文は、15〜17日に浦河町杵臼(きねうす)で同会が執り行う「返還遺骨を迎え入れるカムイノミ、イチャルパ(慰霊)」で朗唱される。
80年以上前に北海道大学が杵臼の墓から掘り出していったアイヌ遺骨12体が、この日やっと帰ってくる。
神々に対し、長い長い報告の儀式になりそうだ。
http://mainichi.jp/articles/20160712/ddl/k01/070/096000c
得難い体験をした。
アイヌの儀式「カムイノミ」の唱え文をデジタルテキスト化する作業だ。
市民グループ「コタンの会」の葛野(くずの)次雄副代表(新ひだか町)から相談を受け、モノ書きのスキルが役立つなら、と引き受けた。
参照したのは、アイヌ文化の継承に力を尽くした故葛野辰次郎エカシの著書「キムスポ」など。
辰次郎エカシは次雄さんの父である。父が遺(のこ)したオンカミ・ポロセ・イタウッ(礼拝の唱え言葉)など十数編を、朗唱しやすいように再レイアウトしてほしい、というリクエストだ。
OCR(光学的文字読み取り装置)には頼らず、片仮名表記のアイヌ語を、一文字ずつキーボード入力した。
アイヌ語を学んだことのない身には初め、まるで暗号を書き写しているようにも思われたが、口ずさんで二度三度と校正するうち、次第に心地よくなってきた。「カムイノミ=神への祈り」だけあって、美しい響きの言葉ばかりが連なっている。
「カムイノミには、先祖や神々に対する近況報告の意味もある」と次雄さんが教えてくれた。
唱え文は、15〜17日に浦河町杵臼(きねうす)で同会が執り行う「返還遺骨を迎え入れるカムイノミ、イチャルパ(慰霊)」で朗唱される。
80年以上前に北海道大学が杵臼の墓から掘り出していったアイヌ遺骨12体が、この日やっと帰ってくる。
神々に対し、長い長い報告の儀式になりそうだ。
http://mainichi.jp/articles/20160712/ddl/k01/070/096000c