赤羽じゅんこの三日坊主日記

絵本と童話の本棚
日々のあれこれと、読んだ本のことなど書いていきます。

お面屋たまよし

2012-12-22 16:53:04 | 日記
すごくおもしろい本と出会いました。石川宏千花さんが書いた時代ファンタジー『お面屋たまよし』講談社・YAエンターテイメント。

まず、妖面という設定がおもしろいです。表の名前はたまよし。でも、裏の名前があり、うわさでは、別人になれるお面がうられていると…・…。
中学生ぐらい向きのシリーズですが、大人でも十分。というか、なんで単行本で出版しなかったのかなって思うくらいです。

それにしても、驚くべきは石川宏千花さんの筆力です。設定もアイディアもキャラもおもしろいのですが、決闘の場面など、見えない空気のしばりのような表現も、目の前で繰り広げられているようにもごとに描き出します。テンポもよく、飽きさせません。

そして、また、人間の内面もえぐってみせてくれます。ただただ、楽しい話でなく、考えさせてくれる作品。宮部みゆきの『あやし』を読んだ時の読後感と似ています。
石川さんの作家としての凄みを感じました。きっと児童書にとどまることなく、どんどん作品の幅をひろげていかれるでしょう。

黄昏が早い秋、初冬は、ファンタジーが読みたくなる季節。
『桜大の不思議の森』香月日輪、『ふたつの月の物語』富安陽子、もう、ベテランと呼ばれてもいい、ふたりの作家の作品も読みました。どちらもうまいし、山場も心得ています。

早いもので、今年もあとわずか!
家族のこと、自分の体調のことなど、いろいろ足をとられて、気がつけば自分の目標の半分も書けてないような気がします。まわりの元気いぱいの若手がうらやましい。
それでも、やっぱり物語を頭の中、いっぱいに広げて書いている時は、楽しいし、呼ばれても気がつかないほど、集中してたりしています。
一歩、一歩、立ち止まらないことが今の目標です。