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古里知る手がかりに 室蘭出身の吉田さん、ブロートンの航海記翻訳出版【室蘭】

2021-10-26 | アイヌ民族関連
室蘭民報 2021.10.25
コロナ禍が収まったらイタリアにあるブロートンの墓参りがしたいと語る吉田さん
 室蘭出身で富山大学名誉教授の吉田俊則さん(68)=富山市在住=が、江戸時代後期に室蘭港に入港した英国軍艦「プロヴィデンス号」の船長で、噴火湾(ボルカノ・ベイ)の名付け親として知られるウィリアム・ロバート・ブロートン(1762~1821)の探検航海記を初めて日本語で翻訳。「ブロートン北太平洋航海記」(A5判332ページ)として、東洋書店新社より刊行された。吉田さんは「ブロートンは探検記の中で『噴火湾の北側の陸地ほど美しい景観をめったに見たことはない』と記した。そういう土地に住んでいるという価値を理解する手掛かりにしてほしい」と古里への思いを語った。
 吉田さんは室蘭栄高校卒業後、北大文学部に進学。同大大学院を経て1990年(平成2年)に富山大教養部助教授、97年に同大人文学部教授、2011年から同大人文学部長を務め、18年に定年退職した。専門分野はロシア史・ロシア文化論。
 市立室蘭水族館の施設内にあるプロヴィデンス号来航記念碑でブロートンのことを知り、大学院生の時に学内書庫で探検記の復刻版を見つけた。日本語訳がなかったため、「いつか室蘭に縁がある自分が翻訳してみよう」と思い、外国から復刻版を取り寄せていた。
 定年退職を機に、本格的に翻訳作業に着手。1793年にブロートンがプロヴィデンス号船長に就任してから、洞爺湖町虻田、室蘭港に立ち寄った「航海開始から中国マカオへの最初の寄港までの報告」(第1巻)。97年にマカオを出発し、宮古島沖でのプロヴィデンス号の座礁、沈没を乗り越え、スクーナー船で探検した「津軽海峡を通過した第二回北方探検と朝鮮海岸および黄海経由のマドラスへの帰還についての報告」(第2巻)を昨年末までに全て翻訳した。
 吉田さんはブロートンについて「平民から出世したたたき上げの軍人で正直な性格だったのでは。アイヌの人たちの暮らしや人間性について深い共感を持って書いている場所がある。先住民に対する見方は人間的で非常に魅力がある」と評価している。
 定価5500円。全国の書店やインターネットで発売している。
http://www.hokkaido-nl.jp/article/23504


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【訂正】『ゴールデンカムイ』は漫画界の“鍋料理”? 大ヒットの秘訣を探る

