毎日新聞2016年7月28日 大阪夕刊
国立民族学博物館(大阪府吹田市、民博)が2009年から順次進めてきた常設展示のリニューアル作業が先月、<中央・北アジア及びアイヌの文化展示>のオープンをもって終了した。
リニューアル作業は、地域の独自性が分かると同時に、地域と世界、そして日本とのつながりを分かりやすく示す▽歴史的な展開を踏まえたうえで現代の暮らしも紹介する▽「紹介される側」の人々と共同作業をはかる▽最新の研究成果を反映させる−−点を念頭に行われてきた。
例えばアイヌの文化展示。冒頭に木彫作品3点を並べて<歴史と現代>を象徴する。そのうちの貝澤徹さん「アイデンティティ3」(15年)は、ジッパーを開け閉めするイメージが取り入れられている。自身の胸の内を見せたり隠したりする現代アイヌ民族の心を表現した現代アートで、アイヌの伝統的な木彫のイメージを覆す。
また、以前から展示していた復元家屋や祭壇の前にマネキンを置き儀式の様子を再現するなどの工夫も重ねられた。
同エリアは本来、3月中旬にオープンの予定だったが、3月3日に展示室内で発生した火事により遅れていた。同館は外部有識者による第三者検証委員会と館員による内部調査委員会を設置。管理体制の強化など、再発防止に向けた今後の改善点をまとめた。【岸桂子】
http://mainichi.jp/articles/20160728/ddf/012/040/010000c
国立民族学博物館(大阪府吹田市、民博)が2009年から順次進めてきた常設展示のリニューアル作業が先月、<中央・北アジア及びアイヌの文化展示>のオープンをもって終了した。
リニューアル作業は、地域の独自性が分かると同時に、地域と世界、そして日本とのつながりを分かりやすく示す▽歴史的な展開を踏まえたうえで現代の暮らしも紹介する▽「紹介される側」の人々と共同作業をはかる▽最新の研究成果を反映させる−−点を念頭に行われてきた。
例えばアイヌの文化展示。冒頭に木彫作品3点を並べて<歴史と現代>を象徴する。そのうちの貝澤徹さん「アイデンティティ3」(15年)は、ジッパーを開け閉めするイメージが取り入れられている。自身の胸の内を見せたり隠したりする現代アイヌ民族の心を表現した現代アートで、アイヌの伝統的な木彫のイメージを覆す。
また、以前から展示していた復元家屋や祭壇の前にマネキンを置き儀式の様子を再現するなどの工夫も重ねられた。
同エリアは本来、3月中旬にオープンの予定だったが、3月3日に展示室内で発生した火事により遅れていた。同館は外部有識者による第三者検証委員会と館員による内部調査委員会を設置。管理体制の強化など、再発防止に向けた今後の改善点をまとめた。【岸桂子】
http://mainichi.jp/articles/20160728/ddf/012/040/010000c