佐藤まどかさんが、またまた新刊をだされました。
わたしは恥ずかしながら、能も、能面もまったく知らないでいました。能舞台を見たこともありません。
でも、それだけに、どんな物語だろうと興味がわき、楽しみにページをめくりました。
表紙のアンマサコさんの絵が、物静かなのに、うったえてくるものがあり、それだけでも心をうばわれました。
物語はしっかり子どもの視線で書かれています。祖父のいる京都にあずけられ、能面に出会います。
能面を夜見てもこわくないと強がったり、等身大の小学4年生がそこにいます。
主人公の宗太はぜんぜん知らなかった能面師の祖父に出会い、とまどいながら、伝統芸能、能の世界にふれていきます。
能面って名前がついているんですね。宗太は能面のいろんな表情、そのいわれを聞いていきます。風情と趣などふだんつかわない言葉とも出会います。
そして、実際に自分でもお面を売ってみることに……。
最後のほうで、能を見に行って、眠ってしまう場面は、くすっとしました。雅楽のリズムって眠くなりますよね。
ほんと、そういうところ、正直に書いてあって、主人公がますます好きになっちゃいました。
取材をして書くとなると、どこまで説明して、どこまで物語にしてという案配がとてもむずかしいです。
佐藤さんにその見本を見せてもらったような気になりました。
わたしも一度くらい、能を見に行こうかな。
でも、眠らない自信はないので、起こしてくれる人といっしょにいかないと。
でも、佐藤まどかさんの好奇心というか、目のつけどころには驚きます。イタリア在住なのに、能面師とは……。
取材に赴くフットワークの軽さも、みならわなくちゃと思いました。