2021-10-26 | アイヌ民族関連
リアルサウンド10/25(月) 10:00配信

 野田サトルの『ゴールデンカムイ』といえば、現在の最新刊である第27巻の帯に、「17,000,000部堂々突破!!!」「Web&アプリ累計1億9,000万PV突破!!!」と書かれる大ヒット作である。漫画関係の賞を幾つも受賞するほど作品の評価も高い。また、テレビアニメも三期まで製作されている。ではなぜ本作は、これほどの人気を獲得したのか、あらためて整理したい。
 『ゴールデンカムイ』がこれだけ大ヒットしたのは、もちろん面白いからだ。そしてその面白さは、本作によく登場する“鍋料理”に例えることができるだろう。
 鍋料理は基本的に具材が多い。これと同じように本作も、読者の興味を惹く具材が多いのだ。メインとなるのは、ストーリーとキャラクターである。まず、簡単な粗筋を記しておこう。物語の舞台は、日露戦争後の北海道。ある理由からまとまった金の欲しい帰還兵の杉元佐一は、アイヌの隠した埋蔵金の話を聞いた。だが、埋蔵金の行方を知っているのは、網走監獄にいる死刑囚だ。その死刑囚は、同房の24人に、埋蔵金の在り処を示す暗号を刺青で彫り込んだ。そして24人は脱獄したのである。
 この話を聞いた後、ヒグマに襲われた杉元は、アイヌの少女のアシリパに助けられる。アシリパの父親は、埋蔵金に関係して殺されたらしい。それぞれの理由で埋蔵金の鍵となる脱獄囚の“刺青人皮”を求め、杉元とアシリパは相棒となる。
 しかし刺青人皮を求めるのは、彼らだけではなかった。鶴見篤四郎中尉率いる第七師団と、ひそかに生き延びていた元新選組副長の土方歳三(彼も24人の脱獄囚ひとりである)とその仲間たちも動いている。さらに、杉元たちと行動を共にするようになる脱獄王の白石由竹を始め、刺青人皮を背負った24人も、それぞれの思惑で行動していた。かくして始まった刺青人皮の争奪戦により、北の大地で激しい戦いが繰り広げられるのだった……。
 多数の登場人物が離散集合・呉越同舟するが、ストーリーそのものはシンプル。ベースになっているのは、物語の黄金パターンである宝物(の鍵)の争奪戦だ。さらに杉元とアシリパの目的が、刺青人皮を入手することと、そもそもの発端となった死刑囚に会うために網走監獄に行くことであり、そこからブレることがない。網走監獄での騒動が終わった第14巻以降も、舞台を拡大しながら、宝の鍵の争奪戦が続く。シンプル・イズ・ベスト。だから読者は、すなおにストーリーの流れに乗ることができるのだ。
 一方、キャラクターに目を向けると、どいつもこいつも味付けが濃い。たとえば、主人公の杉元佐一。激しい闘争心と、生きることへの執念、そして驚異的な回復力から“不死身の杉元”と呼ばれる英雄だ。もうひとりの主人公であるアシリパは、優れた狩猟能力とアイヌの知恵を持つが、戦いの中で不殺を貫こうとする。物語が進むと、アイヌの未来を考えるようにもなった。果敢に戦うふたりは、まさにヒーローとヒロインの貫禄充分である。
 ところが、時にふたりが霞むほど、他の登場人物が濃すぎる。鶴見や土方だけでなく、第七師団や土方一派の面々が強烈。さらに、次々と現れる24人の脱獄囚たちが、アレ過ぎるのだ……。人の命をなんとも思わない凶悪犯や、グロテスクな行為に浸る者などを、作者は楽しそうに描いている。しかも彼らの死に方が、妙に格好よかったり、感動的だったりする。本作の登場人物の多くは、人殺しを躊躇しない人間なのだが、それなのに読んでいるうちに好意を覚えてしまう。作者の漫画力の凄さというしかない。
 この他、グルメ漫画の要素も見逃せない。本作にはやたらと食事場面が出てくる。作者のインダビューによると、最初、日露戦争帰りの若者を主人公にした狩猟漫画を考えていそうなので、その名残だろうか。他のグルメ漫画とは一線を画した、野趣に富んだ料理の数々も、本作の魅力になっている。
 次に、明治の北海道(と樺太)の自然である。ヒグマを始め、エゾオオカミ、鯱、クズリ、アムールトラなどなど、多彩な生物もリアルに描かれている。本作のタイトルが白土三平の『カムイ伝』を想起させるということもあるが、個人的には白土漫画の流れを汲む自然描写だと思っている。
 さらに、アイヌ文化も克明に描写されている。どれだけ調べたのかと感心するくらい、巧みな絵によってアイヌ文化が表現されているのだ。アイヌのみならず、少数民族の文化をいかに保護・伝承するかは、大きな課題である。だからこそ、本作の果たす役割は大きい。
 このことに関連して留意したいのが、第13巻での石川啄木(登場しているのである)の発言だ。日露戦争を境に日本の新聞に写真が載るようになったといい、続けてアメリカの新聞王アィリアム・ハーストに触れて、「その新聞王はとにかく絵や写真を紙面に載せることに執着するそうだ」「読者の視覚に与える影響力のデカさをよく知っているんだろうな」と述べているのである。この“読者に視覚に与える影響力”は、まさに本作にも当てはまる。漫画の絵の力によって、多くの人がアイヌ文化を知ることができたのだ。
 随所に挿入されるパロディ絵や、シリアス・シーンにぶち込まれるギャグなど、まだまだ言及したいことはあるが、これくらいにしておこう。具だくさんの鍋料理のような本作、読めばたちどころに満腹になれるのである。
※記事初出時、本文に誤りがありました。以下訂正の上、お詫び申し上げます(2021年10月25日17:10、リアルサウンドブック編集部)
誤:杉本佐一
正:杉元佐一
細谷正充
https://news.yahoo.co.jp/articles/9c975eee466280777f4ed3687e750a185b371654

