お友だちの安東みきえさんが、また新刊をだされました。
『満月の娘たち』講談社です。
これは、母と娘の関係にフォーカスをあてて書いています。
帯は梨木香歩さんで、「まるで神話のようだ」とあります。それにうなずけます。ファンタジーのような少し不思議な世界も書ける安東さんならではの言葉選びやいいまわしが、そのような世界観をかもしだしています
「子守歌をいつやめたらいいのか、つなぐ手をいつ離したらいいのか、それがわからないっていうの」
ひとつあげればこういうところ。それが随所にでてきます。
幼いとき、世の中の悪から必死で娘を守ろうとする母親。でも、娘が大きくなると、そういう母娘関係を変えていかなければなりません。愛情が強すぎる故、それがうまくいかないこと、きっとおきていると思います。
あんなにかわいかったのにって親は思うでしょう。その思い出からはなれられなくなってしまうのですね。
このように作品は、娘側、一方通行ではなく、母の思いも感じられます。いとうみくさんが『カーネェション』で母娘関係をかき、あの作品もぐっときましたが、これはまた、ちがう視点の物語です。
ラスト近くの繭さんに向ける美月ちゃんのおかあさんの言葉には、心をつかまれました。
言葉ってこんな力ももっているのですね。
わたしは母の介護にかよっていて、いろんな思いにかられる時があります。この作品は、こじれた思いを照らしてくれる光のようだと思いました。
安東さんは、数々の単行本をだされている実力がある作家なので意外ですが、この作品は初めての長編小説だそうです。連作短編が多かったのですね。
寒い寒い今年の冬。
心の奥をゆさぶってくれる、安東さんの作品、手にとってみたらどうでしょう。
安東さんは、12月絵本もだされましたが、それはまた、あとで紹介します。
『満月の娘たち』講談社です。
これは、母と娘の関係にフォーカスをあてて書いています。
帯は梨木香歩さんで、「まるで神話のようだ」とあります。それにうなずけます。ファンタジーのような少し不思議な世界も書ける安東さんならではの言葉選びやいいまわしが、そのような世界観をかもしだしています
「子守歌をいつやめたらいいのか、つなぐ手をいつ離したらいいのか、それがわからないっていうの」
ひとつあげればこういうところ。それが随所にでてきます。
幼いとき、世の中の悪から必死で娘を守ろうとする母親。でも、娘が大きくなると、そういう母娘関係を変えていかなければなりません。愛情が強すぎる故、それがうまくいかないこと、きっとおきていると思います。
あんなにかわいかったのにって親は思うでしょう。その思い出からはなれられなくなってしまうのですね。
このように作品は、娘側、一方通行ではなく、母の思いも感じられます。いとうみくさんが『カーネェション』で母娘関係をかき、あの作品もぐっときましたが、これはまた、ちがう視点の物語です。
ラスト近くの繭さんに向ける美月ちゃんのおかあさんの言葉には、心をつかまれました。
言葉ってこんな力ももっているのですね。
わたしは母の介護にかよっていて、いろんな思いにかられる時があります。この作品は、こじれた思いを照らしてくれる光のようだと思いました。
安東さんは、数々の単行本をだされている実力がある作家なので意外ですが、この作品は初めての長編小説だそうです。連作短編が多かったのですね。
寒い寒い今年の冬。
心の奥をゆさぶってくれる、安東さんの作品、手にとってみたらどうでしょう。
安東さんは、12月絵本もだされましたが、それはまた、あとで紹介します。