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北海道新聞2024年2月22日 9:38
アイヌと自然デジタル図鑑トップページ(https://ainugo.nam.go.jp/siror/)
ウポポイの前身に当たる旧アイヌ民族博物館は、1976年の法人設立以来、各地の語り手たちから聞き取り調査を行ってきました。アイヌ語や文化を後世に残そうという当時のアイヌと関係者の熱意は、語り手の没後、約650時間の録音テープとなって残され、その整理公開は次世代に、そして国立アイヌ民族博物館に託されました。
私は94年に学芸員として着任して以来、その作業の一端を担ってきました。
その集大成として、まず2015年に「アイヌと自然デジタル図鑑」がインターネットで公開されました。これはアイヌ文化で多くの種が「神」とされる生物について、利用者がPCやスマホなどを使って写真や鳴き声、アイヌ語辞書などを参照しながら、博物館の所蔵データにある語り手の言葉や物語に触れることができるというもので、今でもアクセス数の多い人気コンテンツです。
次いで17年にネット公開されたのが「アイヌ語アーカイブ」です。主要なアイヌ語辞書をオンライン化して掲載したほか・・・・・・
<文・安田千夏(オパロチカプ)=国立アイヌ民族博物館研究学芸部資料情報室>
◆オパロチカプ」の「プ」は小さい字