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見守られるなか、ベアーズ・イヤーズ復活にバイデンが署名

2021-10-26 | 先住民族関連
ニューズウィーク10/25(月) 12:20配信

バイデン米大統領は10月8日、3カ所の国定史跡(ナショナル・モニュメント)について環境保護区域の保護範囲を復活させる大統領令に署名した。
イヤーズ」などユタ州内の先住民族の聖地2カ所と、ニューイングランド沖の海洋国定公園。
歴代大統領が保護を進めてきたが、トランプ前大統領は保護範囲を大幅に縮小し、採掘や開発を解禁していた。
バイデンはホワイトハウスの外で行われた署名式で森林火災やハリケーンなどの被害に触れ、環境保護の重要性を訴えた。【ニューズウィーク日本版編集部】
https://news.yahoo.co.jp/articles/ff5a9180bb872606f1a8ba02296b6d263008ac84

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ティモシー・シャラメ主演で伝説の名作がついに映画化『DUNE/デューン 砂の惑星』

2021-10-26 | 先住民族関連
Numero TOKYO10/25(月) 22:05配信

壮大なスケールを持つあまり完全な映像化は不可能と言われ続けてきた小説「デューン/砂の惑星」が、異次元の天才と称されるドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の手によってついにその世界観を再現。究極の映画体験とされる「Filmed For IMAX(R)」に認定された世界初の作品『DUNE/デューン 砂の惑星』をぜひ劇場で。
説のSF超大作企画が圧巻の映像美で実現! 鬼才ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の完全勝利。オールスター俳優たちの夢の競演も見逃せない!
ついに難攻不落の巨大プロジェクトが見事に“攻略”された! 博覧強記の米国のカリスマ作家、フランク・ハーバート(1920年生~1986年没)が1965年に発表したSF大河小説の金字塔『DUNE/デューン 砂の惑星』の映画化である。
全6作からなる壮大な『デューン』シリーズ(さらに原作者の息子、ブライアン・ハーバートが書き継いでいった関連作もある)のうち、『砂の惑星』は最初の作品。ジョージ・ルーカスの『スター・ウォーズ』サーガ(1977年~2019年)や宮崎駿の『風の谷のナウシカ』(1984年)に多大な影響を与えたことでも知られる偉大な原作だが、オリジナルの映像化はハードルが異常に高く、なかなか満足に実現しないことで長らく伝説となっていた。
まずアレハンドロ・ホドロフスキーが超大作の構想を広げて挑んだものの頓挫に終わり(製作中止に至る過程は2013年の『ホドロフスキーのDUNE』というドキュメンタリーにまとめられている)、リドリー・スコットは降板。その代打として雇われたデヴィッド・リンチは『デューン 砂の惑星』 (1984年)という形にしたものの、原作との相性が微妙すぎて珍作の域に着地した。2000年と2003年にはアメリカでテレビのミニシリーズが放映されたりもしたが、劇場映画としては名うての鬼才監督たちが撃沈していった呪いの鬼門だったのだ。
ところが今回、そのジンクスをぶち破ったのがドゥニ・ヴィルヌーヴ監督である。『メッセージ』(2016年)や『ブレードランナー2049』(2017年)といった難易度の高いSF作品をこなしてきた彼は、ハイブロウな知性とエンタメの突破力を兼ね備えた現代映画界の超優等生。しかもかねてから『DUNE/デューン 砂の惑星』の映画化が夢だとよく語っていた。そんな彼が脚本・製作も兼任することにより、とうとう本気の大傑作が立ち上がってきた。まだ第一部(原作の前半部)の段階だが、これは掛け値無しに素晴らしい映画化だ。
物語は遠い未来、西暦10191年。主人公はアトレイデス家の後継者である青年ポール(ティモシー・シャラメ)。民衆の良きリーダーとしてこの地を治める父親のレイ・アトレイデス公爵(オスカー・アイザック)、勇敢な母親のレディ・ジェシカ(レベッカ・ファーガソン)と共に幸福な日々を送っていたが、宇宙帝国の皇帝からの意向により、一家は砂漠に覆われた苛酷な環境の惑星アラキス──通称「砂の惑星」デューンへ移住することになる。
だがこの赴任命令は罠であった。今までデューンを独裁的に統治してきた凶暴なハルコンネン家が皇帝と共謀し、人気のあるアトレイデスの一族を滅亡させようとしているのだ。一夜にして命を狙われる身となったポールだが、やがて宇宙の未来を占う巨大な宿命に覚醒していく──。
まず冒頭から圧倒的な映像美に溜め息が出る。彩度を落とし、リアルなデザートカラーを基調としたパレット使いは、決して派手ではないからこそ絵画的強度が際立つ。撮影のグリーグ・フレイザーはIMAX上映を前提としたIMAX認証デジタルカメラを使用し、驚異的な解像度の高さによる繊細な描写と、アクションやスペクタクルのド迫力を同時に実現。惑星デューンでは灼熱の乾いた砂漠の中に巨大なサンドワーム(砂虫)が出現し、砂嵐が巻き起こる。そこに先住民フレメンたちが姿を見せる光景は『アラビアのロレンス』(1962年/監督:デヴィッド・リーン)の進化形のようだ。ヴィルヌーヴ組はVFXに頼りすぎない撮影法を模索し、ハンガリー、ヨルダン、アブダビ、ノルウェーでの大規模なロケーション撮影が行われた。
そしてキャストの凄さ。単に「豪華」というだけではなく、ハリウッドの枠すら超えた世界最強と呼べるスタメン──真の実力で光り輝く精鋭たちを集めた夢のオールスター・キャストがそろった。
銀河系間の権力闘争に巻き込まれ、救世主としての使命に目覚めていく主人公の若者、ポール・アトレイデス役には、あのティモシー・シャラメ。1995年生まれ──Z世代のトップランナーでもある彼が、満を持してハリウッド大作の主演を務める。『君の名前で僕を呼んで』(2017年/監督:ルカ・グァダニーノ)や『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』(2019年/監督:グレタ・ガーウィグ)など、よく「王子様」のイメージで語られる彼だが、今回のポール役はその最初の集大成になるのではないか。『スター・ウォーズ』サーガにおけるルーク・スカイウォーカー的な立ち位置ともいえる役柄(もっともハーバートの小説こそが元祖なのだが)ながら、高貴な美のなかに憂いや陰り、繊細さを湛えた面持ちや佇まいが生きる。
また『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015年/監督:J・J・エイブラムス)からの続三部作でポー・ダメロン役を務めたオスカー・アイザックが、ポールの父であるアトレイデス家の領主、レト公爵を演じる。もともと原作小説の熱心なファンだったアイザックは、この大役に挑むに当たり黒澤明映画の三船敏郎なども参考にしたという。そしてポールの母である聖なる戦士レディ・ジェシカ役には、レベッカ・ファーガソン。人気アクションシリーズ『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』(2015年/監督:クリストファー・マッカリー)からイルサ・ファウスト役を務め、さらにミュージカル映画『グレイテスト・ショーマン』(2017年/監督:マイケル・グレイシー)のオペラ歌手ジェニー・リンド役がよく知られている。今回、息子と揺るがぬ絆を結ぶキーパーソンとして作品を牽引する存在だ。
アトレイデス家の武術指南役ガーニイ・ハレック役はジョシュ・ブローリン。ヴィルヌーヴ組には『ボーダーライン』(2015年)で参加済みの彼だが、最近ではMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)で、アベンジャーズの宿敵サノスを演じたことが有名。今回は若きポールを全力でサポートする腹心であり、ティモシー・シャラメと彼のコンビネーションは牛若丸と弁慶のよう。またポールが兄のように慕うダンカン・アイダホ役は、DCユニバースでアクアマン役を務めたジェイソン・モモアが務める。
さらに砂の惑星の先住民族、フレメンの美しき戦士チャニ役にはゼンデイヤ。『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019年/監督:ジョン・ワッツ)のヒロインMJ役で大きく注目された彼女だが、今回はポールの予知夢の中に繰り返し登場する重要なキャラクター。まさしく次世代を担う新星にふさわしい役どころだ。
そのほかレディ・ジェシカも所属する女性集団「ベネ・ゲセリット」の教母ガイウス・ヘレネ・モヒアム役に扮するシャーロット・ランプリングをはじめ、ハビエル・バルデム、ステラン・スカルスガルド、チャン・チェンなど、ヨーロッパやアジア圏から映画ファンにはおなじみの実力者たちが集結している。マーベルにDC、『スター・ウォーズ』に『ミッション:インポッシブル』、そして尖鋭的なアート系映画からもメンバーが寄り集まった。
音楽は名匠ハンス・ジマー。やはり長年の原作ファンである彼は、物語の中の広大な砂漠にあらためて身を置き、夢見るような気持ちで曲を作り上げていったという。
まさにこの映画は「総力戦」。ドリームチームのアンサンブルプレーを堪能する愉楽に満ちているのだ。この空前絶後の映画体験を味わい尽くすためにも、特にIMAXでの鑑賞をおすすめしたい!
『DUNE/デューン 砂の惑星』
監督/ドゥニ・ヴィルヌーヴ
出演/ティモシー・シャラメ、レベッカ・ファーガソン、オスカー・アイザック、ゼンデイヤ、シャーロット・ランプリング、ステラン・スカルスガルド
10月15日(金)より、全国公開
(C)2020 Legendary and Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved
配給/ワーナー・ブラザース映画
Text:Naoto Mori Edit:Sayaka Ito
https://news.yahoo.co.jp/articles/7e6ed5284a4d0d49a35936fb01d66aa9c4506d01

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<新刊と文庫>「疾病捜査官」など

2021-10-26 | アイヌ民族関連
北海道新聞 10/24 05:00
<単行本>
◆疾病捜査官 アリ・S・カーン、ウィリアム・パトリック著
 著者のカーンは、世界中の感染症の発生の原因を究明し制圧を図る米国疾病対策センターの元疫学専門家で、「疾病捜査官」と呼ばれ、エボラ出血熱、SARSなどに対処した。「2020年版のための序文」で新型コロナウイルス感染症について述べ、公衆衛生システムの構築の必要性を訴えている。熊谷玲美訳。(みすず書房 3740円)
◆山の怪異大事典 朝里樹著
 富山県龍王岳の登山者を引き裂く天狗(てんぐ)。明治の記録に残る大阪府能勢町の山に出現した体長190センチのスズメバチ。アイヌ伝承にあるタバコ好きの山男…。北海道から沖縄まで、山にまつわる怪異伝承・伝説・うわさ話をまとめた、読んで面白い怪事典。(宝島社 2200円)
◆旗の大図鑑 エリザベト・デュモン=ル・コルネク著
 古代から力の誇示として掲げられていた“旗”は、人を束ねる役目が加わり、国の近代史を語る象徴までになった。世界の国旗はもちろん、ソ連など消えた国家の旗や商船旗などまで、旗にまつわる物語をさまざまな角度から検証する。岡崎秀訳。(日経ナショナルジオグラフィック社 3410円)
<文庫・新刊>
◆食べものから学ぶ世界史 平賀緑著
 食べ物を題材に、経済学者が世界経済の歴史と資本主義の成り立ちをわかりやすく解説する。砂糖、小麦、トウモロコシ、大豆、豚肉などの食べ物が「商品」へと変わる中、大量消費が進む一方で、飢餓で苦しむ人が大勢いる問題も起きている。これからどう食べてどう生きていくか、考えるきっかけを与えてくれる。(岩波ジュニア新書 902円)
◆ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー ブレイディみかこ著
 英国在住のライター・コラムニストによる、中学生の息子の学校生活を中心にした日常と社会を描くノンフィクション。貧困、差別などにさらされる同級生たちと共に悩みながら成長していく息子、息子をあくまでも一人の人として尊重しようとする母親の姿が丁寧に、ユーモアを交えながらつづられる。解説で書店員・日野剛広は本書が若い読者に与えた影響について述べている。(新潮文庫 693円)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/603811

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「アイヌ支援政策継続を」 進学や生活、今も差別の影響

2021-10-26 | アイヌ民族関連
中日新聞 2021年10月25日 16時00分 (10月25日 16時00分更新)
 北海道のアイヌ民族の間で、文化の保存や生活向上などを支える政策の継続を求める声が上がっている。二〇一九年五月にアイヌ施策推進法が施行され、二〇年七月には初の国立施設「民族共生象徴空間(ウポポイ)」(白老町)が開業。だが進学率や生活水準で今も差別の影響が残り、関係者たちは選挙戦の中、支援を訴える。...
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https://www.chunichi.co.jp/article/353749

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